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山に咲いてる桜の花……ひとめだけでも君と見られたなら、桜にも君にも、こんなに恋こがれることなんてないのにねぇ。
あしひきの 山桜花 一目だに 君とし見れば 我れ恋ひめやも(巻十七・三九七〇番)
もしこれが友達との恋愛トークのなかで見せられた「彼氏から届いたLINE」なんかだったら、私も「わ~あま~い! ラブラブだね!」とかなんとかお酒を飲みつつ適当に相槌を打つところなんですけれども。ども。
奈良時代の歌集『萬葉集』の場合、これが男性同士のやりとりなんですから、「エッちょっと待って!?」とお酒を置いて正座してしまいます。
はい。というわけで今回は「『萬葉集』の時代にも登場するよ! BL!」の巻です。
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ラブコメ!萬葉集
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新元号「令和」の元ネタとして今注目の「萬葉集」。萬葉集研究をしていた京大院卒書評家が、その面白さを現代目線からぶったぎりつつ解説します。