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編集部日記

2019.12.31 更新 ツイート

ダイブできるかどうかで人混みを見る人もいる竹村優子

12月23日
武田真治さんが新年にNHK「みんなの筋肉体操」に出演されるので、リードとタイトルを変えて、「優雅な肉体が最高の復讐である。」再掲載記事を作る。野宮真貴さんの「おしゃれかるた」も同じく再掲載記事を作る。過去の記事でもそのときどきの話題にあわせて作り変えることを最近意識している。

夜、湯山玲子さんより2月文庫『日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない』(二村ヒトシさんとの共著)のゲラが上がったと連絡があり、外苑前でいただく。クリスマスイブ前夜とは思えないほどの人の少なさ。湯山さんと喧騒は先週の土曜日で終わったのかな、などと話す。

 

12月24日 
昨日いただいたゲラの赤字と二村さんの赤字とをドッキングさせて、戻しの作業。村田沙耶香さんがNYTimesに寄稿された「The Future of Sex Lives in All of Us」の存在を友人に教えてもらいプリントアウトする。読まねば。

12月25日 
昼から部の会議。時間を間違えていて遅刻。そのあともうひとつ会議。

明日から取材とイベントが続くので、この谷間の夜に映画を見たかったのだけど、終わらず諦める。その代わり、マガジンハウスの友人とボッサへ。

12月26日
お昼過ぎにJ-WAVEへ。町田康さんがクリス智子さんの「GOOD NEIGHBORS」にゲスト生出演され、『しらふで生きる』のお話をされる。 

パンクロッカーは先のことを考えない、これがルールだという話から始まったのに、最後は、締め切りより余裕をもって原稿は書き上げないといけない、という話で終わる。破天荒さと律儀さが入り混じる町田さん。

ラジオのあと、場所を変えてもうひとつWEB媒体の取材。

ちょっとだけ会社に戻ったあと、代官山蔦屋書店へ。萱野稔人さんと御田寺圭さんによる「リベラリズムの終わり」刊行記念トーク。リベラリズムの原理が適応できない現代社会の実状について。

御田寺さんの指摘が容赦なく、なんだか暗澹たる気持ちになってしまったのだけど、それは目をそらしてきた問題をむき出しにされてしまったからなんだと思う。お二人は反リベラリストというよりは、リベラリズムを真面目に考えたいのだし、イデオロギーで勝負するのではなく、社会をどうしていくかを議論したいのだと思った。

満席に近いお客さんの真剣さ、熱気がすごかった。予定時間を大幅に超えてもみな聞き入っていた。

12月27日
2月の文庫解説のゲラ戻しや連絡事項をできるかぎり済ませたあと、昼過ぎに品川駅でマヒトゥ・ザ・ピーポーさんと待ち合わせて大阪・梅田蔦屋書店へと向かう。夜、坂口恭平さんとの『まとまらない人』『銀河で一番静かな革命』刊行記念トークイベント

年末の駅は人がいっぱい。新大阪駅の階段を下りながら、マヒトさんが「これくらいの密度ならダイブできるなー」と言っていたのがおもしろかった。そういう視点で人混みを見たことないな。世界を見る目は人それぞれだとこんな場面でも実感する。

1時間前に会場着。坂口さんもすぐあとに到着。今日がきちんと話をするのは初めてのお二人。マヒトさんが話をしてみたい、という希望で実現したトーク「命について」は、高解像度で抽象度の高い言葉の応酬で、私は、司会に入ったものの、あまりに隙がなさすぎて3つくらいしか質問出来なかった。

死にたくなるうちは大丈夫であること、ひとりぼっちのなりかた、書くことの効用。ドゥルーズがゴダールについて書いた文章(『記号と事件』)のゴダールをマヒトゥ・ザ・ピーポーに置き換えて坂口さんが読み上げたのはあまりにぴったりだった。坂口恭平に置き換えても当てはまりすぎる。

「ゴダールは根をつめて仕事をする男です。だからどうしても絶対の孤独に沈むしかない。…(中略)…ゴダールはたったひとりで一大勢力たりうるのだし、大勢でチームを組んで共同作業をおこなうこともできるのです。ゴダールは誰とでも対等につきあうことができる。相手が公的機関であろうと、さまざまな組織であろうと、家政婦や労働者、あるいは狂人であろうと、まったく同じ態度で接することができる。」

トーク中、坂口さんが「マヒトくんのことが心配だ、心配だ」と言っていたけれど、10年以上前から坂口さんを知ってる私からすると、坂口さんが40歳を過ぎ、マヒトさんを心配していることが感慨深かった。私たち、死なないでよく生き延びたね。

1時間半のトークは、坂口さんが「飛行場」を、マヒトさんが「失敗の歴史」を歌って終わる。
 

打ち上げのとき、坂口さんが自分が出てきたとき、中沢新一さんや宮台真司さんに勇気づけてもらえてうれしかったことをマヒトくんにも伝えたかった、とおっしゃっていた。時間が流れるなかで紡がれているものがあると実感した夜。2019年の仕事納め。

新しい年に何をやればいいのかいつも不安だけど、進んでいけばどこかに光があると信じたい。

来年もよろしくお願いいたします。

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幻冬舎plus編集部員の仕事と日々。

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竹村優子

幻冬舎plus編集長と単行本、新書、文庫の編集に携わる。手がけた本は、『世界一の美女になるダイエット』(エリカ・アンギャル)、『青天の霹靂』(劇団ひとり)、『職業としてのAV女優』(中村淳彦)、『快楽上等!』(上野千鶴子・湯山玲子)、『大本営発表』(辻田真佐憲)、『弱いつながり』(東浩紀)、『赤い口紅があればいい』(野宮真貴)、『じっと手を見る』(窪美澄)、『銀河で一番静かな革命』(マヒトゥ・ザ・ピーポー)、『しらふで生きる』(町田康)など多数。

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