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もう怒らないレッスン

2023.05.04 公開 ポスト

つまらなくて長い話には心の中で「ツッコミ」を入れる和田秀樹

世の中の「怒りの種」は、探そうと思えば尽きることがありません。怒りとの付き合い方を間違えると、体調を悪くしたり、心を病んでしまうことも。怒りの上手なコントロール法をまとめた『もう怒らないレッスン』(和田秀樹著、幻冬舎文庫)から、この連休中もなるべくご機嫌に過ごせるためのメソッドをいくつかご紹介します。

*   *   *

「聞く苦痛」をどうするか

世の中には、自分のことばかりを話したがる人が、けっこうたくさんいるものです。

「昨夜(ゆうべ)、誰と一緒に飲みに行って、酔っ払ってこんな話をして、帰りにラーメンを食べて、帰ったらもうかったるくて着替えもせずに寝てしまった……。ああ、また太っちゃうよー……」

そんなこと、こちらにはまったくどうでもいいことです。そんな話をダラダラといつまでも聞かされる。聞いているうちに、「好きにしろ」「それがどうした」と、だんだんと腹が立ってきます。

そういう人の相手をするとき、ヘタに相槌(あいづち)を打ちながら聞いていると、いつまでも話は終わりません。途中でこちらが怒って「もういいから」とさえぎれば、相手も怒ってしまうかもしれません。またまた、怒りの連鎖です。

上手に対応しなければならないタイプの人です。相手にしないのがいちばんですが、なかにはそう簡単にいかない関係もあります。お姑(しゅうとめ)さん、兄嫁、義理の姉、会社の上司、先輩、大切な取引先の人……。

話を聞くのも苦痛、でも逃げ出すこともできない。もう、こうなったら、その苦痛の時間を楽しみの時間に変えてみようではありませんか。

「つまらない」を楽しむ方法

私は、そういうときには、漫才師になります。相手はボケ役。私の役はツッコミです。心の中で、相手の話にツッコミを入れることにしています。「それがどないしたんや」という漫才のノリです。

「昨日、友だちとお酒を飲みに行って、えらく酔っ払ってしまってさあ」

(酒を飲めば、誰でも酔っ払うよ。お前だけじゃないだろ)


「帰りの記憶がなくてさあ」

(そこまで飲むなよな、学生じゃないんだから)
 

「それでもきちんと帰っているから不思議だよな」

(財布は大丈夫だったの? クレジットカードは?)


「それでも二日酔いにならなかったなあ」

(酒が強いのって、そんなに偉いことか。ほかにないのか、ほかに!)

そんな調子でツッコミを入れて、相手がいくらつまらない話をしてきても、それで楽しめるようにするのです。ただし、これは「心のツッコミ」。間違っても声に出してはいけませんよ。

いったい、この人はどこまでつまらない話をし続けることができるか試してみるというのもいいでしょう。しゃべるほうが、いつ参ったと言うか、持久戦勝負です。

こんな役回りを演じることは滅多にないのですから話を続けさせるには、「うんうん、それでどうしたの?」と相槌、合いの手を続けます。

(写真:iStock.com/Enol Sutil)

そうやって、延々と「話し手」対「聞き手」のバトルを続けるのです。

禍転じて、勝者になる

ここまでくると、話している側が、だんだんネタ切れです。ネタ切れすると、急に冷静になって、「つまらない話をしすぎたかな」などと殊勝(しゅしょう)な言葉を吐いたりします。そうなれば、ツッコミ役のあなたの完全勝利です。

大変な作業ではありますが、そこまでやれば、相手は二度と同じことを繰り返しません。なにしろ相手は敗者なのですから……。思わぬ副産物もあります。

「あいつは、よく話を聞いてくれる」

「すごくいい奴だ」

高い評価です。それが、まわりまわっていろいろな人の耳に入り、あなたの株が上がります。後日、とても有益な話が舞い込んでくるかもしれません。

聞き上手は、円滑な人間関係を結ぶための最高の武器です。

怒ってしまえば、何も得るものはありませんが、ちょっと見方を変えて、上手に生かせば、自分自身のキャパシティを高めることにもつながるのです。

この手法、愚痴っぽいお姑さん相手でも使えます。

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もう怒らないレッスン

ためない。爆発しない。翻弄されない。怒りをコントロールできる大人になる24のメソッド。

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和田秀樹

一九六〇年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、三十年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『70歳の正解』『マスクを外す日のために』『バカとは何か』『感情バカ』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。

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