1. Home
  2. 生き方
  3. 編集部日記
  4. オリンピックのはずだった週

編集部日記

2020.07.26 更新 ツイート

オリンピックのはずだった週竹村優子

7月20日
17時ごろまで自宅でゲラを読み、会社へ。最近、試験に使われた本の掲載許可の連絡が多い。試験問題は事前に使用申請ということはもちろんなく、事後の連絡。いろんな本が使われるというより、決まった本に集中する。

夜、『新潮』掲載「ダークアンデパンダン」(卯城竜太さん)を読む。芸術家の思考の軌跡にひきずりこまれる。多くは、見ないふりするか、気づきもしない、個人の闇を「表現するか、しないか」とまで徹底して考えられることが、芸術家なのだろうな。私自身は、表現はしなくとも、自らの闇を、文学や芸術に触れることで、そこにあっていい、と言ってあげている気がする。最近は、心の透明性、一貫性が求められる風潮だけれど、矛盾ややましさをなきものにされることは怖い。

 


7月21日
一日自宅でゲラ仕事。合間に、村上春樹さんの新刊『一人称単数』を購入。楽しみ。
 


7月22日
午前中は自宅で仕事をし、午後会社へ。『小説幻冬』8月号の見本が出来ていた。上野千鶴子さんと鈴木涼美さんの往復書簡連載第二回が掲載されている。テーマは、「母と娘」。27日発売。
 


エリカ・アンギャルさんとオンラインで打ち合わせをしながら、欧米ではマスク着用は政治的イシューだという話を聞く。英会話のハナさんは、チェコは地下鉄はマスク着用で、地上の電車はなしでよい、と言っていた。マスクは、コントラバーシャル。

夜、そろそろユニクロ以外の服を買いたいなとマッセメンシュに行くと、野宮真貴さんとばったりお会いする。止まってる企画の話もできてよかった。偶然はいつもうれしい。
 

本当は明日からオリンピックだったなんて信じられない。


7月23日
海の日。休みだけれど、不要不急の外出は自粛ともいわれているし、今日明日は普通に仕事をしようと思い、ゲラの続き。夕方でだいたい終わる。赤字がたくさん。次の再校では落ち着くだろうか。10月に出したいと思っている。

夜、『一人称単数』を読み始める。


7月24日
スポーツの日。昨日、名称をはじめて知った。家は夫のオンライン仕事の声が響きそうなので、脱出。近所のカフェを2軒まわりながら夕方まで原稿を読む。

そうしているうちに、上野千鶴子さんの往復書簡原稿と矢吹透さんの人生相談の原稿が届いていた。どちらも重なるところがあり、連続で読むと、胸がかきむしられる。いくら愛情があっても、絶対に隔絶した存在である他者。上野さんには感想を、涼美さんには上野さんからの返信を送り、「小説幻冬」の編集長には入稿の準備。矢吹さんの連載のプレビューを作る。
 

関連キーワード

{ この記事をシェアする }

編集部日記

幻冬舎plus編集部員の仕事と日々。

バックナンバー

竹村優子

幻冬舎plus編集長と単行本、新書、文庫の編集に携わる。手がけた本は、『世界一の美女になるダイエット』(エリカ・アンギャル)、『青天の霹靂』(劇団ひとり)、『職業としてのAV女優』(中村淳彦)、『快楽上等!』(上野千鶴子・湯山玲子)、『大本営発表』(辻田真佐憲)、『弱いつながり』(東浩紀)、『赤い口紅があればいい』(野宮真貴)、『じっと手を見る』(窪美澄)、『銀河で一番静かな革命』(マヒトゥ・ザ・ピーポー)、『しらふで生きる』(町田康)など多数。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP