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編集部日記

2018.09.02 更新 ツイート

自尊心がボロボロになったときに竹村優子

8月27日
先週から引き続き、9月新書の再校ゲラに取り組む。
夕方、下北沢で佐伯ポインティさんと打ち合わせ。plusでの連載をお願いしたいなと思って。
その後、表参道へ。
激しい雷鳴。カフェに駆け込む。そしてさくらももこさんがお亡くなりになったことを知る。ショック。
ちょうど『少年ジャンク』(志磨遼平さんのコラム集。本や漫画や映画の話がたくさん出てきて、異様に引き込まれる)を読んでいて、そこに出てくるまる子のお父さんの「クリスマスのエスさん」話に、私も覚えている!と思っていたところだったのだ。
小学2年生のときからずっと『りぼん』派だった私。その歴史において「ちびまる子ちゃん」の登場は衝撃だった。少女漫画における恋愛漫画以外のおもしろさを知った最初の作品。
そんなことを思い出しながら原稿読み。

8月28日
午前中、新宿の喫茶店らんぶるで打ち合わせ。
午後、新高円寺で打ち合わせ。はじめて降りた駅かもしれない。
そのあとに寄った恵比寿のお店で、野宮真貴さんにばったり会う。ずっと進めなければと思っている野宮さんの原稿が手元にあり、それをスタートさせよという啓示だと自覚する。やらねば。
会社に戻ってずっとゲラ仕事。

「めざましテレビ」より。縦横の比率がおかしいと言われる自宅テレビなのだけど、直し方がわからない

8月29日
尾崎世界観さんが「めざましテレビ」のエンタメコーナーで窪美澄さんの『じっと手を見る』を取り上げてくださると聞き、6時すぎに起きる。尾崎さんが「やり場のない気持ちを描いている恋愛小説」とのご紹介。泣ける、感動する、というひとことでは説明しきれない本の魅力をすくいとってくださり、とてもうれしい。ありがとうございます。
6時台の起床が未知すぎてもう一度寝る。
先週から咳が止まらないので、病院に寄ってから会社へ。風邪ではなく、何かのアレルギーな気がする。
今日で終わらせるつもりで、再校ゲラに取り組む。

8月30日
午前中、plus会議。
午後、部数決定会議。9月末の新書の部数が決まる。再校ゲラも終わる。
会議もうひとつ。
明日の企画会議の企画書づくり。
「人形怪談」「美しい暮らし」の記事づくりなど。
夜は、西荻窪の旅のまどで井出明さんの「ダークツーリズム」イベント。井出さんが思考をのぞき見しながら、旅を追体験するようなトーク。
私は、咳が止まらないので、打ち上げは失礼して帰宅。

8月31日
午前、自宅で原稿読み。
午後、企画会議。
その後、上野へ。『こころ傷んでたえがたき日に』を出されたばかりの上原隆さんの取材。上野公園で写真を撮影しながら移動。
『こころ傷んで~』は無名の人たちの生きざま、人生の断片を描く、ノンフィクションコラム。移動中は、涙がこぼれないよう歯をくいしばりながら読んだ。
撮影中の上原さんと、カメラマンのパトリック・ツァイさんを見ながら、インタビュアーの清田隆之さんとどこがよかったかをお互い話しているだけで、再び胸に迫ってくるものがある。
「自尊心がボロボロになったとき人は自分をどう支えるか」が、上原さんの書くテーマだという。取材の仕方、文章の起こし方、いい文章を書くための日常の過ごし方、取材のこぼれ話…貴重な話をたくさん聞かせていただく。この模様は、後日、plusに掲載。
その後、下北沢に移動。B&Bで藤井達夫さんと湯山玲子さんの『〈平成〉の正体』刊行記念イベント「女と平成」へ。主に新自由主義の話。私もネオリベ的体質だし、それを機動力に仕事をしている自覚は十分にあるけれど、世界のすべてが弱肉強食の勝ち負けで覆われてしまうのは嫌なのだな。誰もがずっと強くいられるわけではないし、いつボロボロになるかもわからない。どこまでも自己責任ではなく、お互い迷惑かけあいながら生きていきたい。

9月1日
夕方から、幻冬舎大学の井出明さん「ダークツーリズム」入門講座。
金曜日とは趣きを変え、「ダークツーリズムとは何か?」という概論的な話が中心。
ダークツーリズムは「人類の悲劇をめぐる旅」とも言い換えられるが、ここでいう、「人類の悲劇」とは、主に近代化の影、傷跡のこと。
ただ、西洋では、「歴史」には「光と影」の二面性があることは、周知のものとして受け入れられるが、日本では、「地域の影」を隠そうとする傾向が強く、ダークツーリズムが根づきづらいという。しかし、「日本の未来を考えるためにも、歴史の影を見るダークツーリズムは絶対に必要」と井出さん。
潜伏キリシタンをめぐる世界遺産認定の裏話など、意外な話もたっぷり。どんな歴史もみ方を変えればまったく違う姿が立ち上る。
日本は、光り輝く栄光の歴史だけを観光資源にする傾向が強いという。でも、歴史も土地も人も、光と影の両方があるからおもしろいのだと思う。

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幻冬舎plus編集部員の仕事に仕事と、それだけじゃヤダな日々。

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竹村優子

幻冬舎plus編集長と単行本、新書、文庫の編集に携わる。手がけた本は、『世界一の美女になるダイエット』(エリカ・アンギャル)、『青天の霹靂』(劇団ひとり)、『職業としてのAV女優』(中村淳彦)、『快楽上等!』(上野千鶴子・湯山玲子)、『大本営発表』(辻田真佐憲)、『弱いつながり』(東浩紀)、『赤い口紅があればいい』、『「自分」を仕事にする生き方』(はあちゅう)、『じっと手を見る』(窪美澄)など多数。

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