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感情バカ

2020.09.19 公開 ポスト

うつ、不安の原因に… やってはいけない12の「不適応思考」和田秀樹

「感情の動物」と呼ばれる私たち。喜びや楽しみがあるからこそ、人生は豊かになります。ところが怒りや不安などのネガティブな感情、あるいは自分でも気づかない服従、同調、損失回避といった感情のせいで、どんなに知的な人でもバカな判断をすることがあります。そんな「感情バカ」のメカニズムを解き明かし、バカにならないためのコツを教えてくれるのが、精神科医の和田秀樹さんが贈る『感情バカ』です。その中から、とくに私たちが陥りやすい感情をご紹介しましょう。

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こんな考え方、していませんか?

不適応思考の代表的な例として、「かくあるべし思考」や「二分割思考」については、前回お話ししました。認知療法の専門家であるフリーマンは、人間が陥りやすい不適応思考として、この2つを含めて全部で12のパターンを想定しています

(写真:iStock.com/tadamichi)

その1つが「占い」です。

これは、将来の出来事に対して否定的な予想をし、それがあたかも事実であるかのように捉えてしまう考え方です。

たとえば、「自分は背が低いから好きになってくれる人は現れないに違いない。結婚もできないんだ」と決めつけてしまって、せっかく異性が近づいてきても自分から避けてしまうということがあります。「将来こうなる」と決めつけてしまうために、ほかの可能性が考えられないわけです。

 

「読心」も不適応思考の一つです。「相手は私のことを嫌っているに違いない」とか、「内心では私のことをバカにしているんだ」というように、相手の気持ちを決めつけてしまって、勝手な解釈をするパターンです。

これらの例を見てもわかるように、不適応思考でいちばん問題なのは、「決めつけてしまう」点です。不適応思考とは、「決めつけ思考」と言ってもいいと思います。

 

「破局視」とは、「もうすぐ巨大隕石によって地球は滅亡するんだ」「核兵器で日本は消滅してしまう」といったように、将来に生じる可能性のある出来事について、最も悪い事態を想定して、「そうに違いない」と決めつけてしまう考え方です。

こんな大袈裟なものでなくても、「あの人にふられたら、人生終わり」「受験に失敗したら、生きていけない」「部長に嫌われたら、もう会社ではやっていけない」などと、最悪の極論を考えてしまうパターンがこれに当てはまります。

 

「肯定的側面の否定」とは、たとえばうつっぽい人が、ちょっと状態が良くなったとしても、「こんなものは良くなったうちに入らない」と否定したり、あるいは太っている人が、料理も上手で会話もうまいのに、「そんなことは大したことじゃない」などと良い面を否定して、太っていることばかり気にしてしまうというようなパターンです。

 

「過度の一般化」とは、ある特定の出来事を多くの出来事の中の一つとして見ることができず、それを一般的なものと見てしまう考え方です。

たとえば、一人の少年によるショッキングな殺人事件が起こったときに、「最近の子どもは怖い」と決めつけたり、何人かの新入社員の態度が悪いと、「最近の若いヤツはダメだ」と決めつけたりするのが、このパターンです。

まだある危険な「不適応思考」

「選択的抽出」とは、ある一面に注意を注いで、その他の側面を無視してしまうという考え方です。

仕事でうまくいったことがたくさんあるのに、良くできた面は見ないで、ダメだったことだけを抜き出して、「オレはダメな人間だ」と決めつけてしまうというパターンです。

逆に、良い面ばかりを見てしまうということもあります。周りの人たちが「お前はだまされている。女性を殴るようなあんな男と付き合うな」と忠告しても、「いや、ときどき乱暴はするけど、優しくしてくれるときもあるの」というように、良い面だけを見てしまうわけです。

(写真:iStock.com/AndreyPopov)

「縮小視」とは、良い特徴や経験を「取るに足らないもの」と捉えてしまう考え方です。

たとえば、「お前はいいよなあ。学歴もあるし、仕事もできるんだから」と友人から褒められたのに、「学歴なんか関係ない。仕事ができるといってもオレの代わりなんていくらでもいるんだから大したことない」というように、良いことを過小評価するパターンです。

 

「情緒的理由づけ」は、自分の気分や感情を根拠に物事を判断する、現実の見方がそのときどきの感情に左右されることです。たとえば、気分が良いときは「よし、これから日本の株価は上がるぞ」と考え、うつ的な気分になると、「これ以上日本の株価が上がるはずがない」と悲観的に考えてしまうパターンがこれに当たります。

 

「レッテル貼り」とは、ある事象を個別のものとして捉えずに、レッテルを貼ることです。

たとえば、仕事でミスをしたときに、「仕事で失敗した」と考えずに、「自分は失敗者だ。会社の中では完全に負け組だ」というように、“失敗者”“負け組”などと自分にレッテルを貼るほか、「アイツは“オタク”だから」というように、他人にレッテルを貼ることで、その人の別の面が見えなくなるパターンもあります。

 

「自己関連づけ」とは、物事には複数の要因が関連しているのに、自分こそがその最大の原因であると考えるパターンです。

たとえば、チームで取り組んだプロジェクトがうまくいかなかったときに、「すべてオレの責任だ」と考えてしまう人がこれに当たります。仕事の失敗でうつ病になったり、最悪のケースでは自殺したりしてしまうのは、このパターンの人に多く見られます。反対に、仕事がうまくいったときに、「これはすべてオレの手柄だ」と考えるのも、これに当たります。

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この続きは幻冬舎新書『感情バカ』でお楽しみください。

関連書籍

和田秀樹『感情バカ 人に愚かな判断をさせる意識・無意識のメカニズム』

喜びや楽しみの感情があるから人生は豊かになり、怒りや哀しみも生きるバネになる。だが、感情が過剰になり理性とのバランスを失うと、どんなに知的な人でも、信じられないほど愚かな判断をする「感情バカ」になる。しかも怒り・不安のような意識できる感情だけが問題なのではない。自分では気づかず無意識のうちに感情的になることで、「服従」「同調」「損失回避」など心のクセが働き、判断はゆがんでしまうのだ。「感情バカ」のメカニズムを解き明かし、感情のせいで苦しむ・損する人生を抜け出す方法をアドバイス。

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「感情の動物」と呼ばれる私たち。喜びや楽しみがあるからこそ、人生は豊かになります。ところが怒りや不安といったネガティブな感情や、自分でも気づかない服従、同調、損失回避といった感情のせいで、どんなに知的な人でも「バカな判断」をすることがあります。そんな「感情バカ」のメカニズムを解き明かし、バカにならないコツを教えてくれるのが、精神科医・和田秀樹さんの『感情バカ』です。その中でも、私たちがとくに陥りやすい感情をご紹介しましょう。

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和田秀樹

一九六〇年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、三十年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『70歳の正解』『マスクを外す日のために』『バカとは何か』『感情バカ』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。

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