
男鹿半島の旅の仕方がわからない。
車が運転できない(ペーパードライバー)ので、どのように回れば男鹿を満喫できるのだろう?
寒風山、なまはげ館、男鹿水族館GAO。
目的はこの3つ。バスではちょっと不便そうなので、観光タクシーを利用することに。
JR秋田駅から男鹿駅に向かう電車に乗り、男鹿駅の2つ手前、脇本駅で下車。寒風山へはこの駅が近いらしく、予約したタクシーと脇本駅で合流する。
いよいよ初めての男鹿の旅である。10分ほどで寒風山に到着。
寒風山、超かわいい!
芝生に覆われたぽっこりした山で、火山とは想像できぬほどのどかである。
標高約355メートル。頂上にはレトロな回転展望台。教科書に出てきた八郎潟を初めて見渡すことができた。寒風山でパラグライダーを楽しむ人たちがいて、それがあんまり気持ちがよさそうで、その夜、わたしは小さな飛行機に乗る夢を見たのだった。
寒風山を降り、つぎに向かったのは「なまはげ館 男鹿真山伝承館」である。
なまはげ館。めちゃくちゃ楽しい。男鹿各地のナマハゲがホールにずらりと勢揃い。ツノがあったりなかったり。斧や杖を持っていたり、あるいは手ぶらだったり。見れば見るほど味わいがあり、いつまででも見ていたいがナマハゲイベントの時間が迫っているので泣く泣くすぐお隣の男鹿真山伝承館へ。
こちらでは男鹿の真山地区で行われている大晦日のナマハゲ行事を実際に再現してくれるそうで、旧家の居間には観光客がぎゅうぎゅう。
やがて二人? 二体? のナマハゲがみなを驚かしながら入場。来ていた子供たちが泣き叫ぶと、観客たちは大喜び。
ナマハゲを迎える主人とナマハゲとの寸劇もあり、ナマハゲが世間話をしているのが微笑ましい。
ちなみにナマハゲの語源は「ナモミを剥ぐ」で、ナモミとは冬、炉端で暖まっていると手足にできる火型のこと。そのナモミを剥ぎ、仕事もせず暖まってばかりいるのを戒めるのがナマハゲであるらしい。劇中、忘れた頃にナマハゲが大声を出すと、お決まりのように子供たちが泣いていた。
わたしが子供の頃、いちばん怖かったのは等身大ヒーロー「超人バロムワン」に出てくる怪人たちだった。目とかくちびるとか、人間の体の一部が顔みたいになっているおどろおどろしい怪人たち。そやつらが普通の住宅街からにゅっと出てきて人間たちを襲うのである(確か)。それに比べたら、ナマハゲはむしろ、かっこいいヒーロー寄りにすら見えるのだった。
ナマハゲに別れを告げ、最後のミッション、海辺の水族館「男鹿水族館GAO」である。
タクシー運転手さんによると、シロクマの赤ちゃんが産まれ、今、GAOは大フィーバーしているとのこと。
確かにシロクマのエリアは混雑していて、シロクマの赤ちゃん、モモ太君は大人気。ただし想像していたより成長していて、母熊と一緒にいると赤ちゃんにも見えるが、単体だとまあまあ大きかった。とはいえ、よく遊ぶ姿が愛くるしく、泳いでいるとき真っ白な毛がさらさら揺れる様子は、胸がスーッとするほど美しかった。個人的には秋田のハタハタだけが泳ぎまくっている水槽が珍しく、かなり見入ってしまった。
ありがとう、タクシー運転手さん。半日で色々回ることができました。
夜は海が見えるお宿で一泊。
来たんだなぁ、男鹿半島。
沈む夕日を眺めながら、そうだ、まだまだどこへだって行けるんだと強い気持ちになっていたのだった。
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ハレの日も、そうじゃない日も。
イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。










