幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
鎌田 實『60歳からの「忘れる力」』
えてくる。しかし人生の8割は忘れていい
ことだ。他人の評価も、古い健康常識も、
年齢も、面倒な人間関係も……。長年にわ
たって高齢者医療を牽引する著者による、
好きなことだけで生きるためのヒント60。
一方こちらは内科医を50年近く続けてきた医師による、実践的エッセイ。
著者は、世の中にはびこる「忘れる=悪」「老化=悪」という風潮を一刀両断。年を重ねれば辛いことも悲しいこともどんどん増える。だからこそ不都合なことは忘れて肩の荷を下ろそうではないかと提案する。もちろん、ただ忘れてしまえという乱暴なものではない。著者は言う。
日々の8割はどうでもいいこと。つまらないことに束縛されて本当に大切なことを見失っていないだろうかと。心あたりは誰にもある。例えば、気の進まない飲み会に出かけたり、くだらない話に相づちをうったり……。そんな時は、「いい人になること」を忘れ、「優しい人」になろうという。広げ過ぎた両手をちょっとすぼめて、今目の前に広がる日々を丁寧に暮らす。もちろん、それでも仙人のようには暮らせない。そんなときのために「昨日までのモヤモヤや不機嫌」を忘れて、負の感情を水に流す方法も伝授している。
不思議だが、この著者に言われると頑張らなくていい、でも、あきらめなくてもいいと心から思えてくる。もちろん、メンタルな部分だけではない。肉体面では「やせなきゃ」という思いこみを忘れ、「不要な検査・治療」もどんどん忘れよう。そして、健康づくりの基本はうまいものを食べて運動すること。食べ物はなるべく腸が喜ぶような発酵食品を多く摂る……。やれることからやってみよう。
まだ自分にはこの本は早いと思っている人もいるだろう。でも、自分が思うより早く人生の時間は過ぎる。今忙しい日々を過ごしているという自覚があるなら、早めにこの本を読んでほしい。
アルパカ通信 幻冬舎部の記事をもっと読む
アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。
幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!
- バックナンバー
-
- 2025年はこんなに豊作!本読みの二人が...
- 文学フリマや書店イベントなど、作家さんと...
- 昭和100年の節目の2025年、どんな小...
- 今野敏『白露 警視庁強行犯係・樋口顕』-...
- Z李『君が面会に来たあとで』-歌舞伎町を...
- 菊池良『本読むふたり』-“本”をきっかけ...
- 清水晴木『未来への人生ノート』- “就活...
- 宮田珠己『そして少女は加速する』- コン...
- まさきとしか『スピーチ』- 鍵を握るのは...
- 新川帆立『魔法律学校の麗人執事1 ウェル...
- 最東対地 『耳なし芳一のカセット テープ...
- 標野凪『独り言の多い博物館』- 思い出の...
- 伊東潤『鋼鉄の城塞ヤマトブジシンスイス』...
- 瀧羽麻子『妻はりんごを食べない』/河井あ...
- 岡本雄矢『僕の悲しみで君は跳んでくれ』/...
- 恩田陸『珈琲怪談』/賀十つばさ『ドゥリト...
- 久坂部羊『絵馬と脅迫状』/越尾圭『ぼくが...
- 井上荒野『しずかなパレード』/真下みこと...
- 柳広司『パンとペンの事件簿』/天野節子『...
- 増山実『あの夏のクライフ同盟』/町田康『...
- もっと見る










