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Xデイ到来 資産はこう守れ!

2023.01.16 公開 ポスト

タクシー初乗り1兆円だったら? 究極の財政再建「ハイパーインフレ」は国民の地獄藤巻健史

収まる気配を見せない、円安と物価上昇。「伝説のトレーダー」の異名を持つ経済評論家で、参議院議員もつとめていた藤巻健史さんは「これからが本番」と警鐘を鳴らします。やがて来るかもしれない「日本経済が大混乱に陥る日」に、私たちはどう備えればよいのか? 近刊『Xデイ到来 資産はこう守れ!』より、一部を抜粋します。

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もらった給料が数日でなくなる?

ハイパーインフレではパンや牛乳の値段は1時間ごとに上がっていく一方、給料や年金は1カ月ごとにしか上がらないので、もらった給料や年金は2~3日でなくなり、4日目から食うに困るという状況にもなりかねません

(写真:iStock.com/takasuu)

1923年のドイツのハイパーインフレ時には、コーヒーショップに入ってメニューを見たらコーヒー1杯4000マルクだったのに、飲み終わって勘定を払う段階になったら1杯6000マルクになっていたとか、皆タクシーには乗らずバスばかりに乗り、その理由はバスは料金前払いだが、タクシーは後払いで、乗っている間にマルクの下落で値段がどんどん上がってしまうから、といった笑えないジョークがはやっていたそうです。

1月に250マルクだったパン1個が12月末には3990億マルクになったそうですから、前述のジョークは、冗談ではなかったのかもしれません。

 

インフレとは、債権者(お金を貸している人)から債務者(お金を借りている人)への実質的な富の移行です。

たとえば1000万円を銀行から借りている個人タクシーの運転手さん(債務者)はインフレが来れば大助かりです。タクシー初乗りが100万円になれば、お客さん10人を乗せれば1000万円の収入になり、1日で銀行に借金を返せます。

一方、汗水たらして10年間で1000万円貯めた人(債権者)は10回タクシーに乗ると預金がパー。悲惨です。その意味でインフレとは債権者から債務者への富の実質的移行なのです。

この国において債権者とは国民、日本最大の債務者は国。その意味でハイパーインフレは国民から国への実質的な富の移行で、税金と同じなのです。

ハイパーインフレは究極の財政再建

税金ではないものの、民間から政府への所得移転のことをインフレ税と呼ぶ人もいます。

物価は暴騰するし、貯めた預金はパーですからハイパーインフレは国民にとって地獄です。その一方、究極の財政再建となります

(写真:iStock.com/wildpixel)

わかりやすくするために極端な例を使いますが、タクシー初乗り1兆円時代の1218兆円など取るに足らない金額です。なにせタクシー初乗り1兆円時代には初乗り1回で1000億円もの消費税が入るのですから。名目は変わらなくても実質的に借金が軽減されるわけです。

国は、最初からインフレで、この膨大な借金を減らそうと考えているのではないかと思います。なんにもわかっていない政治家はともかく、財務省や日銀のエリートたちは、それなりに穏やか(?)なインフレで、借金を実質軽減しようと考えているはずです。

 

ここまで借金が大きくなると、インフレでの借金返済しか手法はないというのがエラい人たちのコンセンサスだと思います。

7%のインフレを10年継続すれば、借金は実質半分になります。その程度を目指したのでしょうが、財政ファイナンスを行ってしまった以上、日銀はインフレをコントロールするブレーキを失ってしまいました

サイドブレーキもフットブレーキもない車では、減速はできません。そのうえ、アクセルを踏みっぱなしにせざるを得ない状態なのですから、7%のインフレで終わるわけがなく、どんどんインフレは加速していくと思うのです。

なお、国民にとって地獄でも、ハイパーインフレは究極の財政再建ですから、十分にハイパーインフレが進んでからでないと、政府はハイパーインフレ退治を始めないと思います。

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続きは書籍『Xデイ到来 資産はこう守れ!』をご覧ください。

関連書籍

藤巻健史『Xデイ到来 資産はこう守れ!』

インフレになっても、金利を上げられない日銀。 円安、物価上昇はこれからが本番。 ※Xデイ=日本経済が大混乱に陥る日 今、世界では長く続いていたデフレの時代が終わり、インフレ懸念が生じている。インフレが進むと国民の生活が苦しくなるため、各国の中郷銀行は金利を引き上げて、インフレを抑えようとしている。 ところが、世界一の借金大国である日本は、金利を上げると、保有国債の金利も上がって評価損が出てしまうため、金利を上げることができない。そのため日銀の黒田総裁は、3月下旬から10年国債の0.25%での「指し値オペ」を始める始末。 アメリカは徐々に金利を上げていくから、日米の金利差は開く一方で、ドル高円安も止まらなくなる可能性も。 著者は、以前から警告してきたXデイ(日本経済が大混乱の陥る日)が近いと予測。 この先、日本経済はどのように崩壊しているのか? 個人はXデイから自分の財産をどのように守ればいいのか? 今こそ知っておくべき知識・情報が詰まった、日本国民必読の書。

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Xデイ到来 資産はこう守れ!

収まる気配を見せない、円安と物価上昇。「伝説のトレーダー」の異名を持つ経済評論家で、参議院議員もつとめていた藤巻健史さんは「これからが本番」と警鐘を鳴らします。やがて来るかもしれない「日本経済が大混乱に陥る日」に、私たちはどう備えればよいのか? 近刊『Xデイ到来 資産はこう守れ!』より、一部を抜粋します。

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藤巻健史

1950年東京都生まれ。一橋大学商学部を卒業後、三井信託銀行に入行。1980年、社費留学で米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にてMBAを取得。帰国後、三井信託銀行ロンドン支店勤務を経て、1985年に米銀のモルガン銀行に転職。同行で資金為替部長、東京支店長兼在日代表などを歴任し、東京市場屈指のディーラーとして世界に名を轟かせ、JPモルガンの会長から「伝説のディーラー」と称された。
2000年にモルガン銀行を退職後、世界的投資家ジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務めたほか、一橋大学経済学部で13年間、早稲田大学大学院商学研究科で6年間、半年の講座を受け持つ。2013年から2019年までは参議院議員を務めた。2020年に旭日中綬章を受章。日本金融学会所属。現在、株式会社フジマキ・ジャパン代表取締役。東洋学園大学理事。

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