生き方
主人公の森宮優子は17歳。高校3年生の始業式を迎える朝、優子が「森宮さん」と呼ぶ父親が用意した朝ごはんはかつ丼だった。気合を入れないと! と早起きして作ってくれたものだけれど、朝食としてはかなり重い。残しては申し訳ないと、頑張って平らげ、学校に向かうのだった。森宮さんと優子は、本当の親子ではない。血の繋がりはなく、義理の親子だ。森宮さんは37歳で、20という微妙な年齢差のために、時に揶揄されることもあるけれど、ふたりの関係はいたって健全だ。朝からかつ丼を作るように、森宮さんにはどこかとぼけているところもあるが、ふたりはいつでも互いを気づかい、その親子関係はつねに微笑ましい。
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