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キリ番踏んだら私のターン

2022.01.10 更新 ツイート

年末年始に心がやられた人たちへ 長井短

あけましておめでとうございます~! 

気づけば2022年。早すぎでは? って感じで困惑してます。

皆さんはいい感じの年越しできましたか? 

できたよ~って人も、無理だったよ~って人も、どうぞ今年もよろしくお願いします! 

 

私はというと、年末年始はきっちり休んで大掃除と初めてのお節づくりをかましていました。久しぶりに台本を覚えることもなく、ただただ生活に集中できた日々は最高だったけれど、拭いても拭いても出てくる埃みたいに、不思議と湧き続ける自己嫌悪……

何故? 何故こんなに溢れてくるの? ただ生きてるだけなのに! 

まぁまぁしんどい年末年始でしたので、新年一発目の今回は「褒めたくなる私でいるために」をテーマに、自己嫌悪の魔の手から逃れようともがきます。

年末年始、心の調子が不安定になったりしませんか

何かに取り憑かれたみたいに必死な大掃除だった。例年は「まぁこんくらいやればいいっしょ☆」くらいの大掃除スタイルだったのに、今年は何故か「手を抜く」って行為への抵抗がめちゃくちゃ強くて、夫とそれなりにギスギスしながら家中を掃除。

やりながら不思議だった。そりゃもちろん、しっかりやったほうが良いことではあると思うけど、別にねぇ? 自分の家なわけだし、自分たちの綺麗好き度に合わせた大掃除でいいはずなのだ。

なのに今年は、それ以上の掃除を自分にかしていたような気がする。

おせちを作ろうと思ったのも今年が初めてだった。大掃除も、お節作りも、私にとって真人間がやることみたいなイメージが強くって、要するに私はもっとまともになりたいのかもしれない。

その願いを叶えるために、努力をしたという実感がある。努力した実感があれば、それなりに満足感を得られると思っていたのに、なんか全然満たされなくて、頑張ったのにあれ? と思いながら年を越した。

年が明けての三が日は、年末の真人間スタイルと打って変わってのふにゃふにゃな時間だった。

まず午前中に起きられない。頭の中に靄がかかったみたいに自分がなにをしたいのかわからない。それでも元日から呪術廻戦を見に行くことはできたので、やっぱり呪術廻戦は凄い。

呪術廻戦を見に行った時に街で出会えた。でもこいつ負けるんだよな〜と思うと切なかった。「勝て」って棘くんに言ってもらって…。

ぼーっとしながら、作ったお節を食べると美味しくて、自分凄いじゃんと思えるはずなのにあまり感動しない。気付くと二日になっていて、三日になっていて、呆然とした心地は変わらない。

心がうまくいっていない気配がする。家族に会っても、友達に会っても、どこかで違うことを考えてしまって、でもその違うことが何かと聞かれても何というわけじゃない。ただ呆然としている。

「一生懸命」の効果

これはなんだろう。怖かった。一年に数回、心がうまくいかない時がある。そういう時は大抵PMSなんだけど、今回は周期的に違う気がするから天然物だ。

理由のわからないダウナーほどきついものはないので、結局私は新年早々、自分と向き合う羽目になる。

クソ。手のかかるやつだ。

頭の中だけで考えていても整理がつかないから、こうして書いてみる。ちなみに、この原稿は第3稿で既に2つの不正解ルートを経験しました……

本心、簡単に読み解かせろよ。お前の持ち主は私だぞ? 

都庁の周りを散歩したときに撮ったんだけど、木のシルエットがヴィランズで、闇の都庁になりました。

クヨクヨしたりイライラしたりしながら書いては消し書いては消しを繰り返しているうちに、少しずつ頭の中がクリアになってくる。ちょっとずつだけど心も軽くなっている気がする。それは別に、問題が解けたからではない。私は私のことが以前わからないまま。でも確かに軽やかになっていく今の理由はなんだろう。

それは、私が今一生懸命だからだ。

自分を愛するために、「今年の目標」をたてよう

「一生懸命やろう」と言う先生はうるさいし世間もうるせえ。一生懸命こそ美しいみたいな世界観もしんどい。人の一生懸命を見ようとしないでほしい。

でも確かに、一生懸命には価値があるのかもしれないと、私は今生まれて初めて思った。

正直一生懸命って言葉はずっと嫌いだったし、一生懸命なんてそんなん生きてるだけでオート装備だろと思っていた。そのくらい生きていくのは大変だ。

でも、ちょっと尖りすぎてましたかね? 

恥ずかしい。やっぱ一生懸命って良いっぽい。

こいつの何がいいって、本当か嘘か、暴力みたいにはっきりと自分にわかることだ。

自分が、一生懸命やったかどうか、自分自身に嘘をつくことはできない。だから、絶対に自分を納得させられる一生懸命さを繰り出す必要があるのだ。

それはとても難しい。

年末の大掃除もお節作りも、私は一生懸命やったつもりでいたけれど、心が軽くならなかったってことは、あの一連の死闘は一生懸命とかではなかった。人間、そんな簡単に一生懸命になれるわけじゃない。一生懸命はマジでむずい。

それでも、私は今年、1日でも多く一生懸命でいたいと思う。

だってやっぱり、その実感を持てた日は自分のことを愛せるのだ。よく頑張って偉い強い最高のギャルって思える。思いたい。きちんとした手応えを持って、自分のことを褒めてあげたい。

そのために、今できる一生懸命はなんだろう。壮大なものである必要はない。他人から見たら簡単なことでもいい。ただ自分にとって、本当に頑張らないとできないこと。一生懸命にならざるを得ないこと。

私にとってのそれは早起き……私、今年は毎日10時までには起きたい……10時までに起きられたら、今日も一生懸命生きたなって思える気がするの……

手放しで呑気な愛情ではなく、もっと頑丈な愛で自分を撫でてあげられるように、私は今年一生懸命早起きする。

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キリ番踏んだら私のターン

相手にとって都合よく「大人」にされたり「子供」にされたりする、平成生まれでビミョーなお年頃のリアルを描くエッセイ。「ゆとり世代扱いづらい」って思っている年上世代も、「おばさん何言ってんの?」って世代も、刮目して読んでくれ!

※「キリ番」とは「キリのいい番号」のこと。ホームページの訪問者数をカウントする数が「1000」や「2222」など、キリのいい数字になった人はなにかコメントをするなどリアクションをしなければならないことが多かった(ex.「キリ番踏み逃げ禁止」)。いにしえのインターネット儀式が2000年くらいにはあったのである。

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長井短

1993年9月27日生まれ、A型、東京都出身。

ニート、モデル、女優。

恋愛コラムメディア「AM」にて「長井短の内緒にしといて」を連載中。

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