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子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる !

2019.02.26 更新 ツイート

子どもの成長に合わせて、脳も発達させる林成之

早期教育は年々激化し、ついに「0歳児教育」まで出現する現代。ですが、子どもの才能を伸ばすのに一番重要なのは脳の発達に合わせた教育をすること。年齢ごとに子どもの脳の発達段階は変わるが、それに合わせて子どもをしつけ、教育すると、子どもの才能は驚異的に伸びる!『子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!』では年齢ごとにどのようにしつけ、教育すればいいのかを、著者の林成之さんが脳医学の知見からわかりやすく解説。そんな本書の中から、一部を抜粋してお届けします。

*   *   *

子どもの脳はこうして発達する

(写真:iStock.com/byryo)

3~7歳の子どもの脳は、不要な細胞を間引き、脳の神経回路のベースをつくっています。実は、7~10歳以降に神経回路をしっかり発達させていくには、この時期の過ごし方がとても重要なのです。

先にご説明したように、脳は活性化させれば優秀になるわけではありません。もっといえば、いくら勉強したところで、勉強量が多ければ頭がよくなるというわけでもありません。

結局のところ脳というのは、その機能を本能や心と共にしっかり働かせることができてこそ優秀な頭脳たりえるのです。そして、脳をしっかり働かせることができるかどうかは、物事の考え方や取り組む姿勢など、日ごろの習慣のよしあしにかかっています。

 

私は、脳の神経回路のベースがつくられる3~7歳の間は、脳にとって悪い習慣をやめ、よい習慣を身につけるという「脳の基礎づくり」にこそ注力すべきだと考えています。目先の成果にとらわれて、知識をつけさせたり、無理に難しい問題を解かせたりすることはあまり意味がありません。

悪い習慣をやめ、間引きをしっかりと行う。その上でよい習慣を身につけていけば、一生ものの「脳がしっかり働くしくみ」を手に入れたも同然なのですから、長期的な視野に立って育脳に取り組みたいところです。

7~10歳以降の脳は、間引きが完了し、脳神経細胞が樹状突起を発達させて神経回路をどんどん進化させていきます。大人と同様の脳になりますから、ここからはどんどん勉強してよい時期。判断力や記憶力も、急速に高まっていきます。

 

ただし、7~10歳以降は、同時に自己報酬神経群が発達していくタイミングでもあることに留意する必要があります。自己報酬神経群は、「自分がやってやろうと思ったことを成し遂げること」に喜びを感じるのでしたね。

このため7~10歳以降は、親が「○○しなさい」などと指示をすると非常に嫌がるようになります。先回りして指示されたときの「いまやろうと思っていたのに」という口答えは、子どもだけでなく大人もつい言ってしまいがちなものですが、これは自己報酬神経群の働きが止まると、脳の機能が落ちてしまうからなのです。

いつまで経っても“子ども扱い”を続け、「ああしなさい、こうしなさい」と指示していると、子どもはどんどんやる気をなくし、脳の機能を落としていきます。

親が先回りをやめ、子どもに「自分からやりたいと思い、自分で成し遂げる」という経験を積ませると、子どもは「あのうれしさをまた味わいたい」と思ってやる気を出し、脳がしっかり働くようになります。

「ああしなさい、こうしなさい」と指図するのではなく、子どもが自分から「ああしたい、こうしたい」と口にするようなコミュニケーションが育脳のカギなのです。

 

子どもの脳の発達過程を知ると、一足飛びに「頭がよい脳」「才能を発揮する脳」をつくることはできないということがよくわかると思います。子どもの成長に合わせて、その時期の脳が伸ばすべき力を知り、適切な目標を設定することが大切なのです。

第2章以降をお読みいただくにあたって、道標となる大きな目標をシンプルに整理すると、

(1) 0~3歳で、脳の本能を磨き、「心が伝わる脳」を育てる

(2) 3~7歳で、脳にとって悪い習慣をやめ、「勉強やスポーツができる脳」のベースを育てる

(3) 7~10歳で、自ら学ぶ「本当に頭がよい脳」を育てる

(4) 10歳以降は、よい習慣を存分に活かし、「才能を発揮する脳」を伸ばしていく

となります(図5)。

子どもの才能は後天的に伸びる

「育脳によって、子どもはすごい才能を発揮する」とお話しすると、「才能とは持って生まれたものなのではないか」と不思議に思う方がいるようです。

確かに、「生まれつきの才能」というものがあるのは間違いありません。しかし、才能は環境によって変化するものなのです。医学的には、持って生まれた遺伝子そのものが変わることはありませんが、遺伝子が働く際のプロセスや機能は、環境によって変わっていくことがわかっています。

子どもが秘めている才能は、科学的な理論にもとづいた育脳を行うことで開花させることができます。

また、「運動が苦手」など不得意なことがある場合であっても、大人が子どもの脳を上手に育てられれば、持って生まれた能力をきちんと活かし、不得意なことを克服していくことも十分に可能です。

 

それから、ここでもう一つお伝えしておきたいことがあります。

「子どもの才能が3歳、7歳、10歳で決まる」というお話をすると、「うちの子は8歳だからもう手遅れではないか」といった質問を受けることが少なくありません。

しかし、育脳に「手遅れ」ということはないのです。

本書は最善の育脳方法、つまり「大人になってから持てる才能を無理なく発揮できる脳」を育てることにフォーカスしており、子どもの脳の発達に合わせ、「その時期だからこそすべきこと」をご説明しています。

しかし、たとえ時期が遅れたとしても、脳の機能がしっかり働くにはどのような習慣が必要かを知って実践すれば、年齢を問わず脳のパフォーマンスをアップさせることは可能です。

本書の内容をよく理解して実践すれば、小学校高学年以降の子どもはもちろん、大人の方の能力アップにも十分に役立つことをお約束します。

林成之『子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる! 脳を鍛える10の方法』

早期教育は年々激化し、ついに「0歳児教育」まで出現する有様。だが、子どもの才能を伸ばすのに一番重要なのは脳の発達に合わせた教育である。0歳~3歳は脳の細胞が増え続ける時期で、未熟な脳に負担をかける知識の詰め込みはNG。将来的に才能が伸びなくなる。3歳~7歳の不要な脳の細胞が減っていく時期は、悪い習慣をやめさせることが先決。7歳~10歳からは脳の回路が発達し始めるので、本格的に学習させるべきである。本書では年齢ごとにどのようにしつけ、教育すればいいのかを、脳医学の知見からわかりやすく解説。

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林成之

1939年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。93年、日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター部長に就任する。日本大学医学部教授、マイアミ大学脳神経外科生涯臨床教授を経て、2006年、日本大学総合科学研究科教授。08年、北京オリンピックの競泳日本代表チームに招かれ、「勝つための脳」=勝負脳の奥義について選手たちに講義を行い、結果に大きく貢献する。著書に『〈勝負脳〉を鍛える』(講談社現代新書)、『ビジネス〈勝負脳〉』(KKベストセラーズ)、『望みをかなえる脳』(サンマーク出版)、『思考の解体新書』(産經新聞出版)など多数。

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