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結婚はつらいよ!刊行記念対談

2015.12.16 公開 ポスト

『結婚はつらいよ!』刊行記念対談

第2回 裸族の夫に、村八分にしようとする舅。嫁は大変です……。今村三菜(エッセイスト)/辛酸なめ子

 強力な個性を持ったご家族やご友人、下ネタに事欠かない夫とのエピソードなどを赤裸々につづった大人気連載『結婚はつらいよ!』。その書籍化を記念して、著者の今村三菜さんが大ファンという、辛酸なめ子さんとの対談が実現しました。波瀾万丈な今村さんの日常が、エッセイよりもさらに赤裸々に、全4回にわたって明かされていきます。2回目の今回は、本書でもたくさんの「下ネタ」を暴露されたご主人と、婚家の風習について。あの「肛門」のお話も登場します。(写真:谷口巧 文:幻冬舎編集部)


結婚して一番の衝撃は、排泄物!?

今村 「ウンコをする人とは結婚できない」「百歩譲って、真っ白でバラの香りがする人とならできるかも」と思っていた話を書いたんですが、あれを連載時に読んだ同級生が「そのときのことを覚えている」って言うんです。「あのときはミナちゃんが、『ウンコをする人とは結婚できない』ってぎゃあぎゃあ言いながら絵を描いて、みんなの手を震わせた」って。「自分だけどんどん描いていたのを覚えてる」って。そのとき、先生に殴られたんですよ、私。

辛酸 そんな体罰が!

今村 はい、たぶん、静岡雙葉で初めて、最初で最後だったと思うんですけど、「今村、うるさい!」って。ガーン、と。

 私はそのままイスから落っこちて、「ギャー!」って。

辛酸 その排泄物へのこだわりというのは……。その後、排泄物を洗う羽目になろうとはって感じですよね。肛門まで見せられるとは、みたいな。

今村 そうなんですよ。本当に肛門まで見せられて。でも一番最初にショックだったのは、最初の夫が排泄物を流し忘れたのを見たときの衝撃ですね。「お母さん、ごめんなさい」って思いました。

辛酸 ええっ! ちょっと付いてるとかじゃなく?

今村 はい。流し忘れた、そのままのを。あと──なんでこんな話をしてるのか(笑)、もう今は失(な)き夫がね、「すごいウンコをしたから見てくれ」って言うんですよね。私は、絶対いやですよ。でも、「これは見ておいたほうがいい」って。「もう、ほんとにいやだから」って言っているのに、見せられたんですよ。そうしたら、「これが人間のお尻の穴から出るものか!?」っていうものが。「いったい、お前は何を食ってるのか」と。

辛酸 じゃ、すごい太さというか。

今村 ええ、もう、流れない。

辛酸 1回で流れないような……さらけ出し具合が、すごいですね。


「タマタマを返します!」

辛酸 夫の方も証券会社で大変な仕事をされていたとか。1億円を動かすような。

今村 1億円じゃなくて、動かしているのは、もう10億とか20億とか。

辛酸 すごいですねえ。だから、それで出た男性ホルモン──テストステロンとかアドレナリンとかを、そういう(浮気などの)方向に持って行かないといけなかったんでしょうか。

今村 いや、アドレナリンは、私に八つ当たりすることで解消していたと思います。ずっと、何十年もそんな感じだったので、私もこう、ぼおーっとしないでは生活していられないっていうか。八つ当たりの嵐だったので、精神安定剤とかを飲んで、ぼやーっとしなければ、生きていかれないような感じだったんです。

辛酸 八つ当たりっていうのは、ちょっとしたことで怒るとか、キレる感じだったんですか。

今村 はい。たとえば木曽路(編集部注:しゃぶしゃぶと日本料理のお店)で肉を食べたあとに、「うどん、ください」って言ってもそのままになって、出汁が少なくなって煮詰まったりしたらカーッとなったりですとか。

辛酸 店員に怒るとかですかね。

今村 はい。あと、アンティークのお店に行って、棚を買ったことがあるんですよ。玄関に置こうと思って。でも、置けなかったんです、玄関に。それで、その棚と一緒に10cmくらいのシリコンで出来た飾りの玉を──透きとおったのと緑のを買ったんですが、その玉も返したいと。だけど、「返品は受け付けません」ってアンティーク屋さんに言われたんです。

 そうしたら「さっき、お前のところで15分前に買ってうちに持って帰って、それを合わないから返すっていうのに、おかしいだろう!」って。「クーリングオフとかどうなってるんだ! 車で持って行くって言っているのに、おかしいだろう!」って。結果、返品も大丈夫になったんですけど、そのとき夫が「シリコンのタマタマも返しますから!」って。私、その言葉にうれしくなって、ひっくり返っちゃって。おしゃれな雑貨を、「タマタマも返しますから!」って、真面目に言ってね。本当にこの人と結婚してよかったなって(笑)。

辛酸 怒りと笑いが両方来るみたいな、すごいですね(笑)。

今村 怒りと笑いの、すごい人。はい。

辛酸 すごく刺激が強い、刺激にあふれた生活だったんですね。

今村 そうです、よかったです。面白いところもあり、もう、その、やっぱり「タマタマ」の返しが。

辛酸 真面目に言うところがいいですね。

今村 真面目にアンティーク屋に言っているときに、本当に、うれしくて仕方がなくなりました(笑)。

辛酸 彼の中では、「タマタマ」って名称に、最初からなっていたんですね。

今村 もう、恥知らずですね。

 

関連書籍

今村三菜『結婚はつらいよ!』

ひと組の布団で腕枕をして眠る元舅・姑、こじらせ女子だった友人が成し遂げた“やっちゃった婚”、連れ合いをなくし短歌を詠みまくる祖母、夫婦ゲンカの果て過呼吸を起こす母、イボ痔の写真を撮ってと懇願する夫……。「ウンコをする男の人とは絶対に結婚できない」と悩み、「真っ白でバラの香りがする人とならできるかも」と真剣に考えていた思春期から20年余り、夫のお尻に素手で坐薬を入れられるまでに成長した“元・お嬢さん”の、結婚生活悲喜こもごも。

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結婚はつらいよ!刊行記念対談

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今村三菜 エッセイスト

1966年静岡市生まれ。エッセイスト。仏文学者・詩人でもある祖父・平野威馬雄を筆頭に、平野レミ、和田誠など芸術方面にたずさわる親戚多数。著書に『お嬢さんはつらいよ!』『結婚はつらいよ!』(ともに幻冬舎)がある。

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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