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森へ帰ろう

2023.07.21 公開 ツイート

第7回

ひとりと1匹で始まった森暮らし 小川糸

山小屋へ荷物を送った2022年の7月頭。

東京から八ヶ岳に荷物を運ぶのにトラックだと1日かかるので、私は近くの宿に泊まり到着時刻に合わせて山小屋へ向かいました。

ドキドキしながらカギを開けると7月でも山小屋の中はまだひんやり。これから人が住むことで少しずつ熱が残り、血が通うように温まっていくのでしょう。

山小屋の室内は、建築家さんと地元の大工さんたちのおかげで驚くほど肌に馴染みました。

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ベルリンのアパートを引き払い、日本で暮らした一年は料理三昧の日々でした。春はそら豆ご飯を炊いたり、味噌を仕込んだり。梅雨には梅干しや新生姜を漬けて保存食作り。秋は塩とブランデーで栗をコトコト煮込み、年越しの準備は、出汁をたっぷり染み込ませたおでんと日本酒で。当たり前すぎて気がつかなかった大切なことを綴った人気エッセイ。

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森へ帰ろう

『食堂かたつむり』『ツバキ文具店』『ライオンのおやつ』などのベストセラー作家・小川糸。小説だけでなく、その暮らしを綴ったエッセイも大人気。コロナが流行する前は、ベルリンに住んでいた彼女が次に選んだのは、八ヶ岳。愛犬ゆりねとの、森の中での静かな暮らしをお伝えします。

バックナンバー

小川糸

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。同書は、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞。その他の著書に、小説『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ライオンのおやつ』、エッセイ『グリーンピースの秘密』『昨日のパスタ』、絵本『ちょうちょ』『まどれーぬちゃんとまほうのおかし』など多数。ホームページ「糸通信」http://www.ogawa-ito.com/

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