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地球外生命は存在する!宇宙と生命誕生の謎

2019.05.24 更新

木星の衛星「エウロパ」の氷面下の海に生命体が潜んでいる?縣秀彦

「人類が21世紀中に、地球以外の星で生命を見つける可能性は50%以上」。こう断言するのは、国立天文台の縣秀彦氏だ。地球外生命は人類のような生命体なのか? それともはるかに進化した生命体なのか? そもそも生命はどのように誕生するのか? 人類究極の謎に迫った縣氏の著書、『地球外生命は存在する!』の一部をご紹介します。

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研究者の「本命」はエウロパだ

生命探しの探査を行っているのは火星だけではありません。その期待は、木星の衛星にも向けられています

(写真:iStock.com/alexaldo)

1989年、NASAの木星探査機「ガリレオ」が、スペースシャトル「アトランティス号」から打ち上げられました。ガリレオ探査機のミッションは、木星とその衛星を探査することでした。1995年に木星に到着したガリレオは、7年以上にわたって木星を35周も回り続け、探査を行いました。この間、木星本体はもちろん諸衛星に関しても様々な発見をもたらしました。

木星には現在60以上もの衛星が見つかっており、そのうち、大型の衛星は4つあります。この4つは、1610年にガリレオ・ガリレイが口径4センチメートルの小さな望遠鏡で発見したことからガリレオ衛星とも呼ばれていて、木星に近い順に、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストと名づけられています。

ガリレオ探査機の成果で特筆すべきは、大型衛星のひとつ、エウロパの氷の表面の奥深くに液体の水が大量に存在することを、衛星が発する磁気データの解析から突き止めたことでしょう。

エウロパの氷の表面には、マスクメロンの表面のように交差する溝のような模様が数多く見られます。このような構造を形成する理由と、木星の強力な重力によって引き起こされる潮汐力の影響を考慮すると、氷の表面はおよそ30キロメートルもの厚みがあり、その下には深さ50キロメートルにも及ぶ海があると結論づけられました。

また、エウロパのように確実な証拠はありませんが、ガニメデとカリストにも液体の海が氷の表面下に存在する可能性が指摘されています。

1973年、74年にパイオニア10号・11号が相次いで木星に接近した後、1979年にはボイジャー1号と2号によって、イオにある複数の活火山が活発に硫黄の噴煙を上げている姿や、エウロパやガニメデ、カリストなどの衛星表面のクローズアップ画像が撮影されました。

さらに、木星にも環(リング)が存在することもわかりました。これらの新しい知見は当時の科学者はもちろん、世界中の人々も胸を躍らせる未知の情報ばかりでしたので、NASAはいち早くガリレオミッションを遂行したのです。

厚い氷の下にはいったい何が?

地球上で最初の生命が生まれた場所はどんな環境だったのかまだ詳しくわかっていませんが、近年の深海底の調査結果から、深い海の底、海底火山の周辺が生命誕生の複雑な化学反応を引き起こす環境として適しているのではと考える研究者が多くいます。

(写真:iStock.com/Rost-9D)

さらに、深海底ではなく地表の温泉のような場所こそが、熱源として生命誕生に適していると主張する研究者もいます。これもまた、混沌として解決できていない謎のひとつです。

さて、木星の衛星エウロパの氷面下の海は、木星の強い潮汐力によって氷が溶けてできたものだと考えられています。エウロパより木星にやや近い軌道を回るイオでは、さらに強い潮汐力の影響で星の表面全体が火山活動を起こしているような状態ですので、エウロパの海底にも海底火山があり、熱源が保証されているのかもしれません。

地球の深海底には太陽の光が全く届かないにもかかわらず、多様な生物が存在します。嫌気性細菌と言い、酸素を嫌って生活する細菌も住み着いています。ですので、エウロパの海にも同様に、生命が多様に進化して生息している可能性もあるのです。

2011年8月、NASAは新たな木星探査機「ジュノー」を打ち上げ、5年後の2016年7月には、木星の周回軌道への投入に成功しています。ただし、ジュノーの探査目的は木星本体の大気や磁場・オーロラの観測であり、地下氷を持つ衛星の詳細な調査は予定されていません。残念ながら、エウロパの厚い氷の下を探査するよい方法がまだ見つかっていないからです。

しかし、氷の表面下に海を持つ木星の衛星エウロパやガニメデ、カリストの内部を詳しく探査する日が、いつか訪れることでしょう。

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地球外生命は存在する!宇宙と生命誕生の謎

果たして現在の科学は、どこまで地球外生命に迫っているのか?そもそも、地球外生命は存在するのか?

研究国立天文台天文情報センターの縣秀彦(あがたひでひこ)さんの新書『地球外生命は存在する!』からの短期集中連載です。

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縣秀彦

1961年生まれ。自然科学研究機構国立天文台准教授、天文情報センター普及室長。国際天文学連合国際普及室長。専門は天文教育と科学コミュニケーション。東京大学教育学部附属中学・高校教諭を経て現職。日本天文学会天文教材委員長、日本科学教育学会理事、日本サイエンスコミュニケーション協会副会長、天文教育普及研究会長などを歴任するほか、テレビやラジオ等でも活躍。「科学を文化に」「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。著書多数。

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