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週末島旅

2018.07.29 更新 ツイート

「奇跡」のような宿がある加計呂麻島小林希

6月8日に上梓された、旅作家・小林希(こばやしのぞみ)さんの最新刊『週末島旅』。
6月27日に、『週末島旅』の発売を記念したトークイベントが開催され、書籍に収録されていない話も含めて、たっぷりと島旅の魅力をお聞きしました。今回は、加計呂麻島編です。(文:世良 菜津子)

なかなか辿り着けない看板のない宿

島旅の魅力は、人との出会いもあると思っています。そう思うようになったきっかけは、奄美大島の南部に位置する加計呂麻島(かけろまじま)にある「ゆきむら」という宿での出会いでした。

ゆきむらには看板がありません。ホームページもずっと休業中になっているので、なかなか辿りつくことができない宿です。ゆきむらにやってくる旅人は、口コミや紹介がほとんどです。

ゆきむらでは、女将さんや旦那さん、ゆきむらを訪れた初対面の旅人たちと、家族のように一緒にご飯を食べます。実家の両親を囲って、家族でご飯を食べるような気分。

それぞれ、「今日は何しようかなぁ…」「あそこ行ったらいいよ!」とか、そんな話をしながらご飯を食べるのですが、「なんでこの宿に来たんですか?」と話を聞くのが面白くて。みんなそれぞれ人生にドラマを持っている人たちが多いんです。彼らの話を聞いて一緒に笑ったり、ときには泣いたりすることも。

自分の知らなかった別の人生に触れることができる瞬間です。

まさにここが「パラダイス」

ゆきむらの道路挟んですぐ向かい側に、パラダイスという場所があります。海の上に、ゆきむらのお父さんが板を張って作った場所で、私はそこでほのぼのと過ごす時間が大好きです。大きなハンモックがあって、そこでゴロゴロするのもすごく気持ちがよくて。海がキレイで、まさに名前の通りパラダイスです。

加計呂麻島は、ガイドブックでもいろいろ紹介されているんですが、海の美しさでいうと、個人的には、ゆきむらがある集落・勢里(せり)地域がおすすめです。海のグラデーションがすごく美しいんです。遠くの方が濃いブルーで、徐々に明るい青になっていて、手前はイエローグリーンで。すごく変化のある、とってもとっても美しい海を見ながら、女将さんに近況を聞いてもらったりして。本当にゆったり滞在することができるので、ぜひ興味がある方は訪れてみてくださいね。

島料理の贅沢さは、採る過程も体験できるところ

加計呂麻島周辺の海では、トビンニャっと言う貝が採れます。シュノーケリングをしながらトビンニャを拾って海水で洗って食べる、という習慣が、加計呂麻島にはあります。

初めて海の中でトビンニャを探したときは泥とかついていたので、どれがトビンニャか全然わからなかったんです。初歩的な勘違いで、水中ゴーグルをつけていると周りの物が大きく見えるんですよね。だから、海の中では実物よりもトビンニャが大きく見えていて、見つけることができなかったんです。それに気付いて、一つ採ったあとは、我を忘れてトビンニャをたくさん採りました。

採ったトビンニャをゆきむらのお父さんに渡して、トビンニャを洗い、大きなお鍋に入れて、海水でグツグツ煮てもらいます。すると、トビンニャから砂が出てくるので、後はそのまま塩味でも食べることができます。これがトビンニャの昔ながらのシンプルな食べ方です。島料理は、自分で採るところからできるということが、すごく贅沢な体験だなと思います。

女将さんのご飯は全部手作りで、毎日食べ切れない量が出てきます。「ご飯できたよー!」って言われて、みんなでぞろぞろ集まって、自然とみんなにお箸を配ったりとか、ご飯を運んだりとかするので、私にとってゆきむらは、宿というよりも実家のような感覚に近いかもしれません。

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小林希『旅作家が本気で選ぶ!週末島旅』

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小林希 旅作家

一九八二年東京生まれ。旅作家。元編集者。出版社を退社し、世界放浪の旅へ。1年後帰国して、『恋する旅女、世界をゆくー29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。旅をしながらネコの写真を撮り続ける。また、執筆活動の傍ら、瀬戸内海の島にゲストハウスをオープンするなど島おこしに奔走する。著書に『泣きたくなる旅の日は、世界が美しい』(幻冬舎)など多数。現在五十五カ国をめぐる。『デジタルカメラマガジン』(インプレス)で「世界のネコに恋して」を連載中。
◆インスタグラム&ツイッター:nozokoneko

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