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橋本治のかけこみ人生相談

2018.12.21 更新 ツイート

勉強が嫌いです。両親の言う“いい大学”に行きたいとも思いません。【リバイバル】橋本治

●ゆき・予備校生・19歳・女性

勉強が嫌いです。父母どちらも、誰もが知っているような大学出身です。兄弟も両親が望むような大学へ進学しました。

小学生の頃から勉強を始め、両親に教えてもらいながら高校入試まで頑張りました。高校、大学一貫校の有名私立は不合格でした。

わたしはその高校より地元の公立の高校に行きたいと思っていました。無事にその高校には合格しました。すこくレベルの高い高校ではありませんが、首席で合格だったと先生が教えてくださいました。

高校からは自分で勉強しなさい、と言われました。ですがわたしは勉強が嫌いで、努力をしませんでした。

すごくいい大学に行きたいと思ったこともありません。

両親は「レベルの高い大学に行けば自分のできることの範囲が広がるし、いい友人との出会いもある」などと教えてくれましたが、それでもどうしてもいい大学にいきたい! という強い気持ちは湧きません。

高校3年生での入試も努力不足で第一志望には合格できず、受けた中で一番低いところにのみ合格しました。両親はそこにいくなら浪人した方がいい、と言いわたしはそれに従いました。

今年、2回目の受験が迫っています。去年の第一志望も受けます。

ですがわたしの努力では正直厳しいと思います。それ以上の理由として、受かりたいという気持ちがほとんどありません。

お金を出してもらったり、常に応援してくれる両親にひどいことをしていると思います。それでも努力をしない自分が嫌いです。

もう大人になる年齢なのに、甘え過ぎていると思います。

大学にいくことが全てではない、というふうにどこかで軽くみてしまっている自分がいます。

高卒でもきちんと働いている友達もいます。こういうふうに考えてしまうのです。

それでは駄目なんでしょうか。自己嫌悪ばかりして辛いです。

回答:ご両親が行けという“いい大学”に合格すべき。それがご両親の言いなりから自由になる一歩です。

あなたのおっしゃることに、それほどの間違いはないと思います。

だから自己嫌悪に陥る必要はないと思います。

実は私は東大出の人間なのですが、「レベルの高い大学に行けば自分のできることの範囲が広がる」とは思いません。

私が「自分のしたいこと」を出来るようになったのは大学の外で、私が一人で勝手なことをやっていた結果です。

(写真:iStock.com/AndreiErmalov)

大学で何人かの友人も出来ましたが、根本のところで私は「レベルの高い大学を出た人間」と、相性がよくないようです。

言うまでもなく、私は勉強が嫌いです。「勉強が出来るようになると勉強をしなくてすむから、勉強の出来る子が羨ましいな」と、子供の頃には思ってました。

ただ、私が嫌いだった勉強は、大学に入るまでの勉強で、よく分からないままに大学へ入って、「大学での勉強は、自分のやりたいことをやりたいようにすることだ」と気がついて、「だったら勉強は好きだ」と思うようになっただけです。

あなたは「勉強が嫌いだ」とお思いになっていて、「そんなことを考えるのは私一人なんじゃないだろうか?」とお思いかもしれません。

でも、その目的がよく分からなくて、たださせられるだけの勉強は嫌いだと言う人は、いくらでもいます。

その点でご心配になる必要はありませんが、でもあなたは、一つだけ考え違いをなさっています。

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母親に逆らわず育ち、帰省が憂鬱と悩む女性に「『お母さんが嫌いだから私は帰らない!』と電話でぶちまけるべき」と対話法を指南。中卒の学歴を子供に言えないと嘆く父親には「語るべきはあなたの人生、そのリアリティです」と感動の後押し。橋本流の謎解きと意外な処方に、生きる気力がわいてくる。壁にぶつかる人生も、たまには悪くないのかも。

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橋本治

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。小説、評論、戯曲、古典の現代語訳、エッセイ等、多彩に活動。『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)等、著書・受賞歴多数。

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