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見栄を手放すための節約道

2016.03.10 公開 ツイート

節約とは他人と比べないことである。 中川淳一郎

「見栄を捨て、自分だけの幸せを手に入れる。」のキャッチコピーとともに、3月10日に発売された、中川淳一郎さんの『節約する人に貧しい人はいない。』。「節約とは他人と比べないこと」と繰り返し説く、異色の節約本は、いかに生まれたのでしょうか? そして、中川さんの考える「節約道」とはどんなものなのでしょうか? 短期集中連載でお届けします。


人生で無意識にしみついた節約

 私自身はあまり節約をしているという感覚はない。だが、世間様は私のことを節約家だと思っているらしい。ただ、節約家といえば、セブンイレブンのnanacoポイントをいかに貯めるかとか、Tポイントカードいかがっすかー! みたいな話が得意な人を思い浮かべるだろう。あるいは、スーパーの特売日を知っていたり、ドミノピザの割引雨の日クーポンの情報をメルマガで入手したりする人もあてはまるかもしれない。
 しかし、私はこういった情報はほぼ知らないのである! 
「なんでオレが節約なんだよ、エッ! バーンバーン(興奮のあまり机を叩く音)」
 と、企画を提案してきた、編集担当T嬢に詰め寄った。

 するとT嬢は、「中川さんは、無意識に節約が身に染みているというかぁ~。なんか、お金の正しい使い方とか貯め方をすでに実践されている気がするんですよね~」と言う。
自分では、そんな実感はなかったものの、他人からそう言われたならば、書くしかない。FPの資格を持っているワケでもなく、公認会計士の夢は商学部に入った大学1年の5月段階で捨ててしまったような男である。専門分野でないため、私にとってはこれまでの執筆経験ではもっとも難易度の高い本になったかもしれない。しかしながら、これまでの人生におけるカネの話を書けばなんとかなることは分かった。

 おそらく私は、貯金額は同世代の中ではそれなりに多い部類に位置づけられるだろう。そのカネはいかに貯まったのか? その理由、その過程こそが、「節約」なのだとT嬢は言った。


節約の神髄は『アナ雪』の「ありのままで」

 節約とは、ムダ金を使わないことである。ムダ金を使わないということは、不必要な消費をしないということである。不必要な消費をしないということは、人生において余計なことをしないことである。人生において余計なことをしないというのは、最低限のやるべきことをこなす幸せで穏やかな人生を送れているということである。

 さぁ、ここで分かっただろうか? 節約とは、私の大嫌いな『アナ雪』の「ありのままで」なのである。これまで散々、「ありのままでいたら成長できねぇよ、アホ」などと言い続けてきた私ではあるものの、「ありのまま」でいて、さらには他人と比較をしない人生を送ることによって、幸せな一生を送ることができると気付いたのだ。

 私は現在、42歳。他人と比較するような人生を送っていたら、マンションを買ったり、子供を私立の学校に入れたり、休日はカーディーラーに行ってメルセデスにするかアウディにするか悩んだりするような人生を送っていたかもしれない。

 しかしながら、現在、こうしたことに一切の関心がない。もっとも関心があるのが、ウマいフィッシュ&チップスの店を見つけること、ドラクエVでキラーマシンを仲間にすること、3DS三国志で天下統一をすることだけなのである。

 この段階で、「貴様は何を言ってるのだ」と思うかもしれないが、私にとっては人生においてかなり重要な3つの事項をここで挙げた。
「うるせぇ、ワシの好きなようにさせろ、エッ! バーンバーンバーン(さらに興奮のあまり机を叩きまくる音)」


自分だけの金銭感覚を身につけ、見栄張りゲームから降りよう

 さて、みなさんが今惨めな人生を送っていると感じているのであれば、それは無駄に他人と比較をしているからである。節約をすることによって他人と比較しないで済むのである。いわば、見栄張りゲームから降り、さっさと自分だけの金銭感覚を身につけることにより、穏やかな人生を送ることができる。

 これから何回か「節約とカネ」について文章を書いていくが、ぜひとも、『節約する人に貧乏人はいない。』をお読みいただければたいへんうれしく思います。

 それでは次回以降、具体的なお金の話をしていきますね。びっしびっしカネ貯めていこうぜぇ~。

関連書籍

中川淳一郎『節約する人に貧しい人はいない。』

見栄を捨て、自分だけの幸せを手に入れる。 他人と比べない。競争しない。妬まない。「自分のため」の金銭感覚の身につけ方

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見栄を手放すための節約道

「見栄を捨て、自分だけの幸せを手に入れる。」のキャッチコピーとともに発売された、中川淳一郎さんの『節約する人に貧しい人はいない。』。「節約とは他人と比べないこと」と繰り返し説く、異色の節約本は、いかに生まれたのでしょうか? そして、中川さんの考える「節約道」とはどんなものなのでしょうか? 短期集中連載でお届けします。

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中川淳一郎

1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『TVブロス』編集者などを経て、2006年よりさまざまなネットニュース媒体で編集業務に従事。並行してPRプランナーとしても活躍。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。以来、著述を中心にマイペースで活動中。

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