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斜陽産業でも売上を伸ばす最強の営業術

2016.08.31 更新

「相手と合わないから仕事が面白くない」と言い訳しない青木慶哉

親から引き継いだ商売を自分の代で廃らせるか、磨きをかけるか

 新聞屋さんやクリーニング屋さん、牛乳屋さんに電器屋さん――。町に根を張り、地域の人から長年必要とされてきたローカルビジネスの多くは、次々と姿を消しています。もうローカルビジネスは生き残れないのでしょうか?

 10代から新聞販売の世界に飛び込み、30分500円で高齢者の困りごとを解決する「まごころサポート」というサービスを導入して大ヒットさせた青木慶哉さんは、「淘汰こそビッグチャンスの前触れだ」と説きます。青木さん流のローカルビジネスを成功に導くヒントをまとめた『感謝される営業』から、V字回復に向けた心構えをご紹介いたします。

 

(1)起こることすべて「自己責任」

自分のビジネスを、覚悟を持って受け入れましょう。

 たとえ親から引き継いだローカルビジネスだとしても、人口減少エリアだとしても、あるいは将来性が弱いように感じているとしても、それはあなたの選んだビジネスなのだから、腹を決めて全力投球しましょう。

 28歳の時、僕はある大失敗をしてしまいました。

 当時、あるIT企業が「新しく使われるようになった電話番号をいち早く検知する」という特許を開発したのですが、この技術を使って引っ越しのタイミングを即座に見つけ出すシステムをつくることができるという提案を聞き、数億円掛けてIT系の事業を立ち上げたのです。

 ところが、いざ稼働を始めたところ、精度が非常に悪くて……。当初の予想通りには住所が検出できないという、計画とはほど遠い結果になってしまったのです。

 ほとんど役に立たないシステムのために数億円の負債を抱えてしまった僕には、さらにもうひとつの悩みが。

 当時、僕の新聞販売店のエリアを統括している担当の方と相性が悪く、営業の方針で度々衝突をしていました。

「女性ばかりの店舗では営業なんて上手(うま)くいかない。プロのセールスマンをもっと活用してください」

「イベントやミニコミなんてやめて、直接的な販促費にもっとお金を使いなさい」

 ……と、僕が新しい新聞販売店のあり方を模索する中で信念を持って挑戦してきた取り組みの数々を、理解されない日々が続きました。

 新聞業界は担当の権限が強く、指導に従わなければ、経営にも大きな影響が出ます。担当の考え方と合わないことが続き、どうにも折り合いがつかないことに、若かった僕は常に不満を抱いていました。その結果、自分がどうすべきか迷い、上手くいかないことを担当の責任にし、動きが鈍っていた時期があったのです。

 そんな時、ある新聞社のIさんという方とお話しする機会があったのですが、僕の身の上話を一通り把握されていたその方からこんな言葉をいただいたのです。

「青木君、今、ストレスのかかることが多くて大変でしょう? でも、ひとつ教えてあげるね。身の回りで起こることのすべては、『自己責任』なんだよ。

 例えば、もしも青木君が歩道を歩いていて、そこに車が突っ込んできてケガをしても、青木君の責任。『その時、その場にいたのは自分なんだから』と考えた方がいいよ」

 はじめにこの言葉を聞いた時は、傷口に塩を塗るかのような話だと感じました。

 ところが、この言葉のおかげで、その後の気分がとても楽になっていったのです。

 僕は、Iさんの言葉をこのように解釈しています。

 交通事故のような、予見できない出来事が自分の身に降りかかってきた時に、運転手を恨み、責め続けるのか、はたまた一日も早く復帰するためにリハビリに一生懸命取り組むのか。どちらを選ぶかによって、その後の人生は大きく変わる。現状に執着してしまうよりも、自ら状況を変えていく方がいいのだ、と。

「誰かのせいにし続けて、何もできない人生って辛いよね」……と、Iさんは教えてくださったのだと思います。

 この出来事以来、僕は、事実を素直に受け止めた上で、現状を変えていくにはどうしたら良いのかを常に考え続けることを意識するようになりました。 

 全国のローカルビジネスに励むみなさまとお会いしていると、「親から引き継いだこの商売は本当は自分のやりたいことではない」とか、「この商売の未来に可能性を感じられない」といった話をよく聞くことがあります。でも、その商売はあなたの商売です。親から引き継いだ商売にもっと磨きをかけていくのか、あなたの代で廃(すた)らせて終わりにしてしまうかは、あなた次第です。今の商売に可能性を感じられないと思って適当にやるのか、可能性を探してもっと磨きをかけるかはあなたの決意次第です。

 僕は事業が当初の計画通りに進まないことを取引先のせいにして腐っていましたし、担当に理解してもらうためにもっと努力すべきなのに、「この担当とは合わない、だから仕事が面白くない」と言い訳をしていました。その間は、1ミリも成長しない無駄な時間を過ごしてしまっていたと思います。

 そんな僕の目を醒ませてくれたのが、「起こることすべて自己責任」という言葉。誰かを恨んだり、誰かのせいにすることの苦しさと無駄に気づかせてもらえたのでした。

 

人のせいにし続ける人生ほど、

 辛いものはない。

「すべてが自己責任」

 という覚悟があれば、

 必ず現状を打破する道が開かれる。

 

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青木慶哉

 読売新聞販売店の営業マンとして関西地区コンテスト2年連続優勝。その後、若干23歳で関西の新聞販売店のオーナーを任される。「30分500円で高齢者のちょっとした困りごとをお手伝いする」という「まごころサポートサービス」をスタートしたところ、大ヒット。現在は株式会社GEE&BEEの代表取締役、MIKAWAYA21株式会社の取締役として、シニア向けのサポート事業導入のための講演活動やコンサルティングを行っている。

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