
6月半ば、急にセンパイがベッドで眠るのを嫌がるようになりました。汗もよだれも染みた長年愛用しているベッドです。
カートに乗ったまま眠っていたので、そっと抱き上げベッドに移して寝かせたところ、そのまま静かにしていたのはわずかな時間。しばらくすると目を覚まし起き上がろうと手脚をバタバタ。それでしばらく抱っこしてなだめ、カートに乗せるとまた眠りはじめる。ひと晩中その繰り返しで、私の寝不足の原因にもなりました。
せっかく眠っているので起こしてしまわないように、カートに乗ったまま長時間寝かせておくこともありました。「カートに乗せたままにしておくのは、犬の身体に負担になる」と犬の車椅子工房「 バックヤードファクトリーぶる」の木皮さんにもアドバイスをもらっていますが、今のところは臨機応変に対応していくしかないと思っています。
なぜベッドを嫌がるようになったか考えてみました。「身体を横にするとベッドに当たって痛いところがある? 気管支の具合で寝ると苦しい?」と思ったけれど、そんな感じもありません。梅雨で急に湿度が上がったこともあり、もしかしてベッドが暑苦しくて嫌になったのかな?
そこで気になっていたメッシュベッドを試してみようかと調べてみました。犬連れでキャンプに行くときなどに使われているようで、スチールフレームを組み立て、ポリエチレンの生地を張るもの。耐久性もあり、見た目「ドッグベッドサイズの低いトランポリン」という感じ。価格は2000円~15000円くらいまでさまざま。一番低価格のものをネットで購入したところ、翌日に届きました。
私ひとりでもドライバー1本で組み立てられ、軽量。持ち運びもできなかなかなよさそうです。高床式になることで湿気も溜まりにくいはず。バスタオルとトイレシートを敷いてセンパイを寝かせてみたところ、戸惑いはあるようでしたが「まあいいか」という顔をして、そのまま3時間ほど眠りました。
新しいものに興味津々なコウハイ、「センパイと一緒にベッドに乗りたいのかな?」と思ったら、なんと下に潜り込んで得意気。そう来たか!
同時期にセンパイはごはんも食べなくなりました。これまでも少しずつ食べ方がゆっくりになったり、途中で持て余し気味になり「量が多かったかな」と感じることはあったけれど、これほどに食べないのははじめて。食欲がないというよりは「食べたい気持ちはあるけど口が動かない」というふうにも見えます。
味に飽きた? 脳の働きが鈍くなって口が動かない? これまでも食べはじめるのに時間がかかることがあり、匂いを嗅がせたり、はちみつを鼻につけて刺激してみることはありました。それとも歯が痛いとか口内に問題がある? 水(ミルミル水や酵素を溶かした水)はよく飲みます。いただきものの「ちゅーるごはん 総合栄養食」を試すと喜びました。あと積極的に食べるのはヨーグルト。
思うように食べない日が2日続いたので、苦肉の策でカロリーメイトを砕いて水に溶いたものを口元へ運んでみました。すると覚醒したかのように鼻を鳴らしながら完食。おなかは空いていたということでしょうか。食べたくないのではなく食べられなかったのかも。
それからは、従来のドッグフードを多めの水にふやかしたものを、一度の量を減らし回数を増やして食べさせるようにしました。他にも甘酒、コーンスープ、玄米をお粥にしたものなど、流動食のような水分を多く含んだわらかいものが食べやすそう。
人間の赤ちゃん用の離乳食にふやかしたドッグフードを混ぜたり、栄養食のゼリーを食べさせたり、これまで以上に試行錯誤の日々でした。「食べない」と「眠らない」はいのちに関わることでもあるので、心配も深いですね。「食べない」ことがこれまで皆無だったセンパイなので、食餌で苦労したことはなかったけれど、それはなんと幸いなことだったのかとあらためて感謝しました。
「まずは食べて!」とおいしいものを与えすぎ、今後のハードルをあげてしまった感もありますが、今は食欲が戻りつつあります。また、メッシュベッドで長時間眠れるようになり、カートでグルグルできる気力も戻ってきました。
普通にできていたことが突然できなくなる、やらなくなる。何が原因かは明らかではありませんが、急に暑くなり湿度が上がった時期と重なったことを思うと、今回は気候も遠因にあるのではないでしょうか。
夏バテには早すぎます。本格的な夏を前にして、あらためて高齢犬と酷暑を乗り越える難しさを痛感しました。今がこんな感じなのですから、梅雨が明けて暑さが本番になれば、またいろんな変化があるでしょう。センパイの様子を見ながら慌てず急いで対処して、無事に日々を重ねられますように。思えば人も、健康であってもなんとなく食欲が落ちることがありますよね。
9月にはセンパイの17歳の誕生日をコウハイと元気に迎えられたらいいなぁ。
夏、お手やわらかにお願いします。