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一年3セットの服で生きる

2022.07.12 公開 ツイート

会社を辞めたら着たい服がわからなくなった…一年3セットの「制服」を決めた理由 あきやあさみ

一年3セットの服で生きるスタイリストによる著書『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』が7月6日に発売されました。服選びの苦しみから抜け出して、自分が納得できる服を「制服」のように着ることをすすめる本書。著者のあきやあさみさんは、なぜ一年3セットに行き着いたのか? その理由を抜粋してお届けします。

(写真:iStock.com/Viktoriya Kraynyuk)

考え方が変わると似合う服が変わる

少しだけ、私自身の「ファッション体験」のお話をします。33歳で10年間働いた百貨店を退職した際に初めて自分の服に迷うようになりました。当時の私のクローゼットには「着られる服」はたくさんあっても、「心から着たいと思える服」がたったの1着もなかったのです。今までファッションが大好きでたくさんの服を集めて生きてきたのに……! 

朝起きて袖を通したいと思える服がなくなったことは、とてもショックな出来事でした。しかしそれもそのはず、「会社員のときの私」と「フリーランスのファッションスタイリストの私」では顔や身体は同じでも「気持ち」や「表現したい姿」が違います。

会社員のときは「会議で周りから浮かないようなきちんとしたジャケット」「女性の先輩と飲み会に行くときに話のネタになりそうなちょっと面白い柄のスカート」「お客さまとお会いするときに失礼にならないような上品なブラウス」と周りの人に合わせながら課せられた仕事をうまくこなしたいという気持ちを表現する服を集めていました。個性を少し抑え目にして、会社の一員として周りに合わせようとしていました。

しかしフリーランスになってからは、周りに合わせるよりは、私と考え方が合う人に集まってもらうための「自分の個性を際立たせる服」を着る必要が出てきました。そう、外見は全く変わっていないのに心の矢印が180度変わっていたのでした。そのときの考え方に合わせて似合う服はどんどん変わっていくのです。

言葉からファッションを選ぶ

ファッション迷子状態に陥った私は、雑誌やブランドのホームページを毎日眺めるようになりました。そのときにファッションブランドには「コンセプト」や「言葉」があることに気がつきました。例えばシャネルのコンセプトは【古い価値観にとらわれない自由で自立した女性像】。この言葉を読んだときに、言葉の持つイメージから私もそんな人になりたい! と強く感じたのです。

それからは「気になる服」ではなく、「気になる言葉」を集めていきました。「これからどんな風に生きていきたいか」を基準に、各ブランドが持っている「コンセプト」や服の持つイメージを集めて想像を膨らませていきました。

自分のコンセプトに合った服しか着ない

そのとき、拾い集めたキーワードは「優しさ・強さ・前向き・挑戦・唯一無二」。この言葉たちから「周りの人に優しくできて、強い意志を持っていて、どんなことにも前向きに挑戦していける唯一無二のスタイリスト」という私自身のコンセプトを導き出しました。

そして、これからは心の中に「確固たる自分」を持ち、そのコンセプトに合った服しか着ないと決めたのです。まずは1着のワンピースを探し出すことから始めて、その服だけで100日間過ごしてみました。その体験が心地よかったことから、「一年3セット」の制服があれば心に自信と余裕を持って暮らしていけるなと気がつき、不要な服をすっかり手放すことができたのです。

関連書籍

あきやあさみ『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』

服選びの苦しみからさっさと抜けだそう! 一年3セットの服で過ごす、人気スタイリストによる、 少しの服で「自分らしさ」を作る方法 たくさんの服に時間とお金をかけて着まわすよりも、自分が納得できる同じ服を何回も着る方が、おしゃれで自信のある人に見えるのです! ・まず着ない服を決める ・靴は「自己評価」だと思って選ぶ ・バッグは「自己紹介」だと思って選ぶ ・アクセサリーは「アイデンティティ」だと思って身につける ・季節の始まりは断服式から ・服は愛せる数だけ持つ ・選び抜いた「自分だけの制服」は、人生を豊かにする最初の突破口 制服化のためのアイデアをまとめたイラスト解説付き。

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一年3セットの服で生きる

2022年7月6日発売『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』について

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あきやあさみ

1年3セットの服だけで生きる制服化スタイリスト。1985年、東京生まれ。2008年日本女子大学家政学部被服学科卒業後、都内百貨店に入社。パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経験後、2018年に退社しファッションスタイリストとして独立。独特なファッション論を情熱的に語るnoteが評判となり、人気を呼んでいる。

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