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脳が冴え続ける最強メソッド

2018.05.02 公開 ツイート

仕事の成果が出ないのは、脳の“隠れ疲労”が原因です 寒竹泉美(サイエンス・ライター)

世界中の多くのビジネスエリートたちが今、脳の健康やパフォーマンスの維持のために自己投資をはじめている。日本でも昨年、脳パフォーマンスを維持し、認知症を予防するための脳トレーニングジム「ブレインフィットネス®」の誕生が話題に。5月にはこの脳トレーニングジムのプロデューサー髙山雅行氏と脳科学者の杉浦理砂氏の共著『ブレインフィットネスバイブル 脳が冴え続ける最強メソッド』も刊行される。その書籍の内容の一端をご紹介する、冴える脳のための読物コラムシリーズです。

大人が背負っているこの複雑な“疲れ”の原因は?

ちょっと思い出してほしいのです。子供の頃や学生時代、あなたは今ほど疲れていたでしょうか? 外でさんざん遊びまわってくたくたになったときには疲れを感じたかもしれませんが、大人になった今の疲れとはちょっと違うものだったのはないかと思います。

多くの大人は毎日のように疲れを積み重ねています。それは、子供のときの疲れとはまったく違う種類の疲れです。ストレスや不安の混じった、身体とメンタル両方にのしかかる疲れ。気持ちが憂鬱になり、やる気を奪う重苦しい疲れ。

ストレスと戦うビジネスパーソンにとって、疲れをすっきりと解消したいというのは切実な願いです。栄養ドリンクを飲んだり、マッサージに行ったりと、みな試行錯誤をしています。でもほとんどの場合、それらは一時しのぎにしかなりません。貴重な休日を使って疲労回復に専念しても、仕事を始めればまた疲れてしまう。そして、その疲れがどんどん蓄積されていくのです。
書籍『ブレインフィットネスバイブル』でも詳しく書かれていますが、私たち現代人が感じているこのような疲れの大きな原因のひとつが“脳の疲労”なのです。

現代社会のビジネスシーンは、脳にとっては“想定外”

私たちの脳は、狩猟採集生活をしていた太古の時代の人類と構造的に大きくは変わっていません。それなのに、ここ数十年で私たちの暮らしは大きく変わってしまいました。現代人の脳は、脳が作られたときには想定していなかった使い方をされているのです。
この本には脳疲労の原因として、

・ 睡眠時間を削ること
・ 複数のタスクを同時に進めること
・ 時間に追われて仕事をすること
・ やりがいのあるミッションに夢中になって休憩をとるのを忘れること

などが挙げられています。
現代社会のビジネスパーソンには、ほぼすべて思い当たることなのではないでしょうか。

このような生活を続けていると、脳は必ず疲労します。そして、積み重なる脳疲労の対策を取らずにそのまま放っていると、脳に不具合が出やすくなります。
脳の不具合の一例が認知症です。蓄積した脳疲労は認知症の発症リスクを高める可能性があるというのです。脳を疲労させ続ける生活をしていると、現状の仕事のパフォーマンスも低下し、将来の認知症のリスクも高まります。
多くのビジネスマンたちの脳は危険にさらされていると言っても過言ではないでしょう。

脳の疲労が引き起こす人生へのダメージ

体の疲労ならともかく、脳が疲労するというのはイメージが湧きにくいですよね。いったいどういうことでしょうか。
脳の疲労は以下のようなことに表れるそうです。

・イライラして焦燥感がある
・集中力が続かず深い思考ができない
・すぐに疲れてやる気が出ない
・会話をなかなか理解できないときがある
・アイデアがひらめかない
・悲観的な思考から抜け出せない
・決断に時間がかかってしまう
・文章を読んでもなかなか頭に入ってこない
・物忘れが増えた
(『ブレインフィットネスバイブル』より引用)

心当たりはありましたか? 複数当てはまったという人もいるかもしれません。
脳だって体の一部。体を酷使すれば疲労して痛んだり動かしにくくなったりするように、脳の疲労は、確実に脳のパフォーマンス低下を招きます。

脳が担当しているのは、計算や記憶だけではありません。将来の計画を考えたり、複数の情報の中からその場にあったものを取捨選択したり、感情を制御したりすることも脳の役割です。ですから、その脳が疲れてパフォーマンスが落ちてしまうと、上に挙げたような、様々な困った状態が引き起こされてしまうのです。

脳の“非常事態宣言”にだまされていないか?

脳疲労の原因に心当たりはあるけれど、「自分の脳は大丈夫、疲れていない」と思う人こそ注意が必要です。
疲労は、限界を超えないように脳がブレーキをかけて休息を取らせるメカニズムです。が、脳からのブレーキサインが出ない“例外”があるのです。それは、命がかかっている非常事態のときです。“食うか食われるか”といった生命の危機に直面すると、脳は一時的に疲労や苦痛を感じなくさせる脳内物質を放出させ、本体を行動に駆り立てます。無理をしてでも、命を守る行動を取らせるのです。

現代の私たちは、その非常事態を発動させすぎているのです。勝負をかけたプレゼンや、大きな利益を左右する大切な決断、人間関係の泥沼のような大きなストレスにさらされるとき、脳はそれを非常時と判断してしまいます。
非常時には疲労は隠されて、体中に一旦、力とやる気がみなぎります。でも、この状態を「調子がいい」と捉えるのは勘違いなのです。非常事態が常態になってしまうと、どうなってしまうでしょう。脳が壊れるか、体が壊れるか、どちらにしても、明るい未来ではなさそうです。

人生100年時代、自分の脳を長く働かせるには、脳の仕組みを正しく理解し、日々のメンテナンスを行いながらうまくつきあっていくことが重要です。脳の健康を守り、脳本来の力を維持する方法を書籍『ブレインフィットネスバイブル 脳が冴え続ける最強メソッド』では紹介しています。

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