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『花のように、生きる。』重版記念

2014.12.05 公開 ツイート

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最終回
自分に合う仕事があるわけ
ではありません 平井正修

9月下旬に発売された平井正修さんの『花のように、生きる。』が、じわりじわりと全国に広がっています。誰もが抱える「どう生きるか?」という悩みに対して、「花のように」という涼やかな指針を与えてくれた本書。では、花なような生き方とはどのようなものなのでしょう? 本書から一部抜粋してお届けします。

 

「いまの仕事は自分に合っていない。ちがう仕事を見つけたほうがいいのかな」
 若いビジネスパーソンには、そんな思いを抱えている人が少なくないようです。仕事について間もない新入社員でも、〝自分に合う仕事〟はほかにある、と思っているフシがあります。
 しかし、そんなものはありません。自分に合う仕事を求めていたら、いつまでも放浪を続けることになります。いまついている仕事に自分を合わせていくしかないのです。
「そんなことをいっても、合わない仕事じゃ、楽しくないじゃないか」
あなたは、どこかに楽しい仕事、おもしろい仕事が、あると思っているのですか? たしかに楽しそうに仕事をしている人はいます。おもしろさを見出している人もいるでしょう。しかし、それは、仕事がそうさせてくれているのではありません。その人自身がその仕事を楽しんでいる、おもしろくしているのです。
 幕末に長州(現・山口県)で奇兵隊を組織した高杉晋作の辞世とされる(そうではないとする説もあります)歌を見てみましょう。
「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは こころなりけり」
 病の床に臥していた高杉が詠んだ〝前句〟に、看病にあたっていた野村望東尼が〝後句〟をつけたともいわれていますが、おもしろくもない世の中も、心しだいでおもしろくなる、と詠っているのです。
 ちょっと心を変えてみませんか。「合わないな」「つまんないな」というところにとどまっていないで、何か楽しいこと、おもしろいことを見つけてやる、という気持ちで仕事をしてみてください。
 その仕事を外側から見てあれこれ判断するのをやめて、まるごと飛び込んでみたらどうでしょう。合う、合わない、楽しい、つまらない……を決めるのは、それからだって遅くはないのです。

<読者からの感想>
「何よりもやさしい言葉であったので、わかりやすかった」

「ケアマネジメントの参考にさせていただきます」

「読み終え、一日一日を大切に丁寧に歩いて行こうと思いました。心も身も軽くなった感じがいたします」

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『花のように、生きる。』重版記念

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平井正修

臨済宗国泰寺派全生庵住職。学習院大学法学部政治学科卒業。一九九〇年静岡県三島市龍澤寺専門道場入山。二〇〇一年同道場下山。二〇〇二年より中曽根元首相や安倍元首相などが参禅する全生庵の第七世住職に就任。全生庵にて坐禅会、写経会を開催。二〇一六年より日本大学危機管理学部客員教授。二〇一八年より大学院大学至善館特任教授。臨済宗国泰寺派教学部長。『心がみるみる晴れる 坐禅のすすめ』『花のように、生きる。』『「見えないもの」を大切に生きる。』『老いて、自由になる。』(以上すべて幻冬舎)、『悩むことは生きること 大人のための仏教塾』(幻冬舎新書)、『山岡鉄舟修養訓』(致知出版社)、『忘れる力』(三笠書房)、『お坊さんにならう こころが調う 朝・昼・夜の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『三つの毒を捨てなさい』(KADOKAWA)など著書多数。

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