
夜。寝かしつける直前の授乳中のこと。最近、大きな声を出すようになった息子が、うんうんと唸り声をあげながら母乳を飲んでいる。んんんー。ゔゔゔ―ん。ゔゔぇええ。ちょ、ちょっと、そんなに声をあげながら飲まなくても……。もちろん本人は必死なようで、喉を震わせるような声を出しながら、ごくっ、ごくっ、と喉を鳴らしつづける。この母乳を飲む音。これが聞こえるとき、本当に不思議な気持ちになる。彼が、いままさに飲んでいるこの液体は、私の体でつくられているんだよなぁ……。不思議というか、奇妙というか、ちょっと不気味というか……と、考え事をしていると、息子が大きすぎる声で突然こう叫んだのだった。
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