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猫を撫でて一日終わる
2019.02.28 更新 ツイート
「切符を拝見します」
そう言いながら少しずつ車掌さんがこちらに近づいてくる。
切符はどこにやったっけ。ちゃんとあるよな。ポケットの中に入れたか、財布の中に入れたか、どっちだったか。ポケットに手を入れると切符の尖った感触があった。よかった。ちゃんとあった。切符を手に握りしめて車掌さんが来るのを待つ。声をかけられたときに滞りなくスムーズに切符を出せるだろうか。切符を差し出す瞬間を、頭の中で何回もシミュレートする。
人と話すのが苦手だ。ご飯を食べるのが面倒だ。少しだけ人とずれながら、それでも小さな幸福を手にしたっていいじゃないか。自分サイズの生き方の記録。
pha
1978年生まれ。大阪府大阪市出身。現在東京都内に在住。京都大学を24歳で卒業し、25歳で就職。できるだけ働きたくなくて社内ニートになるものの、28歳のときにインターネットとプログラミングに出会った衝撃で会社を辞める。以来毎日ふらふらしながら暮らす。シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人。著書に『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』『ひきこもらない』(幻冬舎)、『ニートの歩き方 お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』(技術評論社)などがある。
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