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人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年下半期 12星座別あなたの運勢』より、12星座別・ご縁の傾向と対策をお伝えいたします。

＜全体運＞

暗いところを知る人は、きっと強い

上半期はいかがお過ごしでしたか。一部地域では2度までも緊急事態宣言が発出されるなど、仕事にも人間関係にも制約が多い日々でした。2021年のしし座の人々は、人間関係にスポットライトが当たっています。仕事では自分を抑えて相手のためにひたすら力を尽くすような段階を抜け、難しいテーマでも対等に渡り合えるフェーズに移行しています。恋愛でいえばまさにパートナーシップの1年ですから、お付き合いから結婚へと話が進んだり、結婚を視野に入れてお付き合いできる相手と出会ったりしやすいタイミングに入っています。といっても現状維持こそベストという意味ではなく、人によってはより良い関係を求めて、転職をしたり離婚をしたりすることも叶うでしょう。

とはいえ、仕事でもプライベートでも、なかなか人と直接会ったり、話したりということが通常通りにはいかない半年間でもありました。「せっかく対人関係が良くなる時期が来ているのに」とがっかりされる方も、少なくないでしょう。もちろん、会うことがいいことなのかどうかは、人によって異なるはずです。たとえば職場の人間関係があまりにストレスフルだった人は、リモートワークになって最高にリラックスできたことでしょうね。

とはいえ、私もがっかりしている方に「プラスの面に目を向けよ」と鞭打つほど心臓にふさふさとした毛が生えているわけでもありません。こういう時期だからこそ、占いを“使う”、「じゃあどうしようかな」と考えて乗り切れることも、あるのではないかと思うのです。というわけで、2021年の下半期を見渡してまいりましょう。簡潔に申し上げますと、「10月までは迷いの時期。でも迷うことにも意味があって、10月下旬から方針を定めていいほうにもっていける」という感じです。

 

まず夏から秋にかけては、少々「自分らしくないかも」と思うことが増えるかもしれません。普段は「自分の人生は自分のもの」と思っている人でも、他人にやや期待しすぎたり「この人しかいない」と思うあまりにその人にのめり込んだりしやすいようです。といっても、「我を忘れる」という状態とはまるで違います。あなたはちゃんと「人の気持ちを完全に理解するなんて無理」ということをわかっていますし「お前はお前！　俺は俺！」といった感じに、自他を分けることの大切さも把握しています。それでも、そうやってのめり込むことで「相手と一緒にいるために自分を変える、それが現状を良くする唯一の方法なのではないか」などと、やや極端な考えに至ることになりやすい暗示が出ています。相手がモラハラやDVなど、支配的な関係を築くタイプの人かどうかは冷静に判断しなければいけませんし、仮にそうであれば注意深く退ける必要があります。

 

自分の「人付き合いのポリシー」を、改めて振り返る人もいそうです。これはあなたに限った話ではないのですが、人は一生懸命に生きていると、知らず知らずのうちに他人を人生のパーツのように考えてしまうことがあります。たとえば、孤独を感じているときは「この心の穴を埋めてくれる人はいないだろうか」と考えますし、仕事では「この人と仲良くしていれば仕事をもらえるかも」なんて思ったりします。忙しくて気持ちがささくれているときは「この人と付き合っても得をすることもないしな……」と思ったりもするわけです。きっと素晴らしい人徳の持ち主であれば、そうした損得やコスパみたいなものは一切考えないのでしょう。ただ、少なからぬ人がお互いにそう思い合うことで、この社会は成り立っています。この時期、あなたはそうした、自分の明るい部分ばかりではないホンネをありありと見せつけられることになるのかもしれません。身近な人が、他人をパーツのように考えていることに、言いようのない居心地の悪さを感じてしまうこともあるのでしょう。

 

運気が好調に転じるのは10月下旬です。ここからあなたは、人間関係の決して明るくはない部分も踏まえたうえで、「それでも、人を信じたい。信頼関係を築いていきたい」と思うようになるのでしょう。自分も他人も、弱いしズルい。でも、素晴らしいところもたくさんある――そうした人間理解のもとに、相手のことだけでなく自分のことも尊重できるようになります。そう思えるだけの人と出会う可能性もありますし、すでに出会っているパートナーや友達、仕事相手などとの関係が良い方に磨かれていくこともありそうです。そしてあなたの存在を粗末に扱う人からは、距離を置く勇気が持てる人も多いのでしょう。これ以上、大事な自分が損なわれないように。同じ時間を、大切な人を大切にするために使えるように。

 

不思議と、出会う人の顔ぶれも変わってくるかもしれません。これは今というよりしばらく後になってから気付くことかもしれないのですが、真正面から、まっすぐに目を見て議論や交渉ができる人との接点が増えるでしょう。あなたの提案や意見に対し、真摯に耳を傾けてくれる人も増えるはずです。

昨今、世界的にもジェンダーの差を取り払ったコミュニケーションへの意識が高まっています。過渡期ゆえにまだまだ、なところもあるにせよ、性別や見た目であなたを判断するような人も、どんどん減ってくるのでしょう。人と人として純粋に向き合える人間関係が、あなたの周囲から確実なものとなっていくはずです。そういった豊かさが、あなたのもとにもたらされるようになるのです。

人間関係の「制限」を乗り越えて

恋愛や結婚生活におけるパートナー、仕事でタッグを組む相手、取引先。もしくは親友と呼べる人たち。「その他大勢」ではなくて、たくさんの人のなかからあなたが手を伸ばした先にいる、特別なつながりのある人というと、今のあなたなら誰を思い浮かべるでしょうか。彼ら、あるいはこれからそういった特別な関係になる人とのあいだには、この下半期はどこか「制限」めいたものを感じやすいかもしれません。たとえば、童話のシンデレラでいうならば、舞踏会に出かけることを阻止する意地悪な姉たちと継母は、わかりやすい制限です。ドレスがない、12時までに帰らなければいけないといったことも制限と考えられるでしょう。こちらとしては特に非があるわけではないのに、解決すべき課題が多いのです。童話であれば魔法使いがパッと問題解決してくれるところですが、現実においては自分でひとつひとつ、解決していかなければいけません。

 

人間関係を阻む制限には、いろいろなものがあります。価値観の違い、ライフスタイルの違いといった、些細なようで根強い要素。仕事で忙しい、遠方に住んでいるといった接点を持ちにくい条件。ときには、お互いの「人間ってこういうもの」という思い込みが、強い制限となって相互理解を阻むこともあります。こういったものを「じゃあ、あなたとは付き合わなくていいです」と投げ出すこともできるのでしょう。世の中にはたくさんの人がいるのですから、いくらでも代わりはいそうなものです。

ただ、この下半期において、あなたは「制限はあっても、どうしてもこの人がいい」と考えるのだろうと思います。大事なことは「楽に関係を築いていくこと」ではなく、「その人であること」だからです。

 

私たちにとって幸福なのは、決してかぼちゃを馬車に変えるような魔法までは求められていないことです。無からガラスの靴を生み出すようなことを、しなくてもいいということです。必要なのは「あなたでなければだめなんだ」という真摯な思いと、解決する根気強さと、時間です。

おそらくですが、この時期の課題というのは、腰をすえてじっくり臨みさえすれば解決の道は必ず見えてくるはずです。もちろん、人間関係は相手あってのことですから、必ずしも100％あなたの思いが叶うとはいえないでしょう。それでも、ちょっと手をつけた程度では解決法は見えないことが多い、ということは覚えていらしてください。時間をかけてじっくりと向き合うことは、ひとつの必要条件ですから。

 

こんな努力をすることが、何の役に立つんだろう。そんなふうにぼやきたくなることも、ときにはあるのかもしれません。ただ、この課題というのはあなたが本当の意味で幸せな対人関係を築いていくために、必要な人生のレッスンでもあります。どうにかして解決をはかることで、あなたはずっと生きやすくなるはずですし、他人も自分も尊重することができるようになるのです。

逆に、ここで楽なほうに逃げてしまったらどうなるでしょうか。それもまた人生ではありますが、占いという観点で見るならば、おそらくは2023年頃まで同じ課題が繰り返しかたちを変えて目の前に現れることになりそうです。そう言ってしまうとネガティブに過ぎるかもしれませんが、あなたも人生のなかでたびたび「あのときはキツかったけど、乗り越えておいてよかった」と思えることを、経験してきたのではないでしょうか。勉強、スポーツ、社会人としての基礎的なこと、などなど。星々は決してあなたに不幸な出来事だけを与えて絶望させようとしているのではなく、今この時期のあなたに合った課題を、そっと差し出してくれていると思ってみるといいかもしれません。

 

12月29日、あなたはここからまた、人間関係における次のフェーズに移行することになっています。年末から2022年5月にかけては、2021年よりさらに濃く深く、豊かな人間関係が築かれていくでしょう。でも、この下半期で目の前の人に真摯に心を尽くした記憶があるならば、その道行きは決して怖いものでも、不安なものでもないだろうと思います。大事な人をちゃんと大事にしていける力が備わっているわけですし、それは自分を犠牲にすることとイコールではないからです。誰かを大切にするために、自分を損なわなくていい。むしろ、自分を大切にすることは相手のためにもなることなのだと、12月のあなたはちゃんとわかっているのだろうと思います。

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