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先生、俺またバグってます。

2026.09.02 公開 ポスト

SNSと双極性GASHIMA (WHITE JAM)

アーティストとして活動するGASHIMAさんにとって、新しい人に自分たちを知ってもらうために、SNSはなくてはならない存在。

しかし、躁状態になると発信欲が高まり、思わぬ投稿をしてしまうことも。そして、その「デジタルタトゥー」が、うつ状態になった自分を追い詰めることにもなります。

SNSがメンタルヘルスに
悪影響を及ぼす可能性があることは
なんとなく誰もが感じていることだろう。

他人の切り取られた華やかなワンシーンと
自分の日常を無意識に比べて、
自己肯定感が下がってしまうこともある。

 

芸能人やインフルエンサーのように
人前に出る仕事をしていれば、
批判的なコメントや誹謗中傷に
さらされることもある。

加工で盛りまくった他人の
容姿を見ているうちに
自分の外見への満足度が
下がることもあるらしい。

マイナスなところばかりが
取り上げられがちだけど、
アーティストとしてSNSが
俺に与えてくれた恩恵は
ハンパじゃない。

俺の所属するグループ
WHITE JAMは自分たちの
個人事務所で活動している。

だから、テレビのような
メディア出演の機会は
そう多くはない。
新しい人に知ってもらうきっかけの
9割はSNSだと思う。

だから、俺はインスタにもTikTokにも
足を向けては寝られない。

ただ、このSNSと双極症の
相性の悪さと言ったら凄まじい。

さっき並べたような
SNSから受け取る悪影響も
あるかも知れない。

でも、それよりも怖いのは
本人が躁状態の時に発信してしまう
内容だと個人的には思っている。

人は躁状態になると、
発信したい欲がハンパじゃなくなる。
だから、更新頻度が爆上がりすることがある。

深夜のXの連投。
更新しまくりのインスタ。
ストーリーズを投稿しすぎて、
画面の上が切り取り線みたいに
なってしまったりする。

それぐらいだったら
「お目汚ししちゃってすいません。」
で、済む話だろう。

ヤバいのは、ひろゆきさん並の
論破モードで他人と口喧嘩しだしたり、
躁状態の誇大妄想を
発信しちゃうパターンだ。

「俺は世界を変えるべく生まれてきた。
みんな次のフェーズまで連れて行くから、
しっかり、ついて来いよ。」

みたいなことを投稿し出したりする。

世界一有名な双極症アーティストであろう
カニエ・ウェストに至っては
ゴリゴリの差別発言をXに投稿。
そのせいでアディダスとの契約を切られ、
2000億円近い損害を出したと言われている。

1投稿でカニエほどの大損害を
出せる人間はなかなかいないだろうし、
「アイツ、最近ヤバくない?」と
周りの人間に冷笑されるのなんて
別にほっとけばいい。

一番怖いのは躁状態が終わって、
うつ状態に入った時。
自分のやらかし投稿が
最強のデジタルタトゥーとして
襲いかかってくることだ。

生きる気力を失っている
うつ状態のところに、
躁状態のやらかしがかけてくる
追い打ちは凄まじい。

周りはおもしろおかしく見ていた
トンデモ発言や珍行動も
命を経ってしまう理由に
十分なり得ると思う。

躁状態の時にはSNSを極力
動かさない方がいいし、
うつ状態の時は必要以上に
SNSを見ない方が良い。

そして、SNSを連投しまくる時期と
全く浮上しない時期を
繰り返す人が身近にいるのなら、
その人もこの病を
抱えているかも知れない。

うつ状態の時には軽い気持ちのいじりが
クリティカルヒットになりかねない。
どれだけ俺や彼らの珍行動がおもしろくても、
そこはいじらずそっとしてあげてね。

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先生、俺またバグってます。

3人組シンガーソングライター・グループ WHITE JAMのラッパーとして活躍するGASHIMA。

そんな彼はある日、「双極性障害」であると診断される。

思い返してみれば、昔から自分はちょっとバグってた。

日本とアメリカで経験した過去、生い立ちと音楽、メンタルヘルスの狭間で感じた「生きづらさ」をパーソナルかつリアルに綴るセルフドキュメンタリー連載。

目まぐるしく変わる環境に対するやり場のない怒り。

振り返ってみれば「若気の至り」だと思っていた破壊的衝動。

あれも、これも、もしかしたら躁状態だったのかも?

 

“ただの勢い”の裏にはちゃんと病理があった。

そう思えると、あの時の俺も少しだけ愛せるようになった。

バックナンバー

GASHIMA (WHITE JAM)

一橋大学卒。

十代を米国で過ごしたバイリンガル・ラッパー。

2014年、3人組シンガーソングライター・グループ、WHITE JAM のメンバーとしてメジャーデビュー。

日本語と英語を巧みに使いこなすリリックに定評のある作詞家として、グループだけでなく他アーティストへの作詞提供も多数。

代表作に、SixTONES「Telephone」「RAM-PAM-PAM」、Nissy「Liar」、Snow Man「HYPNOSIS」などがある。

海外での孤立体験、日本の音楽業界での挫折、双極性障害の診断など、複雑なバックグラウンドを持ち、近年はそうした内面を率直に発信。

精神疾患に対する偏見や「生きづらさ」への理解を広げる活動にも力を入れている。

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