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80歳の壁

2022.04.17 公開 ポスト

第4回

我慢や無理をせず、幸齢者はもっと「自分を喜ばせて生きる」和田秀樹

発売後から大反響!のベストセラー『80歳の壁』(和田秀樹著)。体力も気力も70代とは全然違う「80歳」の壁をラクして超えて、寿命をのばす――その秘訣がつまった本書から、試し読みをお届けします。

*   *   *

「人生百年時代」という言葉が、80歳の壁を高くしている

80歳と言えば、かつては「人生のゴール」という印象でした。ところが昨今では「人生百年」と言われ、ゴールがいきなり20年も先になってしまいました。

長寿になったことは喜ばしいのですが、じつは少し心配もしています。それは、幸齢者が「長生きしなければならない」という呪縛にかかっていることです。

 

たとえば、みなさんご自身は、次のことに思い当たらないでしょうか。

  • 本当は食べたいのに、健康に悪いからと、我慢してしまう。
  • 動くのがつらいのに、健康のためと、無理して運動をする。
  • 好きなタバコやお酒を、健康に悪いからと、控えてしまう。
  • やりたいことがあるのに「もう年だから」と我慢する。
  • 効いている実感がないのに「長生きのため」と薬を飲み続ける。

いずれも80歳を超えた幸齢者なら、しなくてもいい我慢や無理です。

もっと言えば、本当はしてはいけない我慢や無理なのです。

たしかに、60代くらいまでなら、それは効果のあることでした。しかし幸齢者になってまで、我慢をする必要はありません。

(写真:iStock.com/Angelo Cavalii)

節制、運動、心配、気づかい……。快くできるのなら別ですが、我慢や無理をしながらでは、間違いなく心と体には負担となります。一つ一つは小さなダメージでも、それが積み重なれば、確実に寿命を縮めることになります。「人生百年」という言葉が、逆に80歳の壁を高くしているように、私には思えるのです。

ここまで頑張ってきたのですから、幸齢者はもっと自分を喜ばせるための行動をするべきです。

(写真:iStock.com/Edgar G. Biehle)

そもそも私が精神科を選んだのは、人間という存在に深い関心があったからです。体よりも心に興味がありました。そして28歳のときに、縁あって高齢者専門の病院に勤務することになったのです。

でも正直に告白すると、最初は少し不満足な思いもありました。なぜなら、患者さんはお年寄りだけ。うつ症状、認知症、アルコール依存症など、心の問題を抱える人ばかりです。自ら精神科を選んだはずなのに、「もっと医師らしく病気に向き合いたい」などと考えていたのです。

しかし、そんな迷いも消えていきます。そしてむしろ、この仕事に巡り合えたのはラッキーだったと思うようになったのです。

精神科医は、患者さんの話に耳を傾けるのが仕事です。それは患者さんの人生に触れることでもあります。想像もできない世界があるのだと知りました。

臨床の現場では、医学書や論文の知識だけでは通用しません。患者さんご自身が生きた教科書でした。どんな人にも、それぞれのドラマがあり、一人一人がその主人公なのです。心に病を抱える原因となった不運や不遇は、誰にも起こり得るのです。

人間は誰もが「オンリーワン」の存在であると同時に、人生には優劣がないのだと気づかされました。心のプロとして患者さんを導く立場の私が、逆に、患者さんから深い教えを受けていたわけです。

仏教が説く「生老病死」とはまた違う視座から、私はそれを考えることになりました。この本には、そうした臨床現場で学んだ知恵が詰まっています。私を育ててくださった患者さんに感謝し、ご恩返しのつもりでお伝えしようと思います。

 

※続きは本書をお手にとってお楽しみください。

関連書籍

和田秀樹『80歳の壁』

人生100年時代だが、健康寿命の平均は男性72歳、女性75歳。80歳を目前に寝たきりや要介護になる人は多い。「80歳の壁」は高く厚いが、壁を超える最強の方法がある。それは、嫌なことを我慢せず、好きなことだけすること。「食べたいものを食べる」「血圧・血糖値は下げなくていい」「ガンは切らない」「おむつを味方にする」「ボケることは怖くない」等々、思わず膝を打つヒントが満載。70代とはまるで違って、一つ一つの選択が命に直結する80歳からの人生。ラクして壁を超えて寿命を伸ばす「正解」を教えます!

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80歳の壁

70代とはまるで違って、一つ一つの選択が命に直結する80歳からの人生。ラクして壁を超えて寿命をのばす「正解」があります!

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和田秀樹

一九六〇年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、三十年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『70歳の正解』『マスクを外す日のために』『バカとは何か』『感情バカ』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。

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