29歳になった。また一つ歳をとったんだなぁって、後頭部の方でうっすらと思う。誕生日近辺が演劇の本番中だったこともあって、あまり感慨の湧かない誕生日だった。歳をとった実感はもしかすると、一年遅れでやってくるのかもしれなくて、29歳になった途端、自分は28歳だったんだってことに気づく。
初めてだらけの一年間が28歳だった。私は足に2トンの重石をつけて生活しているので、とにかく何かを「始める」っていうことが苦手な人生だった。けどこの一年は少し違ったのだ。習い事を始めてみたり、出かけたことのない場所に行ってみたり。そういうことができるようになったのは「続かなくてもいいや」「楽しくなくてもいいや」と思えるようになったからだった。
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キリ番踏んだら私のターン

相手にとって都合よく「大人」にされたり「子供」にされたりする、平成生まれでビミョーなお年頃のリアルを描くエッセイ。「ゆとり世代扱いづらい」って思っている年上世代も、「おばさん何言ってんの?」って世代も、刮目して読んでくれ!
※「キリ番」とは「キリのいい番号」のこと。ホームページの訪問者数をカウントする数が「1000」や「2222」など、キリのいい数字になった人はなにかコメントをするなどリアクションをしなければならないことが多かった(ex.「キリ番踏み逃げ禁止」)。いにしえのインターネット儀式が2000年くらいにはあったのである。
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