南京空港に着く。ゲートを出たわたしの皮膚を夏の匂いが出迎える。すぐに長袖を脱ぎ、肩にかけて、バスに乗り込む。フェスの会場のある滁州(じょしゅう)に移動するためだ。高速道路を流れる景色は簡素な田舎の風景だが、時折人気のないところにいびつに密集するマンション群がディストピア的な世界を想わせる。隣で今回のツアーをサポートしてくれるドードーが「COPY .PASTE.」とつぶやいた。
ホテルにつき夜ご飯をすませ、休憩を挟んでリハーサルのために会場へ向かう。時刻は深夜2時半。どうしてこんな遅い時間なのか? 翌日はここに3万人が集まるらしい。わたしたちは拙い英語で、現地スタッフとコミュニケーションを取りリハーサルを終え、ホテルに戻った時にはカーテンの隙間が白んで朝の存在感を匂わせていた。
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*マヒトゥ・ザ・ピーポー連載『眩しがりやが見た光』バックナンバー(2018年~2019年)












