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もう怒らないレッスン

2017.12.21 更新 ツイート

Method24

身近な人と話すとき「絶対」と言わない 和田秀樹

怒っていいことは一つもない。2018年からの自分が変わる! ためない。爆発しない。翻弄されない。怒りをコントロールできる大人になる24のメソッド。『もう怒らないレッスン』和田秀樹著(幻冬舎文庫)

 

iStock/YakobchukOlena

「何、それ?」が怒りに変わるとき

「もう結婚して20年になるのに、ときどき、宇宙人かと思っちゃう」

 プンプンしてそんな怒りをぶつけてくる人がいます。とくに守ってほしいルールを夫が守ってくれないと、妻の怒りがメラメラと湧いてきます。最初は我慢できた。しかし、そのまま5年、10年も経過すると、イライラがつのります。

 結婚というのは、まったく違った環境で育った男女がひとつ屋根の下で生活することです。生活のルールが違って当たり前です。そこにトラブルが起きないはずがありません。「えっ、何それ」ということが、しばしば起こります。

 箸(はし)の上げ下げ、食べ方から始まって、靴、洋服の脱ぎ方、トイレの使い方まで、あげればキリがありません。そんな「何、それ?」のたびに、相手に怒りをぶつけていたら、結婚生活がうまくいくはずはありません。どうやって怒りを静めて、その怒りの感情と折り合いをつけるかが大切です。

「絶対」は怒りの種になる

 たとえば、二人の何かの記念日の過ごし方で、いさかいが生じることがあります。多くの女性は、結婚記念日をとても大切にします。誕生日もそうかもしれません。結婚記念日や誕生日には、ワインとケーキでお祝いする。夫が妻に素敵なプレゼントをする。それが記念日の「なければならない姿」と決めている女性もいるかもしれません。

 でも、男性の中には「なければならない」とまでは考えていない人も多くいます。

 結婚記念日や誕生日を忘れてしまって、その日に残業したり、取引先の接待をスケジュールに入れてしまうかもしれません。

 こんな話があります。

 ある人が、取引先との接待の後、その日が結婚記念日だったことを思い出し、深夜営業のお店でケーキと花を買って帰りました。日付が変わる少し前の時間でした。すると、奥さんは、そのケーキと花束をリビングの床に叩きつけて寝てしまったのです。夫は酔いが一気にさめ、寂しく汚れた床を掃除するだけだったといいます。

 人はそれぞれに「なければならない」というルールを持っています。人によっては、絶対に譲れないルールがあるかもしれません。でも、どんな人間関係でも一方的な「絶対」は怒りの種になりやすいのです。

 結婚記念日は、夫婦にとってたしかにとても大切な日かもしれません。二人でお祝いをしたい気持ちもわかります。それを忘れた夫にも非はあります。

 しかし、妻の「なければならない結婚記念日」に対して、「仕事を一生懸命にこなして、家族の生活を守らなければならない」が優先される夫の立場もあると考えてみてはどうでしょうか。

 前向きの「私とは違う」がある

 人の価値観はそれぞれです。

 大事なのは、自分の価値観を「絶対」だと思わないこと。とくに、身近な相手に対して「絶対」と口にしないこと。「『絶対』とは絶対に言わないぞ」と、あらかじめ自分の心にインプットしておきましょう。

 たとえば大ヒットしている映画を観ても、ベストセラーの小説を読んでも、面白いと言う人もいれば、まったくつまらないと思う人もいます。感じ方は人それぞれ自由であり、それは尊重すべきことです。結婚記念日を忘れていた夫に対して、妻が寂しい気持ちになるのはわかります。それがあなたにとって、どうしても譲れないルールなら、「今日は早く帰ってきてね」とか「今日は特別の日だからね」とあらかじめ伝えておけばいいでしょう。それでも、夫が忘れてしまうかもしれません。

 そんなときは、「私とは違うんだ」と割り切るしかありません。決してあきらめるという意味ではなく、その違いをまずは受け入れてみることです。怒り返すこともなく、反省しながら床掃除をしている夫は、果たして悪い宇宙人でしょうか。

「ごはん、待っていたのに」

「忙しかったんだね」

 怒りをぶつけるのではなく、そんな言葉で自分の思いを伝えてみればいいでしょう。

 夫婦であろうと恋人であろうと、決して同じ価値観で生きていないということを前提に向き合えば、許せる範囲が広くなります。おおらかに許す姿勢を見せれば、きっと来年の結婚記念日には、バラの花束を持って早く帰ってくるはずです。

 

※次回は12月24日(日)公開予定です。

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もう怒らないレッスン

ためない。爆発しない。翻弄されない。怒りをコントロールできる大人になる24のメソッド。

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和田秀樹

1960年生まれ。東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院精神神経科助手、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー等を経て、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学大学院教授、川崎幸病院精神科顧問等も務める。著書多数。

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