実は名言が盛りだくさん
辛酸 お友だちの中には、結婚していても老後はひとりで生きたいっていう方がいて、そういう話を聞くと、ちょっと勇気がもらえると。
今村 ええ。彼女は本当に忙しくて、忙しくて、同窓会にも来ないんです。それで「私とすれ違ってもたぶんわかんないと思う」って。「今、ヒッピー状態だから」と。格好がね。
辛酸 それ、旅とかをしているんですか。
今村 いや、ぜんぜん。認知症のお舅さんのパンツを何度も洗ったり、ちっちゃい年子の子も含めて3人子どもがいるので、子育ても大変で。あと彼女は薬剤師で、開業しているお医者さんのところに嫁いだんですが、家の医院の薬のことを任されていて。ご飯を作って、家のことをやって、最後に夜、医院の会計をやったりとかしていて、忙しくて、忙しくて。それで、「もう本当に、家族という呪縛から逃れたい」と。「最後に死ぬ前の、その孤独の恐怖感さえ受け入れれば、私は自由になってもいいんだよね」って。だから、「子ども全員、大学を出したら、家族から抜けさせていただく。ひとりで沖縄に行って暮らす。いいよね」「私は、ミナみたいにひとりで本を読む時間なんてないんだよ。私の人生は他人の予定で成り立っているんだ」って。あと、別の友だちは、「自分は、自分という人生の主役だと思ってたけど、脇役だった」って。
辛酸 みんな、それぞれの人生観というか、何かしら名言を放っていらっしゃるんですね。
今村 本当に。夫の携帯を盗み見る女って最低と思っていたけど、私は見ちゃいました。「そこにあなたの幸せは入ってないから見ちゃいけない」って言いますよね。だけど、どんな種類の不幸か見てみたい(笑)。

辛酸 名言ですね(笑)
今村 はっきりさせたかったんです。
辛酸 「幸せが入ってない」っていうの、すごい深いですよね。
今村 そんなことわかってますけどねぇ、見たいですよね。
辛酸 お友だちに言われた「男の秘密の扉を開けてはいけない」っていう話も、すごい格言だなと思って。
今村 そうなんです。彼女は、「ミナちゃんは気が弱いから、男の秘密の扉を全部、開けちゃう」って言うんです。「私は開けないわよ」って。「そのかわり、『生活費10万円、上げてくれる?』って言うと、それはうちの夫だって、顔がざあっと曇るわよ」って。「私はそうやってお金で解決していくタイプ」って言っていました。
辛酸 そうやってバッグでも買ってくれるんだったら、いいかもしれないですね。
今村 はい、彼女はお金で解決するタイプだって言っていましたね。その話を全部聞いたあと、私が、「どうしよう、連載原稿をあと4枚ファックスしなきゃなんない」って言ったら、「隣りに夫の事務所があるから、来る?」って言うんです。さんざん、ご主人の浮気の話を聞いたあとで……。もう、困っちゃって。それで、「いや、困るよ、私」って言ったら、「でも、(夫は)いい人だから」って(笑)。
辛酸 不自然な感じになっちゃいますよね(笑)。
今村 ぎくしゃくしていました。
辛酸 男性の浮気の話で思い出したんですけど、メディア関係の方々と食事会をしていたら、そこにいた男性ふたりも、やっぱり浮気しているっていうお話をしていて、その武勇伝を話していたんですね。会社のビルにある部屋で、みんなが帰ったあと性行為をしていたら、セコムの人がガチャッと扉を開けて、そのまま閉めていったとか。そういう話を聞いていたら、私がそのときしていたパワーストーン──ムーンストーンのブレスレットが、いきなりぶち切れたんですよ。
今村 ええっ!(笑)
辛酸 男性の、そういう邪気まみれの話を聞いていたら、突然。それで、男性の煩悩というか、情欲というか、色情霊みたいな、そういう色欲の恐ろしさみたいなものを感じました。
今村 ムーンストーンが、びしっと、へえー。すごいですね。
※第2回へ続く。12月16日(水)公開予定です。












