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食べる量が少ないのに太るのはなぜか

2020.07.02 更新 ツイート

起きて2時間以内に朝食をとった日の消費エネルギーは2割増し香川靖雄

糖質制限や断食、サプリメントに頼ったダイエットは間違いだった……。

長年、栄養学に携わってきた香川靖雄先生によると、ダイエットの基本は1日に3食とること。著書『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』には、極端な食事制限なしに、無理なく痩せられ、太りにくい身体を作るというダイエット法が書かれています。1日のうちでどのような時間に、どのような速度、順序で食べるのが効果的か、その一部をご紹介します。

起床後2時間以内に朝食を食べないと、体内時計はリセットされない

私たちの身体は、朝日を浴びることで中枢時計遺伝子が24時間周期にリセットされ、朝食を食べることで末梢時計遺伝子も同じようにリセットされます。

ここで重要なのは、2つの時計遺伝子が同じ周期リズムで動かないと、体内の細胞がうまく活性化しないということです。

この2つの時計遺伝子が同じリズムを刻むためには、朝食を起床後“2時間以内”に食べる必要があります。

それではじめて中枢時計遺伝子と末梢時計遺伝子、2つの時計の針がリセットされ、同じリズムを刻むことができるのです。

(写真:iStock.com/oatawa)

では、起床後2時間以内に朝食を食べないと、どうなるのでしょうか?

朝日を浴びて中枢時計遺伝子が活動を始めると、いろいろなホルモンや酵素が分泌され、体内に栄養素が入ってくるのを待っています。

ところが、栄養源となる食べ物が体内に入ってこないと、分泌されたホルモンや酵素が活用されず、身体の代謝のバランスが乱れてしまいます。

脳は目覚めているのに、身体は眠ったままの状態なので、頭と身体がうまく機能しなくなります。

代謝が悪くなれば、当然、太りやすくなります。

 

また、毎朝、決まった時間に朝食を食べることも大切です。日によって食べる時間がまちまちだと、体内時計が狂ってしまいます。決まった時間に食事をすることで、末梢時計遺伝子も毎日きちんとリセットされるのです。

休日になると、朝寝坊をしてお昼近くにブランチをとる人がいますが、これは末梢時計遺伝子のリズムを乱すもとになってしまいます。

せっかく平日に規則正しく起きているのに、週末の2日間で体内時計を狂わせてしまうのです。

週明けに体調が悪いという人が多くいますが、これは時計遺伝子がうまく機能していない証拠でもあります。

毎日、同じ時間に起き、朝食を食べることは体調を整え、肥満を防ぐことでもあるのです。

バランスのとれた朝食を食べると、消費エネルギーが2割増しになる

末梢時計遺伝子の時間を正常にリセットさせるためには、朝食の中身も重要です。何を食べてもいいということではありません。

たとえば、甘い菓子パンにコーヒーだけでは、末梢時計遺伝子はリセットされません。炭水化物だけの朝食は、何も食べないのと同じなのです。

(写真:iStock.com/kuppa_rock)

体内時計が正常に動いているかどうかは、食事内容と集中力の関係を調べた実験で明らかです。

それは「炭水化物の主食、タンパク質の主菜、ビタミン・ミネラルなどの副菜、お味み噌そ汁やスープなどのバランスのとれた朝食」「おにぎりのみの朝食」「何も食べない」の3パターンに分けて暗算作業をするという実験です。

その結果、「バランスのとれた朝食」を食べた人は暗算力が上がっていたのに対して、「おにぎりのみ」「何も食べない」という人は、いずれも暗算力が下がっていました。炭水化物のおにぎりだけでは、朝食を食べたとはいえないのです。

この実験からも、バランスのとれた食事でなければ、時計遺伝子がうまく作動しないことがわかります。

 

とくに、デスクに向かって仕事をする頭脳労働者は、時計遺伝子リズムがうまく作動しないと、頭が働かなくなります。集中力がなくなって、仕事の効率が落ちてしまうのです。

私の知るかぎり、アメリカの第一線で働くビジネスマンは朝食を抜いたりしません。かならず、朝食をとります。いわゆる、アメリカン・ブレックファストというものです。

これは、紅茶やコーヒー、ジュースなどの飲み物に、パン、卵料理、ベーコンやハムなどの肉料理、野菜サラダ、ヨーグルト、フルーツなどを組み合わせたものです。この朝食には、炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルが見事にそろっています。

朝からきちんとした栄養をとっているから、アメリカのビジネスマンは朝から夜までハードな仕事をこなすことができるのです。

 

いままで朝食を抜いていた人は、「朝からそんなに食べられない」「料理する時間がない」と思うかもしれませんが、そういう人は、炭水化物のほかに、せめてタンパク質をとるようにしましょう。炭水化物とタンパク質をとることで、内臓にある末梢時計遺伝子が動くようになるからです。

朝日を浴び、バランスのとれた朝食を食べて体内時計が正常にリセットされた日は、そうでない日に比べて、消費エネルギーが2割も高くなることがわかっています。朝食をきちんと食べるだけで、痩せられるのです。

正しいダイエットは、朝食をきちんととることから始めるべきです。

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関連書籍

香川靖雄『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』

「少食にしているのになぜ痩せないの?」と不思議に思うことはないだろうか。実はこれには生体リズムをコントロールしている「時計遺伝子」が大きく関わっており、その鍵となるのが「朝食」である。たとえば朝食を食べない人は、食べている人に比べてなんと5倍も太りやすいのだ。また朝食で発する熱量は夜食の4倍大きいなど、朝食は大きく代謝を上げることが明らかに。我慢をせず、好きなものを食べて痩せたいという人に、時間を活かした画期的なダイエット手法を、女子栄養大学の副学長が伝授。

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食べる量が少ないのに太るのはなぜか

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香川靖雄

女子栄養大学副学長。自治医科大学名誉教授。一九三二年東京生まれ。一九五七年東京大学医学部卒業。聖路加国際病院、東京大学医学部生化学助手、米国コーネル大学生化学分子生物学客員教授、自治医科大学生化学教授などを経て、現職。専門は生化学、分子生物学、人体栄養学など。

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