皆さんも、元彼(彼女)と今彼(彼女)を比べてしまったことが、一度はあるだろう。
しかし、今彼(彼女)と未来彼(彼女)を比べたことは、一度たりともないだろう。だって未来の彼(彼女)は、その時点で存在しないのだから比べようがないもの。
しかし世界でただ1人、四季(宮崎あおい)だけは“今彼と未来彼のどちらか”を選ばなければならない状況に陥った……。
そう、四季には未来の記憶があるのだ。
そして文太(大泉洋)目線で考えるなら、今彼の文太は、未来彼の文人(岡田将生)に四季を奪われたのだ。
文太と四季は仮初の夫婦だったとはいえ、今はしっかり好き同士なのだから、突然、文人から「四季と僕は来年に出会って結婚するんです」って言われても納得できないよ?みんなもそうだよね?
でも、ただ1つ、納得せざるを得ない理由がある。
「このままだと四季が死んでしまう未来になるんです」
正直それ言うのは反則じゃないですか? (脚本が凄すぎるって意味です)
文太も、あのイケメン男に説き伏せられたら信じるのも無理はないし、何より四季を愛するが故に、彼女の死ぬ未来が変えられるのなら、なんだってする覚悟に違いない。
また文人目線に立って考えても、愛する四季のために他の犠牲は顧みない考え方は「愛の深さ」故なのだろう。
『自分の愛する人が死んでしまうぬ未来を変えられるかもしれない』
と知ったと同時に
『未来を変えたら愛する人は助かるが、1000万人の命が失われる』
と知らされても、計画を“中止”するという選択肢は出てこなかったのだろう。
愛する人のために身を引く「文太」と、愛する人のために他の犠牲を顧みない「文人」
どちらも「愛の深い人間」で間違いはない。
王道SFドラマでありながら、こんなにも切ない展開を作ってしまう脚本力には毎話驚かされる私だ。
そして四季を思い、あえて四季を突き放し、仕事の一環かのように気丈に振る舞っていた文人に泣かされた視聴者は私だけではないだろう。

最終回大胆展望! 未来を変えるには文人の判断が大事? 四季を救うには四季を諦めなければならない……?
ここで冷静に考えてみよう。
2055年の文人が企てている作戦で、四季を救うことはできるのだろうか。
愛ゆえとはいえ、いくらなんでも都合が良すぎるのでは? と私は考える。
文人の考えは、あくまでも“自分と四季の人生の中”で四季を救う方法を模索しているように見える。

「愛する人が死なない未来に変え、愛する人と一生過ごしたい」と考えるのは、当然ではある。しかし、未来から来た人物が、自分の思うように過去を改ざんし、未来を変えることが許されて良いのだろうか?
私は、そのような結末にはしないと考える。
文人は最終回で「四季との未来を諦める選択をする」と予想する。
この諦めるというのは「四季の命を諦める」という意味ではなく「自分と四季との人生を諦める」という意味だ。
振り返ると文人は「私が死んだら四季が不幸になる」と発言しただけである。
つまり文人は“自分と四季が出会わない”などのシュミレーションはしていない可能性が高いのだ。
よって最終回では“文人と四季が出会わない未来”にすることで、四季の命が失われない新しい未来になるのではないだろうか。
未来から現れ、過去を改ざんしようとした文人ができる四季を救う唯一の方法は「自分と四季が出会わない未来に変えること」なのだ。「過去の改ざん」という禁忌を犯した文人に対する交換条件としては、これが収まりが良いと私は考える。
文人もそのことにようやく気付き、四季の未来を文太に託すという、切なすぎるSF展開が待っているかもしれない……。
これはあくまでも私の妄想に近い展開予想なので、気持ちの良いほどに外れる可能性もある。
というのも5話で突如登場し、そこから何の音沙汰もない白い男(麿赤兒)の正体や能力次第で展開は大きく変わりそうだからだ。この白い男が鍵を握るのは間違いなさそうだが、私の予想を1つ置いていくのなら「何十年後かの文太」と予想する。
ここの予想も、もちろん想像の域を超えないが、四季との未来を順調に歩んでいた文太が、何十年後かの四季のピンチを救うため「未来」からやってきたのだ。
文人がきた2055年ではタイムマシーンは存在しなかったが、白い男がきた2085年にはタイムマシーンが存在しており、そのため、髪も無くなった老人の文太が未来を変えるためにやってきた的な展開かもしれない。
ここまできたら最後までSF展開万歳の結末になるでしょう。もはやそれを期待している私だ。
泣いても笑っても来週が最終回の「ちょっとだけエスパー」
日本のドラマ史に残る異端のSF作品の結末を共に見届けましょう。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
テレビ朝日『ちょっとだけエスパー』( 毎週火曜夜9時~)
出演:大泉洋、宮崎あおい、ディーンフジオカ、北村匠海、岡田将生 他
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデュース:三輪祐見子
音楽:髙見優、信澤宣明
主題歌:こっちのけんと『わたくしごと』
著者:ペチ
イメージイラスト:サク
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3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
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