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結婚はつらいよ!刊行記念対談

2015.12.12 公開 ポスト

『結婚はつらいよ!』刊行記念対談

第1回 今村さんの血筋には何かある!?今村三菜(エッセイスト)/辛酸なめ子

姪はミス・ソフィア!

今村 うちの両親は今年、金婚式で、記念に夫婦でパリに旅行するって言っていたんですけど、「ふたりで行くとケンカになっちゃうから、ミナちゃんついて来て」って言われて。「ああ、新婚旅行は雲仙にふたりでラブラブで出かけたろうに、50年経つとパリに行っても大げんかになる。それで娘を呼ぶのか」と思って、感慨深いものがありました。それで私も行くことにしたんですけど、その直前に母が盲腸になってしまって。先生は「薬で散らす」って言ったらしいんですけど、母が「いや、手術してください。私は主人とフランスへ行くんですから!」って。それで、内視鏡で盲腸を取ったら、他のところも綻びてたので、切開に変わって、そうしたら、予後が悪くて行かれないことになっちゃって、なぜか私ひとりで行ってきました。

辛酸 飛行機が苦手だったんでしたっけ。

今村 はい。ちょっとパニック障害があって、飛行機がダメだったんですが、知らないうちにシャルル・ド・ゴール空港に着いていました。おかしい……私ひとりで、なんで大丈夫だったんだろう、と。

辛酸 飛行機が大丈夫になられた、すごいですね。

今村 はい。今回、克服してよかったです、本当に。あちらに、今、姪が留学していまして、ミス・ソフィア(編集部注:上智大学のミスコンテスト優勝者のこと)になった姪なんです。

辛酸 すごいですね。何か持っている一族ですね。

今村 単なる自慢ですが、本当にミス・ソフィアになったんです。私は今まで男子に「ブス」とか、「お前は可愛くない」とかって言われていたんですけど、「私もただのブスじゃないぞ」って。私は美人の遺伝子も混じってるブスなんですから。

辛酸 ぜんぜんブスじゃないですけど。あ、でも、妹さんは人形みたいなお顔って。

今村 そうなんです。もう、ぜんぜん他人のような妹で、性格も違いますし、しゃべらないんですよ。「男にモテるには、にっこり微笑んで、頷けばいいんだ」って。私には、「どうやるんだ、それ!?」っていう感じです。母に至っては、「男は追いかけちゃいけない」って言うんですけど、私は昔から、追いかけないと誰もいなくなっちゃうんですよ、周りに。

辛酸 でも、家族からそういうアドバイスがあるっていいですよね。私は高校生のとき男は狼だとか言われたくらいです……。

今村 だけど、ぜんぜんピントが合ってないというか、私のためには、ぜんぜんなっていなかったです。

辛酸 姪の方のお名前はなんていうんですか?

今村 「上田まな」といいます。これが、姪もすごい女子校をこじらせているというか、中高とカトリックの女子校だったんですけど、ミス・ソフィアになったにもかかわらず、モテないんですよ。

辛酸 えっ、そうなんですか。そんなことってあるんですか。ミスキャンパスをしきっている業界人とか群がってきそうですが……。

今村 サービス精神はないし、警戒心が強くて、男が来ると、でっかい目でじっと見るんですよ。本人は睨んでいるつもりはないと思うんですけど、目が大きいものですから、睨んでいるように見えるらしくて。

今村さんの姪の上田まなさん。さすがミス・ソフィアという美貌です。

辛酸 (姪御さんの画像を見て)すごい可愛いですね、お嬢様っぽいです。バイオリンが似合いすぎます。こんな方がいらっしゃるんですね。

今村 もうね、私は、ただのブスじゃないんですよ。

――留学をされているというのは、やはり、お祖父様(編集部注:仏文学者の平野威馬雄[いまお]さん)の関係で、姪御さんもフランスに興味を持たれたんですか?

今村 いや、私が洗脳しちゃったんですよ、彼女が小学生のときに。他人が推薦で大学に行くのは許せないけど、姪だったらいいって(笑)。推薦入学、あれはすごいずるいやり方だと。「いい子ぶって、本当にあの受験は汚え!」って、私はずっと思っていたんですけど、「お前は姪だから、いい! あれはいいぞ。受験じゃ入れないけど、あんたは私と違って、いい子ぶりっこだから、行ける!!」って洗脳して、フランス文学科も、「それが一番お洒落だ! フランス語をペラペラになって、お洒落を追求しろ!」って言って。そうしたら、本当に上智に行って、フランスに留学しちゃって。今さらながら、ぞおっとしています(笑)。
 私の祖父の平野威馬雄というのは、性的フェティシズムが──女の人の手が好きで、逗子かどこかの駅できれいな女の人の手を見て、そこで何をしたのか知らないけど、警察に捕まったとか。麻薬とかも、昔はまあ……。

辛酸 ヒロポンとかみんな、やっていたらしいですよね。

今村 祖父はコカインだったんですけど、もうダメだと思って自分から松沢病院(編集部注:東京都が運営する精神科の専門病院)に入院したり。そういうことがウィキペディアにいっぱい書いてあるので、姪が上智の面接で「曾祖父がフランス文学者だったものですから」って言ったら「それは誰ですか」って聞かれて、「平野威馬雄です」と答えたというのを私と母が聞いて「あっ……!」と思って。これで落ちたら、母にとっては自分の父親が、私にとっては自分の祖父が世間に否定されたことになってしまうじゃないかと。なんてことを言ってきたんだと思ったら、合格したので安心しました。

辛酸 大学側もそこまでは調べてなかったんですかね。でも姪の方、本当に可愛いですね。かつての畠田理恵を彷彿とさせます。

今村 でもそれがね、本人が「けーパン」って言っているんですけど、毛糸のパンツをはいているんです!

辛酸 冬じゃなくても?

今村さんと姪のまなさん。仲のよさがうかがえます。

今村 秋冬、夏ははいてないと思うんですけど、尻に顔の絵が描いてあって、それが腹巻きと一体化されていて、胸の下まであるんですよ。私がそれをちらっと見たら、「私はね、誰がなんて言おうと、一生、けーパンはくからね!」って。

辛酸 じゃ、それが貞操帯みたいな感じになってる。

今村 貞操帯ですね、あれは。そう思いました。

辛酸 それを着けているってことは、もう絶対、男性に対してのガードというのも固いですものね。

今村 モテないです、ぜんぜん。ダメですね。

辛酸 でも、そういうのは、ミスキャンパスとかのファンの人にとってはうれしいですよね。処女性の象徴みたいな女性でもあるじゃないですか。今どき、みんな乱れているのに。

今村 「男……キモい、キモい、キモい」って言っていますね。

 

関連書籍

今村三菜『結婚はつらいよ!』

ひと組の布団で腕枕をして眠る元舅・姑、こじらせ女子だった友人が成し遂げた“やっちゃった婚”、連れ合いをなくし短歌を詠みまくる祖母、夫婦ゲンカの果て過呼吸を起こす母、イボ痔の写真を撮ってと懇願する夫……。「ウンコをする男の人とは絶対に結婚できない」と悩み、「真っ白でバラの香りがする人とならできるかも」と真剣に考えていた思春期から20年余り、夫のお尻に素手で坐薬を入れられるまでに成長した“元・お嬢さん”の、結婚生活悲喜こもごも。

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今村三菜 エッセイスト

1966年静岡市生まれ。エッセイスト。仏文学者・詩人でもある祖父・平野威馬雄を筆頭に、平野レミ、和田誠など芸術方面にたずさわる親戚多数。著書に『お嬢さんはつらいよ!』『結婚はつらいよ!』(ともに幻冬舎)がある。

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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