
ミス・ユニバース・ジャパンの公式栄養コンサルタントを8年間務め、世界基準の美を支え続けてきたエリカ・アンギャルさんの新刊『自信という最上のドレスの手に入れ方』。一部を抜粋してお届けいたします。
“緊張”という恐怖に向き合う時

トラウマになるような失敗をしたことがありますか? 私はあります。もともと極度に恥ずかしがり屋な性格で、人前に立つことが大の苦手だったのですが、オーストラリアのシドニーで栄養についてスピーチをしなければいけないことになりました。
ただでさえ心臓が口から飛び出しそうなくらい緊張していたのですが、追い打ちをかけるように本番中に突然マイクの調子が悪くなるというハプニングが発生! 自分の声が観客に聞こえているのか、そのことばかりが気になって、どんどんしどろもどろに……。挙げ句の果てには頭の中が真っ白になってしまい、自分がどこで何をしているのかすら分からないままスピーチが終わってしまいました。
大勢の人の前でこんな大失態を演じてしまい、もう二度とスピーチなんてしたくないと思ったのですが、その2日後にパースで同じ内容のスピーチが予定されていました。本当に逃げ出したい気持ちになり、そのスケジュールを心から恨みましたが、キャンセルできるはずもなく、仕方なくスピーチに臨みました。
さらに2日後にはアデレードで、そのまた2日後にはメルボルンで同じスピーチが予定されていました。その間少しずつ、自分のスピーチに自信が持てるようになっていきました。あの時、次のスピーチが決定していなかったら、二度と人前で話すようなことは引き受けなくなってしまっていたかもしれません。たまたま、次の予定が決まってしまっていたので、嫌々ながらも再度チャレンジすることができたのです。
私は今、そのことに心から感謝しています。時には自らに強いてでも、恐怖と向き合わなければいけない時があるでしょう。しかし、怖がる必要はないのです。人間は、最初は絶対ムリ! と思ったことでも、何度も挑戦すれば自然とその状況に慣れ、順応できるのです。自信をつけたいなら、身体の筋力だけでなく、〝勇気の筋力〟も意識して、タフな気持ちで常に挑戦し続けてください。