1. Home
  2. 暮らし術
  3. 脱・草食系男子フェア
  4. 射精が終わったときの言葉こそ、男の本音だ

脱・草食系男子フェア

2018.01.03 公開 ツイート

射精が終わったときの言葉こそ、男の本音だ 加藤鷹

藤沢数希さんの小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』のドラマ化(2017年12月28日に放送)を記念して、各電子書店で「脱・草食系男子フェア」を開催しています! その中から日替わりで"脱・草食系男子本"をおすすめします。

日本一有名なAV男優が教える人生で本当に役に立つ69の真実』 加藤鷹
現役にして伝説となったAV男優、加藤鷹。彼が、どん底生活から脱し、神と崇められ、絶大な信頼を得るようになった理由とは?「セックスのレベルが低いのはエゴのせい」「人の本音はセックスの後に出る」「『ベスト』で終わらず『ベター』を重ねることが一流」など、セックスのノウハウを超えた、究極の人生論。

(写真:iStock.com/vadimguzhva)

自分の気持ちを、相手と比べることは無意味だ。

セックスでいちばん大切なのは「愛」だ

俺は、こういう仕事をしているせいで、セックスについて、男女のことについて、いろんなところで質問を受けるようになった。

俺が語れるのは、俺自身の経験から導き出したものでしかない。それでも、人は俺の言葉に納得してくれたり、俺の言葉から大切なことを発見してくれたりする。それだけ、テクニック以外のセックスについての情報が、世の中に不足しているってことなんだろう。

だから俺は、語り続けようと思っている。

セックスでいちばん大事なのは、ひとことで言うと、何だと思うだろうか?

この答えがわからない人、自信を持ってたのに間違っちゃった人、かなりヤバいかもしれない。

答えはもちろん、「愛」。それ以外はない。まさか「テクニック」だなんて思ってないことを祈る。

「あなたを誰にも負けないくらい大好きです、いっぱい愛してます」という気持ち。セックスの大前提はそこにある。

その気持ちに自信をちゃんと持ってさえいれば、はっきり言って、テクニックも何も必要ない。下手でもいい。俺はそう思ってる。

その大前提がわかってないのに、ああしてやろう、こうしてやろうとテクニックに走ろうとするから、おかしくなってしまうのだ。それがいちばんよくないこと。

「すごく愛しています」って感情は、自分の心の物差しだけでわかっていればいいこと。「俺はこのくらい好きなんだけど、お前はどのくらい好きなんだ」って、自分の心の物差しを相手に差して測ろうとしちゃ、ダメだ。それでは、相手との駆け引きになってしまう。

セックスの途中で「ねえ、いい?」「感じる?」「よかった?」と、質問攻めにするのもダメ。何と比べて「いい」と言わせようとしてるのか。

自分が愛しているという、その気持ちだけでいいのだ。それに勝るものは何もない。

セックスには、一般論の勝ち負けも成功失敗もない。

セックスはフィギュアスケートに似ている!?

セックスにおいて、相手の女の子のことがものすごく好き、っていう大前提さえあれば、ほかは気にすることない。むしろ、余計な情報や先入観、憶測、そんなものを持ち込むよりは、何も考えないほうがましだ。

巧うまくセックスできないから、早漏だから、短小だからと、そういうことで悩んでいてもしょうがない。それが今のありのままの状態なら、受け入れるしかない。

セックスのことであれこれ100回悩んでいる時間があるのなら、実際に1回セックスをしてみたほうがずっといい。それで失敗したとしても、貴重な経験となる。頭だけで100回悩んでいるより、経験したことのほうが、ずっと自分の糧かてになる。

そもそも、セックスが失敗したのか、それとも成功したのかなんて、誰が決めるのだろうか?

相手がいるのだから、自分だけで決められることじゃない。

もし、セックスの後に、相手が「すごくよかった。いっぱいイッちゃった」と言ってくれたら大成功なのかというと、そんなことはない。「本当はよくなかったのに」と思いながら、男に気を遣ってそう言っただけかもしれない。いい女と思われたくて、感じてもいないのに、演技でイッちゃったフリをしていただけかもしれない。

ずっと成功していると思い込んで(つまり、俺はセックスが巧いと思い込んで)、過信しているヤツほど、性た質ちが悪い。実は、相手の女性に苦痛を押し付けているだけ……ということはよくあるものだ。

スポーツでいうなら、セックスはタイムや得点で勝ち負けがはっきりとわかる競技ではなく、審判員がいるフィギュアスケートのような競技に似ている。4回転のジャンプを失敗したからといって、全体の流れが優雅で美しければ、そのほうが素晴らしいと感じる人もいる。

セックスは、誰にでもわかる、一般論としての勝ち負けがあるわけでもなく、成功も失敗も、自分だけでジャッジできるものではないのだ。

女は男の右側を歩くな。

力関係で上の人が、右側に来る

女の子から「どうすれば彼とうまくいくんでしょう」と相談を受けると、俺はまず「とりあえず、デートするときに彼の右側に立たないことだね」ということを教えるようにしている。

これは、動物の世界では「力関係が上の者は右側にいる」ということが、自然の法則としてあると、俺が信じているから。

女性でも、本能レベルで「その男より自分の力が上だ」と感じている場合は、無意識のうちに男の右側に立ってしまう。それは、男にとっては、(本人は無意識で気づいていないかもしれないけれど)すごく不自然で不愉快なことのはずなんだ。

 

右利き左利きに関係なく、武士は左腰からさやを下げ、右手で刀を抜く。それにはちゃんと理由がある。武士の右側に立つということは、あなたより強いという意識を持って対決を挑んでいるという意味があるのだ。剣道もそう。左腰から右に向かって竹刀を振り上げるはずだ。

人間の心理には、場所によって立場が決まるという法則があるはずだ。だから、結婚式の座席だってそういう法則に従って決められているんじゃないだろうか。偉い人を右側のかみに座らせるし、応接室や接待でも(入口が特別な位置になっていない限り)右奥が上座になっている。

新郎新婦にしても、新婦は、必ず新郎の左にいる。

女性は男の右側に立たないこと。左に回って、男の立場を立てるようにすることが、意外にも、二人の関係をスムーズにするコツだ。

「できちゃった結婚」はめでたくない。

マスコミのモラルなき対応が、避妊しないカップルを増やしている

世の中に影響力を持っている人気タレントが、「妊娠しました。だから結婚します」と、喜んで記者会見することがよくある。それに対して、記者たちも「おめでとうございます!」と、平気でもてはやしている。

大人がそんな報道をして、誰が避妊するだろう? 俺はあの、マスコミのモラルなき取材対応が許せない。報道を見た若者たちへの影響が全くわかっていない。

あんな様子を見たら、「じゃあ、ナマでやって、できちゃったら結婚すればいいんだ」となってしまうだろう。きちんと結婚をして、それから子どもをつくるものだ、という本来の順番なんて関係ない、という認識が当たり前になっている。

俺は、やっぱり、無責任に妊娠させることだけは、しちゃいけないと思っている。それが、人を大事にすることだと思うからだ。

「コンドームを持った」と「歯を磨いた」は、同レベルの話。

「コンドームを着けると気持ちよくない」はただの言い訳

避妊の話を続けよう。

セックスっていうのは、摩擦で気持ちよくなるものじゃない。コンドームを着けていても気持ちいいセックスはできるもの。俺が言うんだから間違いない。

よく誤解されるけれど、アダルトビデオの撮影でも、コンドームはちゃんと着けている。

「着けると気持ち良くないもん」と言うのは、コンドームを着けることを習慣づけていないヤツの言いぐさだ。

「今日、コンドーム持った?」というのは、「今朝、歯を磨いた?」というのと同じレベルの話だと思っている。

それはシモの話じゃない。セックスってのは頭を使ってやることなのだから、上の話、つまり「脳みその話」だ!

大人たちは責任を持って、コンドームを着けるよう、もっと徹底して思春期のうちに教育すべき。厚生労働省と文部科学省が長年敵対しているのは、俺に言わせたらバカみたいな話だ。厚生労働省はもっと現実的な性教育を推進したいのに、文部科学省からしてみれば、教育でそこまでやるのはどうか、というわけだ。

日本では、セックスのこととなると「臭いものにはふたをしろ」みたいな風潮になる。それはおかしいことだと思わないだろうか。

人の本音はセックスの後に出る。

セックスする前の「好き」は、「セックスしたい」とイコールだ

特に女性に知っておいてほしいことを話そう。

「好きな人とじゃなければセックスはできない」と言う人がいる。それは普通の感覚かもしれない。むしろ「それが当たり前でしょ」と言う人が多いだろう。

でも、この仕事を突き詰めていくと、それは違う、と思ってしまう。俺には、カッコつけてる言葉にしか聞こえない。

男にとって性的興奮というのは、あくまで射精にのみ向かっていること。

だから、もし興奮度を心電図で表せるなら、「ドックン、ドックン」の波形は、射精時をピークに大きくなり、射精の次の瞬間は、いきなり「ピー」とご臨終……となるだろう。

男が射精をすると、性的興奮が収まるだけじゃなく、気持ちも収まってしまう。心電図のたとえで言えば、心肺停止状態のようなものだから、そのときはリップサービスをする余裕などなく、本音しか言えなくなる。繕おうとしても、なかなかできないのだ。

つまり、射精が終わったときの言葉こそ、男の本音だ、ということ。行為の直後に、相手の目を見て「やっぱり好き」って言えたら、ホンモノの重みがある。

いくら好きだの愛してるだのと男が言っても、それがセックスをする前であれば、性欲が言わせているとしか思えない。「セックスして射精したい」ってことを、「好き」って言葉に置き換えてるとも言える。

ところが、女の人は、セックス前の欲情した男の告白を、愛だと勘違いしている。セックスの前に好きだとか、君が欲しいとかって、さんざん言いながら、終わった後、いきなりシャワーに行っちゃったり、背中向けて眠っちゃったりする可能性だってあるのに。それは、女性にとったら最悪のはず。

本音は、終わったときにしかわからない、ということを覚えていたほうがいい。

(第四章「俺が見続けてきたもの。男と女とセックス」より)

*   *   *

加藤鷹『日本一有名なAV男優が教える人生で本当に役に立つ69の真実』

現役にして伝説となったAV男優、加藤鷹。彼が、どん底生活から脱し、神と崇められ、女優から絶大な信頼を得るようになった理由とは?「セックスレスのレベルが低いのはエゴのせい」「人間関係はお節介から」「人の本音はセックスの後に出る」「『ベスト』で終わらず『ベター』を重ねることが一流」など、セックスのノウハウを超えた、究極の人生論。

目次抜粋

◆女は上から見てもわからない。下から見て初めてわかる。
◆「絆」は見えないもの。仲がいいことと「絆」は別。
◆神様は平等。気持ちよくなれない女性はいない。
◆腕のいい泥棒からセックスを学べ。
◆撮影直前に短時間で相手の本音を読み取るコツがある。
◆セックスはヒューマンドキュメントだ!
◆女は子宮で男の嘘を見抜く。
◆成就した女は「もう一回」と言わない。
◆セックス前から、女のイメージを決めつけるな。
◆セックスも人間関係も、「聞く」「見る」じゃなく「聴く」「観る」。
◆セックスのときにしっかりと目を見つめる女は、大物になる。
◆一流になるためには、ベストを求めない。ベターを重ねていくこと。
◆トップを目指したい女性、感性を磨きたい女性に、セックスが力を与える。
◆誰もが、保証のない「余命」を生きている。
◆草食男子を脱しないと、幸せは感じられない。
◆夫婦のいいセックスが、日本を幸せにする。
◆日本人は世界最高のセックスができる民族である。……など

{ この記事をシェアする }

脱・草食系男子フェア

藤沢数希さんの小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』のドラマ化を記念して、
「脱・草食系男子フェア」と称し対象作品の電子書籍版をお得にご購入いただけるフェアを各電子書店で開催しております。
今回はその中から一部を紹介させていただきます。

バックナンバー

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP