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  4. センパイ、体調がよさそう?

センパイ、16歳になりました。鈍感力を発揮しのびのびゆるゆる生きてきた、と思っていましたが「働きもので繊細で緻密な乙女座」でした。鈍感ゆるゆるなのは飼い主のほうで、センパイはずっと前から注意深くそっと私を支えてくれていた。振り返ると思い当たるフシがあります。
そしてコウハイは11歳、一緒にお祝いしました。

 

大好きなケーキとクッキー(犬も人も食べられる)を並べ、恒例なのは記念撮影。今回は少し様子が違いました。これまでは「ニャンでこんなことするの?」と、付き合ってくれるもいやいや感満載のコウハイの、機嫌をとりながらの撮影でした。センパイは早く食べたくてソワソワしてしまうことはあるものの余裕。先にスタンバイしてもらい、準備万端整ったところにコウハイを連れてきて一瞬のカシャ、だったのです。

それが逆転です。コウハイがセンパイをリードし、スタンバイもコウハイが先に「ボクはここにいればいいよね?」。センパイは長く座っていられないので、ちょっと壁にもたれる感じにしてパチリ。目も耳もおぼろげなので「撮るよー!」「こっちだよ」の声かけも効果は薄い。それでもこれまでの勘を利かせてくれて、なんとか今年の一枚が撮れました。

16歳になったセンパイは1年前より体調がよさそうです。血液検査で腎臓と肝臓の数値を指摘され、治療をはじめたのは2年半前、定期的に通院、検査をしています。飛行高度は徐々に落ち、低空になっているとは思うのですが、処方箋も変わらず、検査の結果も大きな変化がないのは何よりのこと。気功をしてもらったり、自己流のお灸もいいみたい。

食生活も影響しているように感じます。犬ごはん研究家の俵森朋子さんに定期的にカウンセリングを受けているのですが(このことについては、いつか詳しく書きます)、1月に指摘されたのは水分不足「センパイの体内、カラカラですよ!」。水の飲ませ方、何をどう飲ませたらいいかを教わりました。それと頭部に滞っている気と血を流すマッサージをすることと、心臓のケアのために週に1度生の卵黄を食べさせること。

8月に診てもらったときには、脳によい糖質(はちみつ、甘酒、黒糖、ごはんなど)、身体のむくみを取るため利水作用がある小豆粉や小指の爪ほどの梅干しの摂取についてアドバイスを受けました。私は忘れることも多く、思い出しては摂取させたりとややゆるめの感じでありますが、ほぼほぼ継続できているので効果が出ているのではないかと(これは個体差や体調にもよりますので、どの犬にも効果があるというわけではありません。俵森さんの著書をご覧になって、参考にしてください)。

1年前のセンパイは、どこかぼんやりしていて視点も定まらず(見えないからというのもあるのでしょうけど)、声をかけても反応が鈍く、これが認知症ということなのだと半ばあきらめていました。しかし、今年の春頃から瞳も澄んで、私のこともちゃんと見ようとしてくれます。伝えたいことをしっかり伝え、私が言うことも確実に理解できるようになっている(ような気がします)。

9月に入り、涼しい日が続くようになってようやく「なんとか無事に夏を越せたかな、センパイも16歳になれそうだ」と思えました。酷暑の時期は特に「何が起こるかわからない」と構えて過ごしていました。

誕生日を迎えることが楽しみで喜びでしかなかった頃を経て、13歳くらいからは1歳1歳が貴重で奇跡で、感慨深い。「来年もお祝いできるかな、できるといいな、できるよね、できますように」と、四段活用形のようにつぶやいて……。

最近、自分で気づいたことがあります。それは、センパイのトイレシートや紙パンツ、フードをつい多めに買ってしまうこと。シートは80枚より120枚のパック、フードは1.8kgより4.2kg入り。「ストックしていてもし何か変化があったら」「事情が変わり無駄になる、なんてことがあるかも」ふと頭をよぎる少し先の未来、それを振り払うように「えいっ!」と大容量を選び、ひとつよりふたつ、ちょっとだけ多めに。

これは「無事に使い切れますように」「使い切るまでは平穏でありますように」と、願いを込めてのことだったんです。無意識でした。マラソン選手が道端の電柱1本1本を目標として走るように、フードひと袋分ずつの無事を、小さく祈り重ねる今日この頃なのでした。

なーんて思ってしみじみしていたら、今朝は6時すぎにセンパイの絶叫で起こされました。これまではハマったり倒れたりして「なんとかしてーー!」と明らかに理由があっての訴えでしたが、今朝はただただ叫喚。どうにも収まらず、眠さを振り払いながら、あたふたするだけの私……。

頭痛予報アプリで調べたら、荒れた時間帯にちょうど気圧が急上昇する予報になっていたので、原因はそれかな。頭が痛かったのか気持ちが悪かったのか。
なんとか落ち着きやっと寝たセンパイは、かわいい寝息を立てて絶叫悪魔から天使に戻っていました。老犬とは実に不可解で奥深く、いとおしい生き物ですね。

 

俵森朋子さん
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石黒由紀子

エッセイスト。栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、webに、犬猫グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ~ゆるゆる犬暮らし』(文藝春秋)、『なにせ好きなものですから』(学研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。『豆柴センパイと捨て猫コウハイ』、『犬猫姉弟センパイとコウハイ』(ともに小社刊)は、幅広い支持を受け、ロングテールで人気。

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