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斜陽産業でも売上を伸ばす最強の営業術

2016.09.07 公開 ツイート

目先の成功や失敗に一喜一憂しない 青木慶哉

自分の会社はどんなストーリーで事業拡大していくのかをイメージすることが重要

 10代から新聞販売の世界に飛び込み、30分500円で高齢者の困りごとを解決する「まごころサポート」というサービスを導入して大ヒットさせた青木慶哉さん。青木さん流のローカルビジネスを成功に導くヒントをまとめた『感謝される営業』から、3回目は限られた資金と人材をどう活用するかについて解説します。

 

(3)小さな「変化」を仕掛け続けよう

ローカルビジネスはそれほど大きくないスケールのビジネスです。ということは、限られた資金と人材を駆使して事業を成長させていかなければなりません。

 そこで大切なことは、「ストーリー性」と「タイミング」です。決して一発大逆転を狙ってはいけません。「今やる、すぐやる、小さくやる」がポイントです。 

 何をもって「失敗」と見なすのかって、判断するのは難しいと思うんですね。

 失敗を繰り返す中で、点と点がつながって線になったことも、これまでに何度もありましたから。

 だから、目先の失敗や成功にはこだわらずに、小さな変化を仕掛け続けることが大切だと思っています。僕はこれを、「経過変化」と呼んでいます。僕が新聞販売店のオーナーを務めていた頃も、「変わり続ける」ということを会社のテーマにして、さまざまな施策に挑戦し続けていたのが、結果として良かったのかな、と思っています。

「何かラッキーなことが起こって、一発大逆転でウチの会社が変われるといいな」というのは、僕の言うところの「経過変化」ではなく、「機会変化」。運に身を任せたところで、チャンスは絶対に思い通りにやってきません。

 ただ、常に大きな変化を仕掛けていく必要もありません。特に、ローカルビジネスというのは、大きな資本力を持っていない場合がほとんど。小さな資本の中で、小さな成功体験を積み上げていかないと、何かしらの結果を出すことはできないのです。

 つまり、ローカルビジネスにおいて「一発逆転はないんだ」と思わなければなりません。かと言って、成長を諦めて「現状維持」を続ければ、残された道は「衰退」のみ、です。

 やっぱり全国を見ても、ローカルビジネスを成功へと導いた方々は、日々小さな変化を継続しています。端から見ると、「おっ、あの会社が奇跡を起こしたぞ」「あの売上の上げ方は爆発的だよね」という風に見えても、一発大逆転によって成功させたものではないのです。それより以前に小さな変化を起こす数多くの挑戦をされています。

 その時に大切なことは「ストーリー性」です。自分の会社はどんなストーリーで事業拡大していくのかをイメージしておかなければなりません。ストーリー性はないけれど、「儲かりそうだからやる」という新規事業のほとんどはうまくいきません。「社員にもお客さんにも語れる物語があるか」は、小さな変化を起こし続ける上で大変重要です。

 事業は成長させ続けなければなりません。特に、これからのローカルビジネスは、人口減少が加速する環境の中で成長させていく必要があります。そのためにも、今のビジネスの強みをよく分析して、強みを生かしたストーリー性のある変化を仕掛けていきましょう。

 もうひとつのポイントは、「小さな変化」です。今のビジネスの先行きが不安だからといっていきなり何千万円も投資するよりも、まずは小さな挑戦を繰り返して手応えを感じるかをテストしてみましょう。

 気持ちが前のめりになり過ぎたり、起死回生の一発勝負に挑んだりすることのないようにしたいと思います。

 

大きな成功の裏には、

 必ず小さな変化の積み重ねがある。

「一発逆転」は、存在しない。

 

関連書籍

青木慶哉『感謝される営業 超ローカルビジネスの未来』

そんな売り方で誰が買いますか? 任された新聞販売店は崖っぷち。 「まごころ」をサービスにする仕事術とは? 新聞屋さんや牛乳屋さん、電気屋さん――。 町に根を張り、地域の人から長年必要とされてきた 「超ローカルビジネス」の多くは時代のはざまに立っている。 10代から新聞販売の世界に飛び込み、 激しい営業競争に打ち勝った著者が語る 超ローカルビジネスを成功へ導く考え方。 自分自身の5年後、10年後が見えなくて不安な時、 現状が変えられず心がくじけそうな時に、 読むと勇気がわいてくる一冊。 目次 第1章 斜陽の新聞販売業、復活にすべてを賭ける 第2章 シニアと地域に愛される会社をつくろう! 第3章 どん底からのV字回復、迷わずこの道を進め 第4章 僕が夢見る超ローカルビジネスの未来

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斜陽産業でも売上を伸ばす最強の営業術

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青木慶哉

 読売新聞販売店の営業マンとして関西地区コンテスト2年連続優勝。その後、若干23歳で関西の新聞販売店のオーナーを任される。「30分500円で高齢者のちょっとした困りごとをお手伝いする」という「まごころサポートサービス」をスタートしたところ、大ヒット。現在は株式会社GEE&BEEの代表取締役、MIKAWAYA21株式会社の取締役として、シニア向けのサポート事業導入のための講演活動やコンサルティングを行っている。

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