男性は、走り過ぎると禿げる?
辛酸 本の中では肛門のシーンもすごくて。夫の痔の様子をチェックするために、写真の前に、皺(しわ)の絵を描いて表現してっていう。
今村 はい。中崎タツヤ先生が肛門の絵を描いてらしたので、「私にも描ける」って思ったんです(笑)。中崎タツヤ先生のはすごい単純な線で、ステッドラー(編集部注:筆記用具のメーカー)かなんかでね。「これなら私にも描けるかも、写生できるかもしれない」と思って描いたんですけど、夫が「これじゃ、具体的にはわからない」と。携帯で撮影したときは、ピントを合わせるのがいやでした。
辛酸 わりとピントが合いづらそうですものね、近いと。

今村 (ピント調整の)黄色い枠が出るじゃないですか。それがいやでしたね。
辛酸 もう、「もう何を見せてもいい」みたいな気持ちになっていたんですかね。
今村 前から何を見せてもいい人で。裸族というか、私がパンツを出さなきゃ、ずっとそのままでいるような状況だったので、いつもパンツを持って追いかけていくような感じでした。「頼むからそのままベランダに出ないでください。みんな、いやな気持ちになりますから。上の階の人とか、おじさんの全裸を見たら、みんないやな気持ちになるでしょうから、パンツははいてください」と。
辛酸 へえー。体を鍛えたりとかは、してないんですか?
今村 走っていました。
辛酸 そこまでお腹が出ているとかは……?
今村 ないですね。ストレスで、気が狂ったように走っていましたから。毎日、ハーフマラソンでした。
辛酸 すごいですね。
今村 でも、禿げて来くるんですよ、栄養が回らなくなって。
辛酸 走りすぎると禿げてくる。
今村 はい、走りすぎると栄養が回らなくなって、禿げてきました。フルマラソンも3時間9分とかでやっちゃっていましたから。
辛酸 へえー、早い!(笑)
今村 ランナーズハイな気持ちになっていたんでしょうね。
博打好きから証券マンになった夫
今村 夫は博打が──パチンコが好きだったんですけど、母親が生きているうちは、パチンコで生きていくのはいかがなものかと思ったみたいです。だから、証券会社に就職したと。私は「なぜ、銀行にしなかったのか」と言ったんですけど、「銀行というのはお客様の財産をお守りするお手伝いで、証券会社はお客様の博打のお手伝いだ」と。それを証券会社に勤めている男子の友だちに言ったら、「いい加減にしてくれ」って怒られましたけど(笑)。
辛酸 お友だちは、ちゃんと真面目にやっている方。
今村 ええ。「やめてくれ」って言われて。
辛酸 恋愛も賭けごとと同じように、快感中枢みたいものにつながるなどと言いますよね。
今村 パチンコをやっていても、ジャラジャラ出ると、脳からいい物質が出るらしいですから。
辛酸 じゃ、本当にドラッグとかに行かなくて、よかったんですかね。
今村 ドラッグに行かなくてよかったです。

辛酸 今も恋愛を求めているということは?
今村 もう夫は疲~れちゃっていました(笑)。
辛酸 枯れてきちゃったんですか。
今村 ええ。もう、なんか疲れていて。男ってかわいそうな生き物だなって。
辛酸 そういう結論に……(笑)。女性は強いですね。それでまた、夫に対して庇護欲みたいなものが刺激されることは、ないんですか? 母性本能が刺激されるというか。
今村 夫とは別居中ですが、あの仕事(株関係)をやっている限りは、またひとつ屋根の下に戻ったら同じことになっちゃいますから。3時に市場が閉まるんですけど、そのあとも夜の7時ぐらいまで緊張が続くみたいで、イライライライラしちゃって。会社員時代、夫の職場は丸の内にあったんですけど、仕事終わりに丸の内で待ち合わせしても、その辺をショッピングするとかじゃなくて、もう、イライラ、イライラして。緊張の糸が張り詰めていて、話しかけられなかったです。
辛酸 そうだったんですね。
今村 夜中もニューヨークの株価を見に行って、布団の中で「はあー」とかって言って、私もドキドキして、よく寝られないんですね。他の仕事だったら、うまくいったのかもしれないですけど、仕事が悪かったと思います。
辛酸 株のトレーダーって、すごく格好いいというイメージを持っていたんですけど、ぜんぜん──大変なんですね。
今村 ええ。なかなかもたないって言いますね。夫も、旬は30代だったと思うんです。
辛酸 デイトレーダーの人とか、トイレに行く時間がないから、大人用のおむつをしてずっと画面を見ているとか、そういう話も聞きますね。
今村 最初は反射神経で取引をしていたみたいなんですけど、なんか変わりましたでしょう、システムが。動体視力では見られないくらい速くなったとか。
辛酸 へえー。
今村 お気の毒です、ほんとに。
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