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人はなぜ眠れないのか

2021.07.04 公開 ポスト

「難しい本を読む」は精神科医も勧める睡眠術だった!岡田尊司

厚生労働省の2018年の調査では「睡眠で休養が十分にとれていない」人の割合は21.7%。日本人の5人に1人が睡眠に悩みを抱えています。自身も不眠症に長く悩まされた経験を持つ精神科医の岡田尊司さんが、睡眠のメカニズムや不眠症克服の極意を解説する幻冬舎新書『人はなぜ眠れないのか』より、睡眠の質を上げるための基礎知識やTipsをご紹介します。

眠れない時間を活用する

眠らないといけないと思いすぎることで、かえって眠りに見放されてしまう。眠りは、求めようとしすぎると、逃げていく性質をもっている。この性質をうまく利用して、時間を有効に使いつつ、よい眠りを効率よくとる方法を紹介しよう。

2つとも、私が長年実践し、不眠症の克服に役立ってきた方法である。

(写真:iStock.com/Kerkez)

1つは、読書催眠法である。就寝時間の一時間前には、仕事や勉強、テレビやパソコンといったものを止め、眠る準備を始める。

寝室の天井灯は消して、枕元(ベッドサイド)のスタンドライトだけを灯す。しかし、読書をするには十分の明るさを確保する。読む本は、古典的な本や、やや堅い内容の本がよい。古典的な名著に触れる時間に使うのが、お勧めである。こうした本は、なかなか難解であったり、翻訳が悪かったりして、読み進めるのに苦労するが、長い風雪に耐えただけあって、じっくり味読する価値がある。わくわくしながら、ページをめくるということには、あまりならないが、むしろそのほうが好都合なのである

避けるべきは、小説のようなストーリーのある読み物である。こうした本は、面白くなってくると、それこそ止まらなくなってしまうので、睡眠を妨げてしまう。

古ぼけた、読みにくい古典を、2、3ページ読んだだけで、疲れているときなら、すぐに眠気が来るのが普通だ。だが、少しくらい眠くなったからといって、すぐに眠ろうとせず、もう少し眠気が確実なものになってから、眠るのがポイントである。手にもっていた本を、2、3回落っことすくらいになって眠れば、1分もかからずに寝入ってしまうだろう。

やや目が冴えている日でも、3、40分読んでいると、例のウルトラディアン・リズムの眠気の波がやってきて、次第に眠くなってくる。そこらを潮に、手元のスイッチでスタンドの明かりを消して眠る。

変な時間に眠ったり、濃いコーヒーを飲んでしまっていない限り、この方法で、睡眠導入は非常にスムーズになる。たとえ、1時間、2時間眠れなくても、その分、読書ができるわけだから、損はしない。

関連書籍

岡田尊司『人はなぜ眠れないのか』

日本人の五人に一人が不眠症と言われるほど、睡眠の問題で悩む人は多い。どうすればスムーズに、朝までぐっすり眠れ、心身の疲れがとれるのか。かつて不眠症で悩んだ経験をもつ精神科医の著者が、睡眠学や不眠症臨床の最新知見から、不眠症を克服する具体的方法や実体験に基づく極意まで、豊富なエピソードを交えてわかりやすく伝授。この方法を会得すれば、睡眠を思いのままにコントロールすることも、さほど難しくはない。自分の体内時計のリズムが一目でわかる、記入式の睡眠チャート付き。

岡田尊司『過敏で傷つきやすい人たち』

決して少数派ではない「敏感すぎる(HSP)」人。実は「大きな音や騒々しい場所が苦手」「話し声がすると集中できない」「人から言われる言葉に傷つきやすい」「頭痛や下痢になりやすい」などは、単なる性格や体質の問題ではないのだ。この傾向は生きづらさを生むだけでなく、人付き合いや会社勤めを困難にすることも。最新研究が示す過敏性の正体とは? 豊富な臨床的知見と具体的事例を通して、HSPの真実と克服法を解き明かす。過敏な人が、幸福で充実した人生を送るためのヒントを満載。

岡田尊司『ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術』

うつの患者は百万人以上いるが、実はその多くは「適応障害」である。環境の変化になじめなかったり、対人関係がうまくいかずに生じる心のトラブルで、自信や意欲がなくなったり、体調不良、不登校、出社困難、依存症などの問題として表れる。過敏な人だけでなく、人一倍前向きな人もかかる、もっとも身近な精神疾患だ。「うつ病」と誤診されて治療すると余計に悪化し、長引く場合も。ではどうすれば改善するのか? どうにもならない問題や悩みを抱え込んだとき、いかに対処すればいいのか。すぐに実践できる方法を、百戦錬磨の専門医がわかりやすく紹介。

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人はなぜ眠れないのか

厚生労働省の2018年の調査では「睡眠で休養が十分にとれていない」人の割合は21.7%。日本人の5人に1人が睡眠に悩みを抱えています。自身も不眠症に長く悩まされた経験を持つ精神科医の岡田尊司さんが、睡眠のメカニズムや不眠症克服の極意を解説する幻冬舎新書『人はなぜ眠れないのか』より、睡眠の質を上げるための基礎知識やTipsをご紹介します。

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岡田尊司

1960年、香川県生まれ。精神科医、医学博士。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医 学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務、山形大学客員教授。パーソナリティ障害治療の最前線に立ち、臨床医として若者の心の危機に向かい合う。 

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