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いつまで自分でせいいっぱい?

2024.04.04 公開 ツイート

#54

体が変化しちゃうお年頃 佐津川愛美

今年は花粉症がひどい。
本当に不思議で、大丈夫な年とひどい年がある。最近はずっとそこまでひどくなかったのだが、今年は眠くならない弱めのアレルギーの薬ではダメだったようだ。
喉のイガイガ、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。コンプリート。1日ロケをしていた日の夜に酷くなった。多分沢山の花粉を浴びた結果だと思う。
そのまま、症状が良くなることはなく。
アレルギーの薬を飲み、鼻の中にワセリンを塗って、マスクをして、目薬をして、花粉ガードのスプレーを顔と髪に噴射。
過去の一番ひどかったときに比べれば全然マシな方なので、まぁ、仕方がないと思いながら過ごしていた。
数日後、咳が出始めた。
おや?
どんどん酷くなる。
咳が、全然止まらない。
この感じは、初めてではない。

 

一番初めは20歳くらいだったと思う。
私は死体の役だった。お話しの内容からすると、死体なのかは結局謎だったのだが、私が途中で死んで、その死体を男性2人が運ぶというストーリーだった。
その日の撮影はロケで、夜になればなるほど咳が止まらなかった。そんな経験初めてだったので、どうしたらいいのかわからず。しかも、昼間は異常がなく、普通に撮影していたのに、突然夕方くらいから咳が止まらなくなったのだ。
なんてこった。
普通に話すのも難しいくらいだったので、話さなくていい死体のシーンは有り難いと思いきや、死体だから勿論咳なんてしてはいけないし、静かに動かないようにしないといけない。まして、普段でも死体を演じるときには、息を止めて、胸やお腹がなるべく動かないように耐える。
それを咳が止まらない状態でやらなければならない。
キャストのお2人が私を運びながら台詞を言うので、ただでさえ重たいし、負担があるシーン。私のミスなんかで撮り直しになってしまったら申し訳なさすぎると。色々と配慮してくださり、リハは佐津川さんなしでやるので休んでいてください、本番だけ頑張ってもらえますか?と。
ご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳なかったけれど、どうにもこうにも。
横になれる場所で休ませてもらったものの、横になれば更に咳が出る。
嘘でしょってくらい咳が止まらない。

コントロール出来ないけれど、数回の本番にチャレンジするしかなかった。
スタッフさんにもキャストさんにも謝り倒して、気合いしかなかった。
もう一度言う。死体なので、少しだって動けない。呼吸もだし、目を瞑っているし、その瞑っている中の目も動かしてはならない。
前集中。それしかない。精神統一。
邪念を捨てて、コントロール出来ないものとも向き合うしかない。
私は数回の本番だけ、耐えに耐え抜いて、なんとか撮影を終わらせた。
カットー!!の声がかかると、線が切れたように、コップから水が溢れるように、咳が発射した。
あぁ、よくがんばったなぁ。あの日の撮影。

撮影が深夜に終わって、翌日病院に行った。
その時は、アトピー咳ですね。と言われた。
アトピーと聞くと、肌に出ているものが一般的だと思うだろうけど、咳に出ることもあるんですという説明だった。
それからというもの、梅雨の時期になると咳が止まらなくなることが何度かあったので、あぁまたあれかぁと思い、その度に病院に行き薬をもらっていた。
本当に面白いなぁと思うのが、処方してもらった薬を飲むとすぐに咳が止まる。
咳のしすぎで腹筋割れてきたんじゃないかと思うくらい、体が筋肉痛になるくらいの咳が。すぐによくなる。

さて。今回は梅雨ではないけれど咳が止まらなくなり、一晩中眠れなかったので翌日病院に行った。
出先だったので初めての病院に行ったのだが、検査をしてもらい、面白いおじいちゃん先生に診断してもらった。
「この数値ってことはね、うん、これは咳喘息ですね」
ぜ?ん?そ?く?咳喘息??

アトピー咳と言われてもピンとこなかったのだが、咳喘息と言われたら、途端にびっくりしたというか。
私、アレルギー体質だったのか!!!
「田舎の医者はこの薬しかくれなかったって、東京帰ったら、いつも行ってるとこあるならそこでまた診てもらってね。」
という訳で1週間分の薬をもらって、面白おじいちゃん先生とはお別れした。
だいぶマシにはなったけど、それでもまだ咳は治らず。おかしいなぁ。いつもなら薬をもらったらすぐに治まるのに。と思っていたら、2錠飲まなければいけないのに1錠しか飲んでおらず、おもいっきり間違えていた。

新しい病院に行き、色んな検査と血液検査もしてもらった。私はダニとハウスダストとスギのアレルギーが特に強いようだ。
この咳の嫌なところはアレルギー反応だからうつるものではないとのことだけど、やっぱり外で強く咳が出てしまったら、マスク越しでも周りの方を不安な気持ちにさせてしまうだろうということ。近しい人に言えるけど、やっぱり早く治したい。

2錠を1錠で飲んでしまったとはいえ、それにしても治ってないわね、薬が合っていないのかもとの先生の判断で、前回より強いアレルギーの薬を処方してもらった。しかし眠くなりやすいから、眠かったら2錠を1錠にして飲んでくださいとのこと。
実際飲んでみると、喉は乾くし、眠すぎて目覚ましなしで眠っていたらお昼まで寝ていて、仕事の日起きれなかったら困る!!ということで1錠にした。
かなりよくなったけれど、撮影で山の方に行った日には花粉症の症状がまた悪化してしまった。
しかも夕方になったら、お腹、脇腹、背中、足まで攣り、もはや地獄。
翌日は水分不足にならないよう、たくさん水を飲んで攣ったらマグネシウムも摂るといいらしいので、ちゃん摂取したのに、また夕方になったら足が攣った。翌日も。お肌も荒れるし、鼻詰まってないのにずーっと鼻声だし、もう、撮影中に困った困った。
薬の副作用もあるのか、私の生活習慣が悪いのか、浮腫もひどいし、耳鳴りするし、首は凝るし肩も凝るし、体が重くてだるいし、もうなんなんだ‼︎

「さっつん、それが厄年だよ。体の変化ってことみたいよ。」
さっそくきたか厄年。
しかし私は4月から運気上がると言われているので、体がボロボロでも、気分は大丈夫なのである。あはは。

本気で健康というものと向き合わなければ体がキツイお年頃になってきたようです。
お酒は飲まないし、ジャンキーな食生活もしてないし、何を改善すればいいのか、これから色々試してみようと思います。
とりあえず毎晩のストレッチを始めたけれど、眠気に耐えられず中途半端に終わる毎日です。

生活を、少しずつ改めようと思います。

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いつまで自分でせいいっぱい?

自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、34歳のリアルな日常を綴る。

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佐津川愛美

1988年8月20日生まれ、静岡県出身。女優。
Instagram http://instagram.com/aimi_satsukawa

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