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アルパカ通信 幻冬舎部

2025.09.06 公開 ポスト

最東対地 『耳なし芳一のカセット テープ』- 実話を元にした、今シーズンイチオシの傑作ホラーアルパカ内田(ブックジャーナリスト)/コグマ部長

本読みのアルパカ内田さんと、幻冬舎作品を誰より愛する営業部のコグマ部長。

2人が、幻冬舎の新刊の中からお気に入りを選んで、おススメしあう、本コーナー!

今月のコグマ部長のおすすめはこちら。

(あわせて、アルパカさんがコグマさんにおススメした作品についても、お楽しみください)

【幻冬舎営業部 コグマ部長から、
アルパカ内田さんへオススメ返し】
最東対地 『耳なし芳一のカセットテープ

ラジオから突然流れてきた「耳なし芳一」の
琵琶語り。そのカセットテープを聞いた人には
不幸が訪れる。【耳なし芳一のカセットテープ】
は有名な怪談のはずだが、誰も知らない。
怪談師・馬代融が不思議に思い調べ始め──。

一方こちらは、この夏イチオシの傑作ホラー。

物語は、ある「実話怪談」から始まる。――80年代、男子高校生がラジオの深夜番組を楽しみにしていると、なぜか琵琶法師が語る「耳なし芳一」の物語が流れてきた。後日分かったことだが、その「放送」を聞いたのは自分だけらしい。いつもの習慣で、録っていたカセットテープを級友たちに聞かせたところ、彼らに次々と不幸が訪れて……。これが【耳なし芳一のカセットテープ】と言われる怪談だが、この存在を知った怪談師の馬代が調べると、当時はテレビでも取り上げられた話にもかかわらず、周囲の誰も知らないし記録も見当たらない。やがてとある芸能人の死や奇妙な偶然、さらには東北地方に今なお残る因習にも踏み込むことに。そこには強烈な悪意が存在して……。

さて、聞くところによると、どうやらこの怪談は著者が聞いた実在のものらしい。それだけでも怖いのだが、深夜ラジオから突如「ベンベン!」と琵琶の音が流れ、『耳なし芳一』を歌った声が聞こえてきたら、もうそれだけで恐ろしいと思いませんか? 
さらには、作中作としてある『耳なし芳一』も、最恐の出来ばえ。まるでそのページだけが冷たく感じられる……といえば上手く伝わるだろうか。本作、どこまでが実話で、どこまでが創作なのか、それは読者の判断にゆだねたいが、この怖さ、相当の覚悟をして読まれよ!

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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。

幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!

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アルパカ内田 ブックジャーナリスト

内田剛(うちだたけし)。ブックジャーナリスト。約30年の書店勤務を経て2020年2月よりフリーランスに。NPO法人本屋大賞実行委員理事で創立メンバーのひとり。文芸書をメインに各種媒体でのレビュー、学校や図書館でのPOP講習会などを行なっている。これまでに作成したPOPは6000枚以上で著書に『POP王の本!』『全国学校図書館POPコンテスト公式本 オススメ本POPの作り方(全2巻)』あり。無類のアルパカ好き。
Twitter @office_alpaka

コグマ部長

太田和美(おおたかずみ)。幻冬舎営業本部で販売促進を担当。本はミステリからノンフィクションまでノンジャンルで読みまくる。アルパカ内田(内田剛)さんとは同学年。巨人ファン。
Twitter @kogumabuchou

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