ほんのちょっと、渋谷が苦手だ。生まれも育ちも東京で、スクランブル交差点も誰ともぶつからずヒョイヒョイと対岸に渡れるほどの都会っ子なのに、渋谷はどうにも慣れない。大好きなお店も多いし、休日にはしょっちゅう遊びにも行く。でも、再開発で形を留めない街並みに、人々の笑い声やお店の呼び込みや大音量の宣伝カーの音に、「この商品を買え!」といわんばかりのポスターや看板の圧力に、少し疲れてしまう。
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純喫茶図解
深紅のソファに煌めくシャンデリア、シェードランプから零れる柔らかな光……。コーヒー1杯およそワンコインで、都会の喧騒を忘れられる純喫茶。好きな本を片手にほっと一息つく瞬間は、なんでもない日常を特別なものにしてくれます。
都心には、建築やインテリア、メニューの隅々にまで店主のこだわりが詰まった魅力あふれる純喫茶がひしめき合っています。
そんな純喫茶の魅力を、『銭湯図解』でおなじみの画家、塩谷歩波さんが建築の図法で描くこの連載。実際に足を運んで食べたメニューや店主へのインタビューなど、写真と共にお届けします。塩谷さんの緻密で温かい絵に思いを巡らせながら、純喫茶に足を運んでみませんか?
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