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余白をつくる練習

2025.09.13 公開 ポスト

毎日に心の余裕をつくる「1日23時間デザイン」と「サウナ理論」ってなに?【9/19特別対談イベント開催決定】永崎裕麻

世界幸福度ランキングで何度も1位に輝いたフィジーで17年暮らした著者・永崎裕麻氏による話題の新刊『余白をつくる練習』。この度、9/19(金)に特別対談イベントの開催が決定いたしました!これからの長い人生、「余白」は重要なキーワードになるでしょう。今回の記事では、イベントの開催に先立ち、書籍にだけに収録された特別原稿を大公開します。

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1日23時間デザインのススメ

僕たちはつい、1日を24時間フルで使い切る前提でスケジュールを組んでしまいがちです。朝から晩まで予定をびっしり詰め込み、スキマなく動けた日は「よくできました」と自画自賛したくなるかもしれません。でもそれって、収入をすべて使い切る生活とどこか似ていませんか? 少しでも想定外の出費があると、すぐに破綻してしまう。予定も同じで、例えば交通機関の遅延、急な来客、子どもの不調、自分の気分の波。何かひとつ想定外があるだけで、あっという間に心の余裕が失われてしまいます。

だからこそ、あえて「1日は23時間しかない」と思ってスケジュールを組んでみることをオススメします。イレギュラーな出来事を吸収したり、ふと感じた疲れをいやしたり、誰かの相談に耳を傾けたりするためのバッファー・タイムです。
この1時間の余白があるだけで、「詰め込みすぎている」という感覚から解放され、予定が押しても焦らずに対応できるようになります。精神的な安全地帯が確保されることで、時間に追われる不安が減ってきます。

予定をキチキチに入れていると、多忙感は増してきます。だからこそ、最初から余白を前提とした「1日23時間デザイン」で暮らしてみましょう。


すべての予定が計画どおりに進み、余白の1時間がまるまる手元に残る日もあるでしょう。そのときは、「時間が余ってしまった」と焦るのではなく、「今日という1日に、ボーナスタイムがついてきた」と受け取ってみてください。その1時間を、読みかけの本に手を伸ばす時間にしてもいいし、少し長めの散歩に出かけてもいい。あるいは、ただ何もせずにぼーっとしてもいい。使い道が決まっていない自由な時間こそが、心のゆとりをつくり、生活に深みを与えてくれるはずです。

予定を詰めるスキルだけでなく、予定をあける設計力もまた、これからの時代に大切な能力なのではないでしょうか

忙しすぎても暇すぎてもダメ!?

「ととのう」ためにサウナに通う人がいます。高温のサウナで体を温め、キンッと冷たい水風呂で一気に冷やす。そして、外気浴でただぼーっとする。まったく異なる温度の空間を往復することで、心身が深いリラックス状態へと導かれていきます。

この「真逆の刺激を往復することで整う」という構造は、サウナの中だけに限った話ではありません。僕自身、この現象を「サウナ理論」と名づけて、日常生活にも応用しています。

例えば「仕事と遊び」「効率と非効率」「社会とのつながりと孤独」など、一見対極にあるものを行き来することによって、心はリセットされ、バランスが整っていきます。片方に偏ると、疲れや閉塞感が蓄積されていくものです。バランスを保つためには意図的に揺らぐことが必要です。

僕自身、日本とフィジーというまったく異なる価値観の土地を往復する2拠点生活を続けてきました。便利だけど時間に追われる国と、不便だけどゆったりした国。この行き来によって、どちらか一方に染まらず、自分の軸を取り戻せる。両極を知っているからこそ見えてくる、自分にとっての「ちょうどよさ」があります。

この「サウナ理論」は、時間の使い方にも当てはまります。余白がなさすぎると疲弊しますが、余白ばかりでもリズムを失い、無気力が生まれます。大事なのは、「忙しい」と「暇」の両方を知ったうえで、その間をゆらぎながら往復すること。緊張と緩和を行き来することで、時間との関係性も整っていきます。人は極端な揺れがあってこそ、逆に安定を感じられる生き物なのかもしれません。

「ととのう」とは、単なるリラックスではなく、バランスがとれた心の状態を意味します。皆さんにとっての「熱いサウナ」と「冷たい水風呂」はなんでしょう? その行き来を日常に組み込むことで、ちょうどいい余白が見えてくるのではないでしょうか。

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【9/19(金)】永崎裕麻 × 本間正人『余白をつくる練習』出版記念特別対談『人生100年時代の"余白"と"学び"』

イベント概要

人生100年時代を生きる私たちにとって、「余白」と「学び」は、より豊かに、より自分らしく生きるための両輪です。『余白をつくる練習』出版記念特別対談では、「余白先進国」のフィジーで17年間暮らした永崎裕麻さんと、「学習学」の提唱者である本間正人さんにご登壇いただきます。お二人の豊富な知見と経験をもとに、「余白」と「学び」が持つ可能性と、それを取り入れるヒントについて語っていただきます!

・登壇者:永崎 裕麻 本間 正人
・オンライン開催(ZOOM)
・参加無料(定員50名のところ、申込多数により増枠しました)
・日時:2025年9月19日(金)20:00〜21:30
詳細、お申し込みはPeatixから

関連書籍

永崎裕麻『余白をつくる練習』

なぜ僕らはいつまでたってもココロが休まらないのか 「いつも時間に追われている気がする」 「最近、余裕がない」 「だらだら過ごしたつもりはないのに、いつの間にか1日が終わっている」 日々、そんなことを感じている方も多いはず。 僕たちはいつになったらゆったりした時間をもてるのでしょうか。 本書は、そんな多忙な毎日を抜け出し「余白」つくるためのガイドブックです。

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余白をつくる練習

効率的に仕事をしても、それで空いた時間に別のことを入れて、一向にタスクが終わらないと感じたことがある人も多いはず。
私たちはいつになったらゆったりした時間を持てるのでしょうか。

世界100カ国を旅したあと、世界幸福度ランキング1位のフィジー共和国へ移住した著者が伝える、人生に自分時間を取り戻す「余白のつくり方」。

バックナンバー

永崎裕麻

100カ国を旅し、世界幸福度ランキング1位のフィジー共和国へ移住。「探究ランド」所長、フィジー留学専門家、武蔵野大学「ウェルビーイング学部」非常勤講師、思考整理コーチ。

10/15開講「余白ラボ 〜「頑張らない」をがんばろう。人生をオモシロがるために〜」参加者募集中。

著書に『世界でいちばん非常識な幸福論』『南の島フィジーの脱力幸福論』

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