暮らし術
松田洋子といえば、これはもう、誰がなんといおうと、『薫の秘話』と『リスペクター』。作者はもういい加減にしてくれとおっしゃるかもしれないが、あの2作が出たころの驚きはいまだに忘れられません。
『薫の秘話』は、日本マンガ史に残るネガティブな主人公像。チビ、デブ、ハゲという身体的三重苦に、今だったら絶対にアウトの露骨に差別的な同性愛者という設定。しかし、そのネガティブさを、すべて悪意、ひがみ、卑屈で武装し直し、普通の人が心の奥底に秘める本音全開で、理路整然と他人の心の傷を抉りまくる。ほんとに独創的なマンガです。
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