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いつまで自分でせいいっぱい?

2021.09.04 更新 ツイート

新連載#1

自分のせいにするのが得意なあなた様 佐津川愛美

役者、独身、女、一人が好き、でも人も好き。14歳から自分以外の人間を演じてきた佐津川愛美、33歳のリアルな日常。新連載。

私はぐるぐる考えすぎるけれど

5月のある雨の日。
今までずっと悩んできたことが、全部自分のせいだと苦しんできたことが、割とあっさりと覆された。

 

14歳でこの世界に入った私は、ずっと演じることをしてきました。近年は監督もしたりします。この世界のあだ名はさっつん。プライベートは愛ちゃん。

何であんなこと言ってしまったんだろう、何であんな言い方してしまったんだろう。過去に自分に対してどれだけ後悔をし、どれだけ責めてきただろうか。
とにかく自分が嫌いで、とにかく周りの目を気にして、なんで私なんかが生きているのだろうと多摩川を見つめながら思っていた10代。昔からずっと、過去ばかりぐるぐる頭にあって、どれだけ今を生きるのが苦手なんだよとへきえきしていた。
傷ついたことや怒られたことの恐怖はフラッシュバックしながら静止画にもなって、何度も出てきては頭にこびりついてなかなか剥がれてくれない。
自分がわるい。弱い自分がわるい、出来ない自分がわるい、うまく言葉に出来ない自分がわるい。どこまで悩めるんだよっというぐらい、自分、自分、自分。

その都度文章にしてきました。

そのうち読者の方から想いが届くようになり、何かが伝わっているのならば嬉しく、その先に居てくれる誰かと共有して生きてきたつもりです。自己肯定感の低い人間にとって、それは小さな存在価値として大切な場となっていました。
20代では沢山自分と向き合って超絶ネガティブは抜け出し、やっとむかえた30歳で生まれ変わり、かなり生きやすくなってきました。
それでもぐるぐる悩むことはゼロにはなりません。
ぐるぐるといったワードは今までもよく使っていた気がします。もともとは悩みすぎたり頑張りすぎる性質であることは自負しています。
 

【哀】早く海外に遊びに行ける世の中になってほしいなぁ。(毎年恒例自分へのお誕生日プレゼント海外一人旅)今年は行けないかわりに何をプレゼントしよ〜〜〜

コロナ禍となった昨年。
役者業が中止や延期となり、いつもなら連続では難しい監督業のご縁をタイミングよく頂きました。ビビリな私は、友人にも家族にも全く会わず仕事ばかり頑張りすぎたようです。責任感や完璧主義がいつも以上に強くなり、不規則な生活も相まって視野が狭くなりすぎたのだと思います。
昨夏から日常生活が不安になるような不調が出てきました。色んな病院で検査をしても、半年以上経っても原因は見つからず。5月になるとまた色々と重なり、とあるきっかけから新しく行った病院で診断が出ました。

何よりも知れて良かったことがあります。体調不良の原因の根本が分かったことで、ずっと付き合ってきたぐるぐるさんは、「反芻思考」というものだと思いがけず知ることができたのです。

嫌なことばかり思い出しては自分を責める。その繰り返し。完全にこれですね。今を生きられない原因。私はその症状としてぐるぐるが出やすかったようです。
30年以上生きてきて、自分はダメだといじめてきて、理由は幼い頃のトラウマだとか、誰かのせいにしていた自分が嫌でまた責めて。とにかく前向きな生き方を! と試行錯誤してきて。
原因はあなたの性格じゃないです、これは脳の作りの可能性が高いんですよって。
あ、そうですかとは簡単にはならないけれど、凄く納得出来た部分もあり、だんだんと、仕方がなかったんだ、私のせいじゃなかったんだ、、と救われた気持ちになりました。
これがどれだけ自分にとって大きな衝撃と安堵だったでしょうか。私は自分を知れてよかったです。

原因がわかったことで、解決策を模索することで、生きやすく出来るのです。
今の私は、まずはとにかく無理をしないこと、心と体を優先すること。プラス、頭でぐるぐるがはじまってもこれは仕方がないことだよと俯瞰できるように訓練中です。自分を知れたお陰で今が1番健やかで、毎日を丁寧に過ごせています。

よく、辛かったら逃げてもいいとか、少し休んだらいいとか言います。でも常に悩んで自分のせいにしてきた人間には、逃げ方も休み方もわかりません。逃げよう休もうなんて概念もありませんでした。
自分を追い込みやすい人にとっては、自分を大切にとか言ったって、言われたって、そのやり方がわからないのです。本人は自分を追い込んでいるなんてなかなか気付けないのです。

私は自分のせいにするプロだったので(笑)、これまで苦しかった分、今がどれだけ楽になったのか、私にとっては物凄いことなのでどうしても伝えたいです。

今回自分を知ることで、初めて立ち止まることが出来ました。落ち着いて俯瞰したことで「今」がみえてきたのです。
そして、しばらくここから逃げようと仕事をいっさいしない数週間を持ちました(この期間のことは、いつかどこかで書きたいです)。
14歳から今までの日々は全部が仕事中心で、何をしていても、これは芝居に活かせる、この気持ちを文章でシェアしようと、無意識に繋げていました。好きな旅行に行ってもリフレッシュの仕方がわからなくて、感じたことを記録しなければとスマホに向かって文章を書き始めたり、今を味わえず全てを仕事に活かそうとしていたように思います。きっとそうしないと保てなかったのでしょう。

断ったらもう声がかからないかもしれない、必要とされるならば有難い、断るなんておこがましいと、しんどいからという理由で仕事を断ったことは一度もなくここまできました。
自分で収入を得なければとか、家族には迷惑かけられないとか、やっぱり出てきます。結局仕事がないと不安になってしまう。
振り返れば長い間、少し生きづらいと思いつつ誤魔化して、脱する努力をしていなかったのかもしれない、ここで頑張らなければいけないと思い込みすぎていたのかもしれません。

「いつもの自分」=「仕事が常に頭にある状態」から離れ、世界はここだけではない、違う道もあるんだと気付けたことで、もう少し気楽に向き合ってみようと思えたのです。
私はこの仕事が好きだから、自分の意思でここに居る。疲れたらまた離れればいい。
好きでも疲れることはある。周りの目を気にしてそんなこと思ってはいけないと自分を縛り付けていた考えがどれだけ窮屈なものだったのか、思い知ったのでした。
 

【喜】今回の写真は愛する後輩の真凛(女優、京都出身、只今腸活にハマり中)が撮ってくれました。
写真苦手ですが、真凛なら緊張しないかなと。
わーーーー天才カメラマン!!

もし自分のせいにするのが得意な方がいらしたら、自分を疑ってみてください。少しでも生きづらさを感じてる方がいらしたら、まずは問うてみてください。
こういう性格だから仕方がないと思っていることも、その心の闇は自分のせいにしなくてもいいことかもしれません。自分の固定概念に騙されないでください。
「今」の自分を知るために、立ち止まること。
今まで通りの生活がなかなか戻ってこない世の中です。気付けずに負担が大きくなっている部分はありませんか? 今の心の状態はどうですか?

昔は悲劇のヒロインでした。
自分が嫌いすぎて誰か私を救って! と思っていましたが、今は違います。自分でしか自分を救えないとちゃんと理解できているから。33歳になってもまだまだ自分のことで悩んでいるけど仕方がない、それが私だから。あはは。
 
つまり、昔ほど自分が嫌いではないし、割と頑張ってるじゃん。えらいよ! っと思えています。だから、今日が今までで一番自分を肯定出来ているのです。
明日もそんなことが思えれば素晴らしい。

何年もかけて今の自分が出来上がってきました。読んでくださり、共に生きてきてくださった方々のお陰でもあります。
私はこんなぐるぐる人間だけど、現場が好きだし、作品を届けられることは嬉しいし、この先に居てくれるあなたに、1人じゃないよと伝えたいと思いながらここに立っています。
何でもいい。喜怒哀楽、心が動く素晴らしさを、ここに綴っていこうと思います。
こんな文章でよろしければまたお付き合いください。

私はとても気楽な毎日になりました。
あなたはどう生きていますか??

それではまた。
愛ある日々を。

*   *   *

毎月4日と19日に更新予定です。お楽しみに。

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いつまで自分でせいいっぱい?

自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、33歳のリアルな日常を綴る。

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佐津川愛美

1988年8月20日生まれ、静岡県出身。女優ときどき監督。
Instagram http://instagram.com/aimi_satsukawa

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