幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
梶よう子『雨露』
戸」が初めて戦場になった日。彰義隊は強大
なる新政府軍に挑み、儚く散った。なぜ、名
もなき彼らは、無謀な戦いの場に身を投じ
たのか。若き彰義隊隊士の葛藤と非業の運
命を描く、号泣必至の傑作!
一方、こちらは号泣必至の傑作歴史小説。
1868(慶応四)年1月、鳥羽伏見の戦いで徳川幕府軍に勝利した新政府軍は、その勢いに乗ったまま東進。江戸が戦禍に巻き込まれるのは時間の問題となった。川越藩の右筆を務める小山家の次男・勝美は、兄に命じられるまま彰義隊に加わる。彰義隊とは強大な新政府軍に対抗すべく有志によって作られた組織。しかし、新政府軍に比較すると武器の性能も劣り、多くの町人が加わった兵士では練度も低い。上野・寛永寺に拠点を構えた彰義隊に、5月、ついに新政府軍が迫る。幕府開闢以来、初めて江戸が戦場になる……。
新しい国造りを目指す新政府と、変化を望まない旧幕府の戦い。本作に出合うまでは、幕末史をそんな単純な図式でしか捉えていなかった。だが、戦いに加わった多くの若者たちには守るものと貫くべき信念があったのだ。
無謀と言われながらも、己の信じる道を歩んだ勝美たちの無垢な物語。勇敢ではあったが、儚く散ってゆくさまは決して涙なしでは読めない。
西欧の脅威にさらされつつ、大政奉還、新政府樹立、江戸城開城など大きな出来事が立て続けに起きた。まさに日本中が胎動していた時代に、江戸を、人々を守りぬこうとして命を賭した男たち。雨露に消えていった名もなき武士(もののふ)たちへの鎮魂歌である。
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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。
幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!
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