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100歳まで生きる手抜き論

2020.09.03 更新 ツイート

#4 年賀状は出さない、お見舞いに行かない…歳をとったら人間関係をシンプルに 吉沢久子

昨年3月、101歳で他界した評論家・エッセイストの吉沢久子さん。あれから1年以上経っても、彼女が遺した言葉は古びることがありません。『100歳まで生きる手抜き論』は、本人が実践してきた健康長寿のコツについて書かれた一冊。「仕方ないは魔法の言葉」「調子が悪いときはすぐ寝る」「お惣菜や市販品もどんどんとり入れる」「義理のおつき合いはしない」など、心も身体も軽くなることうけ合いです。中身を少しだけご紹介しましょう。

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義理のおつき合いをやめてみる

それこそ思い切った「手抜き」だと思われるかもしれませんが、私は義理のおつき合いは、いっさいしないことにしています

(写真:iStock.com/imacoconut)

お中元やお歳暮は贈りませんし、年賀状を出すのも60歳のときにやめました。病気のお見舞いには行きませんし、80歳をすぎてからは夜間のお通夜なども失礼するようにしています。

お中元やお歳暮を贈らないのは、もともとは夫がそういうやりとりを好まなかったのが大きな理由で、当時の習慣が今でも続いています。

私自身、形式的な贈り物にはあまり意味を感じません。それよりも、日々の生活の中でおいしいものを食べたときなどに、

「あの人はきっとこの味が好きだろうな」

「ぜひ食べてもらいたい」

誰かの顔が頭に浮かんだとき、その人に贈り物をするほうがいいように思い、実際にそうしてきました。

年賀状については、以前は年末の忙しいさなかに時間を見つけては、1枚ずつ手書きしていました。500枚ほども出していたでしょうか、それだけの枚数になれば、これはかなりの重労働です。

年賀状書きが深夜に及ぶことも多く、年末はいつもひどい寝不足になったものでした。

しかしだんだんと体力的に厳しいと感じるようになり、60歳になったとき、思い切って「年賀状を失礼させていただきます」とお断りしたのです。以来、一度も年賀状を出していません。

人間関係には何の問題も生じませんでしたし、年末に気力や体力を使い果たしてしまうこともなくなりましたから、きっぱりやめたのはよいことだったと思っています。

手を抜けるところはどんどん抜く

病気のお見舞いに行かないのは、やつれた姿を見せたくないという人もいること、辛い思いをしているときに、お見舞いのお礼にまで気を遣うのは大変ではないかと思うことなどが理由です。

(写真:iStock.com/Vera_Petrunina)

その代わりに、手紙を差し上げたり、親しい人であれば、意向を訊ねたうえで留守宅のお世話を手伝ったりといったことをするようにしています。

夜の外出を控えているのは、体が昔ほど機敏に動かなくなり、どうしても暗い道に不安を感じるからです。

無理に外出して、うっかり転倒したりすれば、大きなケガにつながることも考えられます。

自分はよくても、訪問先の主にかえって心配をかけることになりますし、家族に迷惑をかけることにもなるでしょう。

80代、90代ともなれば、おそらく周りの人たちも、

「無理をしないでくれていたほうが安心できる」

と感じるのではないかと思います。

私は、義理を果たすことより、自分の体の状態とよく相談して、周囲に心配や迷惑をかけないよう自重するほうを選びます。

盆暮れの贈り物や年賀状、冠婚葬祭といった義理のおつき合いは、丁寧に対応するに越したことはないというのが一般的な考えではないかと思います。

真面目な人は、なかなかスパッとやめる勇気が持てないものでしょう。

ですが、歳をとって体の自由が利かなくなったり、体力が落ちたりしたとき、義理のために無理をする必要はないと思います。

「歳のせいかもしれませんが、疲れてしまって」

と言えば、人は理解を示してくれるもの。手を抜けるところは、どんどん抜いていっていいのだと、おおらかに考えるようにしたいものです。

関連書籍

吉沢久子『100歳まで生きる手抜き論 ようやくわかった長寿のコツ』

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100歳まで生きる手抜き論

昨年3月、101歳で他界した評論家・エッセイストの吉沢久子さん。あれから1年以上経っても、彼女が遺した言葉は古びることがありません。『100歳まで生きる手抜き論』は、本人が実践してきた健康長寿のコツについて書かれた一冊。「仕方ないは魔法の言葉」「調子が悪いときはすぐ寝る」「お惣菜や市販品もどんどんとり入れる」「義理のおつき合いはしない」など、心も身体も軽くなることうけ合いです。中身を少しだけご紹介しましょう。

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吉沢久子

1918年、東京生まれ。文化学院卒業。家事評論家。エッセイスト。女性が働くことが珍しかった時代に15歳から仕事を始め、事務員、速記者、秘書などを経て、文芸評論家の古谷綱武氏と結婚。生活評論家として執筆活動や講演、ラジオ、テレビなどで活躍。姑、夫と死別したのち、66歳からの一人暮らしは30年を超えた。著書多数。

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