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恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる

2019.04.15 更新

バンドマンとの恋が成就するとき林伸次

忘れられない恋を誰かに語りたくなることがありませんか? その相手にバー店主は時々選ばれるようです。バー店主がカウンターで語られた恋を書き留めた小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』より、今週のお話。

*   *   *

二月のある日、風は冷たく、空には雲が立ちこめ、今にも雨が降りそうな夜だった。

私は、二月の寒さにも負けないような強い意志を持ったカナダ出身のシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルの『青春の光と影』が聴きたくなり、棚からレコードを取り出し、ターンテーブルの上にのせた。

「涙と不安、そして誇りを持って、私はあなたを愛していると叫ぶ」とまだ若いジョニ・ミッチェルが歌う切ない曲だ。

すると、髪を金色に染めて、黒縁のメガネをかけ、マッキントッシュのコートを着た女性が扉を開けて入ってきた。年齢は三十代半ばくらいだろうか。コートを脱ぐと体の線が細く華奢な印象だ。

彼女は「ここいいですか?」と、カウンターの席に座ると、スピーカーの方に耳をすましてこう言った。

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